【初心者必見】初めてのサイクリングでよくある事故の事例やしまなみ海道での注意点
クロスバイクやロードバイクで長距離サイクリングする初心者に向け、転倒や事故の注意点を解説しています。私の経験に基づき、転倒パターンや事故が起こりやすい場所を紹介してみようと思います。ほかのサイクリストやオートバイのライダー、自動車や歩行者とも共有する道路がしまなみ海道にも多いです。ヘルメットの着用はもちろん、周囲への配慮を心掛けて、安全で楽しいしまなみ海道旅行を楽しんでほしいです。
こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。
初心者ひとり旅でも安全・安心にサイクリングを楽しめるガイドブックを目指して作っているウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。
時にカオスなしまなみ海道
世界的なサイクリングコースとして知られる瀬戸内海の「しまなみ海道」。高速道路とは別に、自転車歩行者専用道と原付バイク専用道が整備されていて、さまざまな交通手段で愛媛県と広島県を行き来することができる瀬戸内海縦断ルートになっています。
- 初めてのしまなみサイクリングのコツ
- よくある転倒やアクシデントの例
- 初心者向け危険とリスク回避の方法
歩行者や原付バイクも混在
基本的には、のどかで懐かしい素朴な風景の中を旅することができるルートなのですが、島と島を結ぶ橋の上などは、自転車と歩行者と原付バイクが共用する狭い箇所もあります。ときにはお互いに譲り合いの気持ちがないと、「あっ!あぶない」という場面に遭遇することも。救急車が入りにくい場所も多く、たとえ小さな事故でも大事になってしまう可能性があると思います。
また、しまなみ海道の大きな魅力のひとつは「レンタサイクルで初心者でも気軽に自転車旅行ができること」が挙げられます。レンタサイクルの仕組みが日本でも屈指の充実度で、初めてスポーツ自転車に乗って長距離のサイクリングに挑戦する方も多いんです。そのため普段からロードバイクを趣味として楽しんでいるような上級者からファミリーの気軽なピクニックサイクリングまで、幅広い方々が混在しています。
もちろんそれぞれの島は無人島ではないので、そこに暮らす人々の生活の場でもあります。サイクリングで通る島の一般道には、農家さんの軽トラックから、採石場のダンプカーまでさまざまな自動車も行き来しています。都市部のサイクリングに比べたら、車両や歩行者の数、道路の複雑さなどは圧倒的に走りやすいしまなみ海道ですが、そんなしまなみ海道だからこそ気を付けるべきポイントもあるのではないでしょうか。
シェアザロードの気持ちが大切
この「多様性」はしまなみ海道サイクリングロードならではの素晴らしさであるとともに、注意すべき特性でもあると思います。オフシーズンや平日はともかく、週末や特にゴールデンウィークなどの大型連休や、中~大規模のサイクリングイベントの開催日などは、橋への登り降り口や、橋の上の自転車歩行者専用道を中心にカオスな状況になっていることも。
そこで大事なのは「Share the Road シェアザロード」という、ゆずりあいの気持ちです。
愛媛県でもサイクルツーリズムを推進する上で、「愛媛県自転車の安全な利用の促進に関する条例」の基本理念としても定められていて、しまなみ海道でもよく見かける標語になっています。この素晴らしいサイクリング環境を旅行者の方も一緒になって大切にしていきませんか。
限られた空間をみんなでシェアして、安全に楽しく♪
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転倒やアクシデントの例
初めてスポーツ自転車に乗る時や慣れていない自転車に乗る時などに起こりやすい事故のパターンを事前に知っておくと、より安全なサイクリングを楽しめると思います。私も、クロスバイクに乗り始めたばかりのころ、自分が思っているよりも下り坂でスピードが出ていて曲がり切れなくなりそうになったり、ブレーキが利きすぎて飛び出してしまいそうになったり…。個人的な経験も踏まえて、私が初心者のサイクリング旅行者にお伝えしたいいくつかの転倒パターンをまとめてみました。
- 逆走や並走、急ブレーキ、わき見運転による接触
- マンホールや金網でのスリップ、段差での転倒
- 下り坂カーブでのオーバースピード
- 片側ブレーキによるホッピングやスリップ
橋の上の専用道や一般道で
逆走や並走による接触
しまなみ海道では特に橋へと登るところや橋の上などの自転車歩行者専用道には狭い道も多いんです。こうした自転車歩行者専用道には自転車がどこのレーンを走行すればいいのか、標識や看板にて示されています。決められた自転車走行レーンを左側一列で走行するようにしましょう。しまなみ海道のあちらこちらでも「1列左側」の文字を目にしますね。
歩行者や原付バイクとの接触
しまなみ海道での自転車の通行は、歩行者や原付バイクとも一部の道や走行レーンを共用するような作りになっています。例えば、私は歩行者の方を追い越す場合、前後の状況を確認してから「すみません、右から追い越します」と一言かけるようにしています。歩行者優先で、前方や後方からの原付バイクにも気を付けてサイクリングをしましょう。
マンホールや金網、白線でのスリップ
自転車のスリップによる転倒。道路上には雨などで濡れていると特に滑りやすい部分というものがあります。例えば、排水溝の金網「グレーチング」や「マンホール」などの金属部分、「車道外側線」などの白線は滑りやすいです。しまなみ海道の道しるべ「ブルーライン」などには滑りにくい特別な塗料が使われているそうですが、なるべく乗らないようにすることをおすすめします。前日の雨での濡れが残っているような場所、タイヤを取られやすい落ち葉や砂地、あと段差にもご注意を。
急ブレーキによる自転車同士の衝突
一列で車間を空けて走行しましょう。猫などの動物が飛び出してきたり、モノを落としてしまったり、前を走っていた自転車が急ブレーキをかけたとき、車間を取らずを走っているとブレーキが間に合いません。普通自転車の型式認定の制動距離は時速10㎞走行で3m以内。制動距離は速度が速いほど、また路面状況によってももっと長くなります。また、自分が停まるときは「止まります!」などと後方の人に伝えましょう。グループでのライドでは手信号も有効です。
わき見運転による転倒
しまなみ海道の美しい景色に見とれてわき見運転にならにようにしましょう。横方向を見ながらまっすぐ進むことは自転車の熟練者でもかなり難しいんです。わき見運転で気が付いたら道の真ん中に出ていた、欄干に接触しそうになっていたということも。走行中は前方の安全を常に確認する義務があります。景色を楽しむときは安全な場所に自転車を停めましょう。
橋や峠からの下り坂で
下り坂カーブでのオーバースピード
下り坂は自転車の重大事故が起こりやすい場面です。私も特に初めてスポーツ自転車に乗る時やまだ慣れていない時などは、カーブを安全に曲がり切れるスピード感覚がよく分かりませんでした。曲がり切れずにガードレールに接触してしまったことがあります。「前後のブレーキ」を使ってカーブに入る前にスピードを抑えて、対向やコース外に出ないようにしましょう。
片側ブレーキによる転倒
前の項で「前後のブレーキ」と書きましたが、自転車のブレーキは左右同時(前後同時)にかけるのが基本です。左右のブレーキレバーがそれぞれ前輪・後輪のブレーキと繋がっています。前輪ブレーキだけをかけると後輪が跳ね上がり前転する危険が、後輪だけだとドリフト走行のように後輪が横滑りして転倒する危険があります。スピードが速ければ速いほど、片側ブレーキによるお転倒のリスクは大きくなります。やっぱりゆっくり走るのが大切ですね。
ペダルの地面接地による転倒
カーブの時、特に下りでのコーナリングでは「内側のペダルを上げる」ようにしましょう。人間の本能的には、重心を取るために内側を下げたくなる気がします(私も無意識なら内側のペダルを下げてしまうと思います)。2輪車はハンドルよりも体重移動、つまり傾けることで曲がっています。内側を下げて曲がるとペダルが地面にこすって転倒する危険があるんです。低速でのカーブでは車体の傾きも小さいので、まず接地することはないとは思いますが、自転車の基本のひとつ「カーブの時は内側を上げる」はぜひ覚えておきましょう。
ひとことに自転車事故といっても、その原因はさまざまですね!
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雨の日は特に気を付けて
自転車旅行はどうしても天気の良しあしに左右されます。雨の日は、視界が悪くなるうえ、特に先に上げたようなさまざまな場所が更に滑りやすくなります。
旅程や予約などの制約はあるとは思いますが、初めての長距離サイクリングであればあるほど、できれば雨の中の走行は避けたい所です。多少のキャンセル料金などが発生したとしても、サイクリングをしないという決断も時に必要だと思います。
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事故が起こりやすい場所
しまなみならではのポイント
原付バイクとの合流地点
来島海峡大橋や多々羅大橋など、しまなみ海道のいくつかの橋の上は、自転車歩行者専用道と原付バイク専用道が分かれています。橋へと登る途中や、降りる途中に、自転車道と原付バイク道が合流するポイントがあるので注意して進みましょう。「止まれ」の標識などもしっかり確認して、そうした場所ではゆっくりと減速して一旦停止して安全を確認しましょう。
自転車道のブラインドカーブ
しまなみ海道の橋へ登ったり降りたりするための自転車道は、勾配が3パーセント前後と、緩やかになるようになっています。そのため、グルグルと回り込むような道になっていて、一部にヘアピンカーブやブラインドのカーブがあるんです。センターラインをはみ出してカーブを曲がると衝突や転倒の危険があります。左側一列での走行が必須です。
自転車道と一般道の合流地点
自転車専用道を下りきると、メインルートは一般道へと合流します。いきなり、車通りのある道路に出ますので、ゆっくりと減速して一旦停止。車止めのためのポールがある場所も多いので、ペダルなどの接触にもご注意を。橋へと登る自転車専用道へ入る時も、下ってくる自転車や歩行者、原付バイクに注意して進入するようにしてください。
橋の主塔周辺
これは来島海峡大橋に特有の構造なのですが、自転車歩行者専用道の主塔付近が外側に膨らんで回り込むような構造になっています。最近は「SLOW DOWN」の文字や、矢羽根の目印が路面にペイントされていますが、やはりここでの接触事故も多いそうです。ある種のブラインドカーブのような感じになっているので、減速して左側を確実に通るようにしましょう。
長い直線の下り坂
しまなみ海道のメインルート上のいくつかの峠道や展望台からの下り坂など、直線の下り坂は、特にスピードが出やすいポイントです。上り坂を登り切ってからの下り坂は、開放的な気分になりがち。下り坂は自転車ならではの爽快さを味わえる場所ですが、片側ブレーキによる転倒が起きやすいので、両方のブレーキを使いながらスピードをコントロールして下るようにしましょう。
市街地の一般道路
しまなみ海道のいくつかの島や、今治市街、尾道市街では、市街地の一般道路を通ります。特に、向島や因島のメインルート上には、路側帯が狭く交通量が多い場所もあるので、こうしたところの走行では、行き交う自動車や飛び出し、出会い頭に注意を払いながらの走行になります。
しまなみ海道サイクリングならではの事故が起こりやすい場所の例をご紹介しました。
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危険とリスク回避の方法
予測と回避の繰り返し
前の章でご紹介した「転倒やアクシデントの例」は、自転車の走行時に気を付けることのほんの一部です。自転車に限らないですが、走行中は事故を回避するために、前方を中心に周囲の状況から危険を予測し、減速・徐行・一旦停止するなどの回避行動を繰り返しながら前進していきます。上り坂、見通しの良い直線、下り坂、カーブ、市街地…周囲の状況も刻々と変化していきます。
その予測すべき項目は、屋外で移動している以上、無限大といっても過言ではありません。路面に落ちている障害物、路面の凸凹やウェット具合、見通しのよさ、飛び出しや出会い頭の可能性などなど。ベテランのサイクリストで事故が少ない方は、経験からくる予測の適格性と対応の処理能力が高いのだと思います。
初めてスポーツ自転車に乗ったり、慣れない自転車に乗ったり、初めての長距離サイクリングだったり、そんなときは安全のために気を付けるべきポイントがたくさんあるんです。走行スピードが速すぎると、その予測と対応が追い付かないんです。とにかく、安全なサイクリングには「ゆっくりとしたスピードで走行すること」が何より大切な理由です。
服装などで気を付けること
ヘルメット
しまなみ海道の全てのレンタサイクルにはヘルメットがついています。道路交通法の改正で2023年4月1日から自転車に乗るときにヘルメットの着用が努力義務になりました。自転車での転倒時に頭部への衝撃が最も重大な事故に繋がると言われています。走行中はヘルメットを正しく被るようにしましょう。
今はスポーティでないカジュアルな服装にも合わせやすく日常使いができる帽子っぽいデザインのヘルメットなども販売されています。これを機に普段、自転車に乗る時用のヘルメットを新調してみてはいかがでしょう。女子におすすめの自転車ヘルメットを、普段使いから本格派までこちらのウェブページにまとめてみました。
手袋・グローブ
スポーツ自転車に乗る時、多くの愛好家を見てみると皆さんほとんどの方がグローブをはめているのに気が付くと思います。これは滑り止めや手が痛くならないように、あるいは疲労軽減の意味もあるのですが、転倒時に怪我の防止としても役に立つことがあります。自転車での転倒時、反射的に、とっさに手をつくことがあると思います。この時にグローブをはめているかどうかで、手の怪我のリスクがだいぶ違うんです。サイクリング用グローブがベストですが、軍手などでも素手よりはいいと思います。
レッグバンド
多くのスポーツ自転車のチェーンは、メンテンナンス性などからむき出しになっていることがほとんどです。長くひらひらとしたボトムスの裾が巻き込まれてしまうことがあります。裾が汚れたり破れたりするだけでなく、転倒の原因にもなりえます。スポーティーなレギンススタイルなら問題ないかもしれませんが、普段着に近いような服装で乗る場合には特に、レッグバンド(裾バンド)で裾を留めておくといいですよ。
同じく巻き込みの注意として、バックパックや服のストラップ、ベルトといっただらんと垂れ下がる系のものにも気を付けましょう。自転車はタイヤやチェーンなど回転する部分がむき出しになっている乗り物です。
日焼け止め
夏でなくても冬でも、一日中ずっと屋外でサイクリングをしているとどうしても日焼けが気になりますね。しまなみ海道には日陰の場所がとても少なく、ずっと日光にさらされまし、海からの照り返しも。日焼けは疲労の原因のひとつにもなるそうです。できれば汗で流れにくい日焼け止めを塗っておきたいものです。私は白熊のデザインが可愛い「OutdoorUV」の日焼け止めを愛用しています。
自転車の保険に加入
愛媛県では2020年4月から、広島県では2023年4月から条例により、自転車損害保険等への加入が義務化されています。万が一、自転車で交通事故にあった場合、高額の損害賠償を求められるケースもあると言います。もう一度、自分の自転車損害保険等への加入状況を確認して、最適な保険に加入している状況にしておきましょう。
パンクなどのトラブルは
初めてのサイクリングで心配なのが、タイヤのパンクなどの自転車トラブル。どんなに細心の注意を払って、いろいろ予防対策していても、どうしてもパンクする時はパンクするものです。そんなもしもの時に、トラブル対応の方法を事前に知っておくと少し安心感が増すかもしれません。しまなみ海道の沿線には自動車整備会社など地元有志が取り組む「しまなみ島走レスキュー」という仕組みのほか、民間業者の出張修理サービスなども続々と登場しており、初心者でもサイクリングを楽しむ環境が整っています。
このページでは、しまなみ海道で初心者が安全のために気を付けるべきポイント、クロスバイクなどのスポーツ自転車サイクリングが初めての方によくある事故や転倒の事例を中心に紹介しました。しまなみ海道サイクリングのその他の情報は、網羅的に以下のページにまとめています。サイクリングの計画にぜひご活用ください。