【初心者に推せる理由】しまなみ海道サイクリングをサポートするブルーラインやサイクルオアシス
上級者だけでなく初心者でもしまなみ海道の自転車旅行を楽しめるのはなぜ?しまなみ海道サイクリングロードならではの、便利なレンタサイクルのしくみやブルーライン・標識地図看板などの誘導のしくみ、気軽に休憩できるサイクルオアシスやパンクなどのトラブル対応のしくみ。しまなみ海道だからこそのサイクリング環境が初めての旅をサポートしています。
こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。
初心者ひとり旅でも安全・安心にサイクリングを楽しめるガイドブックを目指して作っているウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。
しまなみ海道の進化
知る人ぞ知る自転車道だった?
「しまなみ海道サイクリング」と聞くと、かっこいいカラフルなサイクルジャージに、流線型のヘルメットとサングラス、タイヤの細いスポーティーな自転車で颯爽と駆けていくサイクリストの姿をイメージされる方も多いそうです。自転車で旅するなんて初めてだけど、大丈夫なのかしら…。
- しまなみサイクリングが初心者OKの理由
- 初めてのサイクリングをサポートする仕組み
- ブルーラインやサイクルオアシス
たしかに、しまなみ海道が開通した1999年以降、しばらくの間、しまなみ海道は知る人ぞ知るサイクリングロードというイメージ。普段からサイクリングを楽しんでいる愛好家の間では有名という感じだったそうです。
実際、1999年~2006年あたりまではレンタサイクルの貸出台数(公共のしまなみレンタサイクル)を見ても右肩下がり。2013年あたりから、レンタサイクルを借りてしまなみ海道をサイクリングする旅行者が急激に増えたこともわかります。
しまなみ海道開通10周年頃から、次第に自転車旅行をテーマにした地域づくりや行政によるサイクリング環境の整備、国際大会開催などによるPRなどなど、徐々に活気づいていき、サイクリング環境が大幅に改善されてきました。今では愛媛県でも広島県でも観光PRで真っ先に名前が挙がるほど。
しまなみ海道が一般に有名になったのは、意外と最近なんですね!
旅人のすそ野が広がった
しまなみ海道サイクリングロードの今治~尾道の全長は最短でも70~80km。決して短い距離とは言えません。それでもサイクリング環境がどんどん充実するにつれ、しまなみ海道を訪れる旅行者の層も徐々に変化してきました。長距離の自転車ツーリングへのハードルが「しまなみ海道なら大丈夫そう」と下がったことにより、自転車旅行者のすそ野が広がっていきました。
今ではレンタサイクルを借りて初めて長距離の自転車旅に挑戦、女性ひとり旅という方も珍しくありません。最近ではしまなみ海道の地元の方と話していても「遠くからひとりでよう来たねぇ」という言葉を掛けられることが少なくなりました。普段着に近い服装で、気軽に自転車ひとり旅をしている旅行者の姿は珍しいものではなくなってきたようです。
2019年には国のナショナルサイクルルートにも指定されたしまなみ海道は、世界に誇れるサイクリングロードとしてまだまだ進化しています。途中リタイヤしやすいポイントやトラブル対応などを確認し、無理のないサイクリングプランを立てれば、自転車にはあまり乗らないという方でも大丈夫。
2日以上かけて今治~尾道がベスト
初めてしまなみ海道の今治~尾道を走り抜ける方には、2日以上かけてのんびりと観光もしながらのサイクリングがおすすめです。興味のあるエリアに絞って、しまなみ海道の一部を1日でサイクリングする方もいらっしゃいます。
きっと、思っているよりも、しまなみ海道のエリアは広いですよ
AD (Googleアドセンス広告)
自転車旅サポートのしくみ
初めて訪れた場所でも、自転車での長距離旅行が初めてでも、安心して70kmのサイクリングに挑戦できるのは、「しまなみ海道」ならではの自転車旅サポートのしくみがあるから。私が思う、初心者にもしまなみ海道自転車ツーリングが推せる理由をご紹介します。
①ブルーライン
道に迷わないか心配!しまなみ海道のサイクリング推奨ルートには、道路端に「ブルーライン」と呼ばれる水色のラインが引かれています。これは2009年頃から2012年頃にかけて、広島県側と愛媛県側と同じデザインで整備されたしまなみ海道オリジナルのガイドライン。初めての旅行者でも迷わずにサイクリングができるように誘導してくれます。
ブルーラインは、しまなみ海道のメインルートだけでなく外周ルートにも引かれているので、寄り道や回り道もしやすいようになっています。尾道や今治までの残り距離数や、右折・左折の指示も途中途中に表示されているのも便利です。
初めてだと分かりにくい橋の自転車・歩行者専用道の入り口や、向島~尾道間の渡船乗り場へも、このブルーラインが自然に誘導してくれるので安心です。自転車道の入り口は高速道路のICとは違う場所にありますし、向島~尾道は狭い尾道大橋を渡らずに船で渡るのが一般的なんです。このあたりにもブルーラインはしっかりと対応しています。
ちなみに、しまなみ海道から始まったこのブルーラインのしくみは、今治~松山や宇和島、石鎚スカイラインなどの愛媛県内のサイクリング推奨ルート(愛媛マルゴト自転車道)にも引かれています。さらには京都府の舞鶴や和歌山県の白浜、琵琶湖の周辺などでも、同じようなデザインでサイクリング推奨ルートを示す目印として設置され、全国に広がりをみせています。
②地図看板や案内標識
間違えて外周ルートに入ってしまわないか心配。しまなみ海道のブルーラインは、メインルートと外周ルートで基本的には同じデザインなので、確かに間違えないように注意が必要です。外周ルートのブルーラインには「外周コース Island Explore」の表示されていて、メインルートには「尾道↑」「今治↑」のような表示になっています。
これに加えて、自転車・歩行者専用道の出入り口や、メインルートと外周ルートの重要な分岐点には、地図看板や案内標識が設置されています。
地図看板を見れば、今自分が島のどこにいるのか。これからどちら方面に向かって行けばいいのか。途中の立寄りスポットへはどう行けばいいのか。などを確認することができます。
自転車・歩行者専用道の入り口には、「○○橋 自転車・歩行者専用道の入口 →」といった案内看板があるので、これを見逃さないようにしましょう。大きな分岐点では、一旦、自転車を停めて現在地とこれからのルートを確認することを習慣にするのがおすすめですよ。ルートをしっかりと確認することで、自分がどこを旅したのか、後で明確になるのも嬉しいものです。
ちなみに、しまなみ海道の島ではスマートフォンの電波が圏外になった経験が私にはありません。スマートフォンの充電さえしっかりと管理しておけば、現在地の確認などは全く問題ないですよ。2019年にナショナルサイクルルートに指定されてからは、標識の多言語化も進んでいて、海外からのサイクリング旅行者にも対応しています。
③柔軟なレンタサイクル
自転車の長距離旅行が初めて、クロスバイクなどのスポーツ自転車に乗るのが初めて、という旅行者の方に利用が圧倒的に多い公共のレンタサイクル「しまなみレンタサイクル」。このレンタサイクルサービスを利用する最大の利点は、エリア内に10ヶ所ものレンタサイクルターミナルがあること。
つまり、レンタサイクルをしまなみ海道のどこで借りて、どこで返すのか、その自由度がとても高いんです。もちろん、今治駅前で借りて尾道港で返却ということもできますし、体力的につらくなったので、途中の島で返却して後は船やバスで移動ということもできるんです。これは初めての長距離サイクリングでは本当に心強いものです。
レンタサイクルを返却できる場所に選択肢がないサービスだと、「どうしてもそこまで辿り着かなくてはならない」という義務があります。それがだいぶ緩いというだけでも、安心感があるのではないでしょうか。10ヶ所あるターミナルそれぞれに、途中リタイヤのしやすさなどが違うので、事前に確認しておくといいですよ。しまなみ海道のレンタサイクルについては、詳しくこちらのウェブページでご紹介しています。
AD (Googleアドセンス広告)
④サイクルオアシス
88のお寺を巡って四国を一周する「四国遍路」という巡礼の道が四国にはあります。お寺をまわる巡礼者はお遍路さんと呼ばれ、四国の地元の人にはこのお遍路さんをおもてなしすることで自分にもご利益があるという「お接待」という文化があるんです。私も、自転車で四国を一周したときに、各所でこのお接待のおもてなしを受けさせてもらいました。
このお接待の文化が、しまなみ海道のサイクリングに昇華した仕組みが「サイクルオアシス」なんです。NPO法人シクロツーリズムしまなみが提唱して、愛媛県、広島県へと広がりを見せているサイクルオアシス。地元の人がサイクリストの休憩場所をボランティアで提供しています。今ではしまなみ海道エリアに100ヶ所以上のお店や集会所などがサイクルオアシスに登録。
旅行者と地元の人の交流ポイントとしてもまさにソフトの面でしまなみ海道サイクリングをサポートしています。旅行者としては、お手洗いをお借り出来たり、空気入れや工具を貸していただくことができるので、本当にありがたいです。ちょっと立ち寄らせてもらったお店のおばあちゃんとの会話が、旅の一番の印象に残っているなんてこともありますしね。
⑤自転車トラブル対応
初めてのサイクリングで心配なのが、タイヤのパンクなどの自転車トラブルですね。どんなに細心の注意を払って、いろいろ予防対策していても、どうしてもパンクする時はパンクするものです。そんなもしもの時に、トラブル対応の方法を事前に知っておくと少し安心感が増すかもしれません。
しまなみ海道の沿線には自動車整備会社など地元有志が取り組む「しまなみ島走レスキュー」という仕組みのほか、民間業者の出張修理サービスなども続々と登場しており、初心者でもサイクリングを楽しむ環境が整っています。
私なりにしまなみ海道でパンクしたときにどういう対応が考えられるか、こちらのウェブページにまとめてみましたので、ぜひご参考に。
計画が不安な方にはこのガイドブック
しまなみ島走PLAN サイクリングや自転車旅行の初心者には、しまなみ海道サイクリングプランのガイドブック『しまなみ島走PLAN』がおすすめです。自転車で世界一周した地元のサイクリングガイド・宇都宮さんという方が書かれている自転車旅行者目線の本格的なガイドブックや地図で、たびたび改訂版も出ています。書店にはなかなか出回っていないのですが、Amazon.co.jpで出版元から購入できます。
初めての自転車旅で、どのくらい走れるのか、どこまで行けるのか、不安があるならば、『しまなみ島走PLAN』を入手して、熟読しておくと安心です♪
サイクリングマップ
↓画像をクリックすると「しまなみ海道のサイクリングマップ」ページを表示します。
このページでは初心者にもしまなみ海道自転車ツーリングが推せる理由についてざっくりと紹介をしました。初めてのしまなみ海道サイクリングを計画中の方に向けた詳しい情報は、以下のページにて徹底解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。