しまなみ海道のベストシーズン|どの季節にサイクリングするのがいい?景色が素晴らしい・食べ物が美味しい時季、日没時刻などの注意点も
「瀬戸内海型気候」と呼ばれ、1年を通して温暖で雨の少ない地域である「瀬戸内しまなみ海道」。1年中、初心者から上級者までさまざまな旅行者が自転車の旅を楽しんでいます。もちろん、春夏秋冬の季節によって見られることのできる景色や旬の食材なども違います。気温も暑く太陽の光も強い夏場のサイクリングは何を気を付けるべき?気温が低い冬の時季のサイクリングで気を付けることは?雪は積もるの?長距離のサイクリングに適した気温や景色の美しさ、食べ物のおいしさなど、さまざまな観点から、1年中しまなみ海道をサイクリングしている私、カワイユキがしまなみ海道サイクリングのベストシーズンを探ってみます。
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しまなみ海道がある場所
瀬戸内海の西
本州と四国を結ぶ有名なサイクリングロード「しまなみ海道」はあるのは、広島県尾道市と愛媛県今治市。広島の昔の呼び名「安芸」と愛媛の昔の呼び名「伊予」から1文字ずつ取って名前が付けられた「芸予諸島」と呼ばれる島々を巡るルートです。

しまなみ海道は「瀬戸内しまなみ海道」とも呼ばれる通り、瀬戸内海を縦断するような道になっていて、地図で見てみると瀬戸内海の西寄りの場所に位置しています。瀬戸内海は、本州の中国山地と四国の四国山地に挟まれるような場所に位置する海で、太平洋と日本海とも繋がってはいるものの、四方を陸で囲まれた「地中海」なんです。

何か中学校の地理で瀬戸内海の気候について教わったような…。月ごとの雨の量と気温のグラフからどの地域の気候か当てるという問題があったのを思い出しました。

改めて、調べてみるとこのあたりの気候は 「瀬戸内海式気候」「瀬戸内気候区」などと呼ばれ、温暖で雨が少ない特徴があるそうです。
瀬戸内海地域は、気候学的には瀬戸内気候区という名で呼ばれており、平均気温約16度、年間平均降水量約1,000~1,600mmであり、比較的温暖少雨の地域である。
環境省せとうちネット
年中暖かくて雨も少ないなんて、まさにアウトドアを楽しむサイクリングにはぴったり!これも、しまなみ海道がサイクリングの聖地と呼ばれる理由の1つかもしれません。1年中雨が降ってばかりのサイクリングの聖地なんて、がっかりですもんね。
瀬戸内海式気候

瀬戸内海が温暖で雨が少ないのは、やはり「四国山地」と「中国山地」に挟まれていることが大きいそうです。

夏は、太平洋から湿った空気が流れ込みますが、四国山地で雨を降らした後は、カラッとした乾いた空気が瀬戸内海へと降りてきます。一方、冬は日本海側から湿った空気が流れ込みますが、鳥取や島根といった日本海側の地域や中国山地で雪を降らした後、やはりカラッとした乾いた空気が瀬戸内海へと降りてきます。

しまなみ海道がサイクリングに向いた気候であるのは、地理学的にも裏付けがあるんですね!
ベストシーズン
1年中楽しめるサイクリング

温暖な気候で一年を通しても雨も少ない気候のため、しまなみ海道では年間を通して、サイクリストや自転車旅行者の姿を見かけます。梅雨や台風の季節以外は、サイクリングに全く適さない時季というのは無いと思います。春夏秋冬、季節によってしまなみ海道の島々は様々な表情を見せてくれます。ぜひ四季折々のしまなみ海道サイクリングを楽しんでほしいですね。
オンシーズンとオフシーズン
しまなみ海道では1年中サイクリングを楽しめるとは言っても、やはりサイクリストや自転車旅行者が多い時季と少ない時季というのはあるように感じます。気温や雨といった気候条件の他にも、休暇を取りやすい時期や祝日が多い月、学校や職場の長期休業の時期などさまざまな要因も関係してくると思います。

サイクリストの姿をよく見かける、いわゆるしまなみ海道サイクリングのオンシーズンは「3月初めから梅雨前」と「梅雨明けから11月末」です。「12月~2月」と「梅雨」はオフシーズンの雰囲気で、自転車で旅行している方はまばらです。オンシーズンの中でも、ゴールデンウィークと8月の夏季休業のシーズンは特に混雑します。ゴールデンウィークなどはレンタサイクルを借りることができない人が出るほどです。
気候的なベストシーズン

しまなみ海道サイクリングのオンシーズン「3月初めから梅雨前」と「梅雨明けから11月末」の中でも、特に気温や天気などの気候的なベストシーズンは「4月から5月にかけての春」と「9月後半から11月にかけての秋」だと思います。

やはり温暖な気候とは言え、冬は寒いですし、真夏は日中30℃を超える日も多いです。ぽかぽかとした陽気の中、サイクリングすることができる春と、暑さも落ち着いてきて行楽シーズンでもある秋は、しまなみ海道も自転車旅行しやすい気候と言えます。
桜の咲く期間は特にベスト
気候的な春のベストシーズンの中でも、やはり桜の季節は特別です。しまなみ海道のエリアでは、あまり秋の紅葉の超有名スポットのような場所はあまりないのですが、桜の名所はたくさんあるんです。新緑の季節でもあるので、山の色も鮮やかな緑色になり、写真にとても映えるシーズンでもあります。

しまなみ海道サイクリングのルート上には、至る所に桜の木々が植えられています。しまなみ海道の橋と桜の風景などを撮影することもできます。伯方島の開山公園や岩城島の積善山などは、桜が数千本単位で植えられていて、花見のスポットとしても有名です。桜のシーズンの休日などは、山へのアクセス道路で渋滞が発生するほどです。


美しい写真を撮りたいというのが、ひとつの目的であれば春や夏がおすすめです。

12月や1月といった冬のシーズンは、木々が落葉しているので全体的に茶色い島の風景になっています。冬に雪が積もることもまずないので、雪化粧の風景を撮ることも困難です。春の新緑の季節や、カンカン照りの真夏の強い日差しの季節は、写真を撮るのにいい季節だと思います。
食的なベストシーズン
しまなみ海道、特に愛媛県と言えばミカンなどの柑橘が有名です。広島県側でも生口島などは国産レモンの一大産地になっています。サイクリングでしまなみ海道に来たからには、こうした豊かな柑橘もたくさん楽しみたいですよね。もちろん柑橘の種類にもよるのですが、出荷のピークは冬。逆に春~秋にかけて色々なフレッシュな柑橘を楽しむことは難しいんです。


しまなみ海道サイクリングで、柑橘を存分に楽しみたいという方には、その季節を狙って訪れるといいと思います。気候的にはサイクリングのオフシーズンなので、旅行者の数も少なく、ストレスなく自転車旅行が楽しめる季節でもあります。瀬戸内海の海の幸も、同じく冬に旬を迎えるものが多いです。瀬戸内海で、食を楽しむサイクリングなら冬がいいですよ。

しまなみ海道周辺のエリアで雪が積もることは本当に稀です。尾道の周辺では朝方に雪が積もることがありますが、昼前には完全に溶けてしまいます。雪の影響でサイクリングできないということは無いと考えて差し支えないと思います。個人的には意外と冬のサイクリングもおすすめです。12月や1月の空気の澄んだ晴れの日などは遠くまで見渡せて、島の風景がくっきりと綺麗です。なんといっても汗で服がビショビショにならないのがいいですね。
季節ごとの注意事項
気候が極端な時季である夏場や冬場のサイクリングでは、それぞれメリットと注意すべき点があります。思いつく主なことがらを表にまとめてみました。
季節 | 夏 | 冬 |
---|---|---|
メリット | ・日照時間が長い ・衣類のかさが少ない。 ・海水浴ができる。 | ・空気が澄んでいる。 ・レモンや柑橘のシーズン。 ・汗をかかない。 ・旅行者が少なく静か。 |
注意点 | ・熱中症や日焼け対策が必須。 ・こまめな水分補給。 | ・日没時刻に注意。 ・適切な防寒対策。 |

特に、夏のサイクリングでは熱中症や日焼け対策が必須です。しまなみ海道の島々には自動販売機もありますし、コンビニエンスストアやスーパーマーケットもあるので、ドリンクや日焼け止めクリームなどを現地調達することも可能です。サイクリングでは風を切りながら進むので、気が付かないうちに熱中症になっていたなんていうことも多いと言います。水分補給はこまめに行いましょう。

また、特に自転車旅行が初めてという方にご注意いただきたいのが「日没の時間」です。特にしまなみ海道の島々では日が暮れてからは真っ暗という場所も多いんです。知らない道を暗い中、サイクリングするのは本当に怖い思いをします。

お住まいの地域が遠い方だと、同じ季節でも日の出と日の入りの時刻がだいぶ違うということもあります。日没後の走行にならないように、あらかじめその時期の日没時刻を確認したうえで余裕をもったプランニングが大切です。日が落ちるのが早い冬場のサイクリングでは特に注意が必要です。
しまなみ海道で一番有名なガイドブック
しまなみ海道サイクリングで最も有名なガイドブックといえばこの『しまなみ島走BOOK』。何度も改訂版が出されていて、しまなみ海道を旅する多くの旅行者がプランニングの参考にしています。最新版をチェックしてぜひ事前にお取り寄せを!
サイクリングマップ
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このページではしまなみ海道サイクリングのベストシーズンについて、気候的なベストや食的なベストなど様々な観点から考察をしてみました。一年を通して季節ごとに様々な楽しみ方ができるのがしまなみ海道の魅力のひとつです。初めてのしまなみ海道サイクリングを計画中の方に向けた詳しい情報は、以下のページにて徹底解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。