【2026年3月31日まで延長】しまなみサイクリングフリーの期限と継続のこれまで

2024年3月11日

【タイトル】終了?継続?しまなみ海道自転車通行料金無料化キャンペーン

しまなみ海道の自転車・歩行者の通行料金無料化キャンペーン「しまなみサイクリングフリー」には実施期間が定められています。○年3月31日まで無料という看板や公式発表があるため、毎回終了が話題になります。これまでのキャンペーン終了と継続の傾向をまとめました。

ライター:カワイユキ

こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えできたら嬉しいです。

しまなみサイクリングフリー

しまなみ海道では「しまなみサイクリングフリー」というキャンペーンが実施されている期間は、自転車・歩行者の橋通行料金が無料となっています。自転車や歩行者は、来島海峡大橋や多々羅大橋、因島大橋などの橋の自転車歩行者専用道路を無料で行き来することができます。キャンペーン実施前は、各橋の料金箱に50円~200円の定められた料金を現金やチケットで支払うシステムでした。

3月31日まで無料

しまなみサイクリングフリーはしまなみ海道を管理しているJB本四高速が企画しているもので、地元のスポンサー企業や各自治体が協力する形で、2014年から年次更新されているキャンペーンです。

【写真】しまなみ海道サイクリングフリーが延長:しまなみ海道の企業スポンサー(写真は一部)
しまなみ海道の企業スポンサー(写真は一部)

しまなみサイクリングフリーのポスターや公式発表に「○年3月31日まで無料」という文字が大々的に出ているため、3月が近づくと「しまなみ海道の自転車通行料金の無料化が終了」と話題となります。

【写真】しまなみ海道サイクリングフリーが延長:しまなみサイクリングフリーが年ごと更新で継続中
しまなみサイクリングフリーが年ごと更新で継続中

また、次年度も継続決定の発表は、終了の年度末(3月の初め頃に発表となることが多い)にJB本四高速の公式ウェブサイトや自治体のウェブサイトで行われ、地元の新聞やテレビ局でもニュースとして取り上げられることが多いです。終了ギリギリのアナウンスのため、余計に「実施期間の終了」が強調されやすい状況にあります。これまでどの程度の期間で終了と継続のアナウンスがあったのかをまとめてみようと思います。

これまでしまなみサイクリングフリーは、1年延長や2年延長を繰り返しています。

終了と継続のこれまで

しまなみ休日サイクリングフリー(社会実験)

【引用】JB本四高速ウェブサイトプレスリリースより2012年4月
【引用】JB本四高速ウェブサイトプレスリリースより

最初は、JB本四高速の企画割引「しまなみ休日サイクリングフリー」として、2012年のゴールデンウィーク期間と5月週末(4月28日(土)~5月6日(日)、5月12日(土)、13日(日)、19日(土)、20日(日)、26日(土)、27日(日)の15日間)限定で無料化キャンペーンが実施されました。最初期は社会実験も兼ねて開始されました。

しまなみサイクリングフリー

その後、一旦キャンペーンは終了し有料となっていましたが、2014年7月からJB本四高速の企画割引「しまなみサイクリングフリー」が始まり、1年あるいは2年単位で期間が定められて、自転車歩行者の料金が無料になっています。以降、途切れることなく実施期間が延長されています。2014年はしまなみ海道がCNNで世界7大サイクリンコースのひとつに選ばれた年で、海外でも注目され始めたころですね。

しまなみサイクリングフリー実施期間延長
初回2014年7月19日~2015年3月31日
1回目延長2015年4月1日~2016年3月31日1年
2回目延長2016年4月1日~2018年3月31日2年
3回目延長2018年4月1日~2019年3月31日1年
4回目延長2019年4月1日~2020年3月31日1年
5回目延長2020年4月1日~2022年3月31日2年
6回目延長2022年4月1日~2024年3月31日2年
7回目延長2024年4月1日~2026年3月31日2年

実際、2014年初回の無料化実施により、レンタサイクルの年間の貸出数は8万台から12万台に上がったという結果も出たそうです。地元新聞の記事などでもこの無料化キャンペーンはしまなみ海道サイクリングの集客に一定の効果があるという論調がありました。愛媛県の発表では

・サイクリストの利用環境の向上

・主要観光地の入込客数の増加

・レンタサイクルの貸出台数の増加

が無料化の効果として期待されるとしています。今後も継続が続いて、しまなみ海道が更に活性化することを期待しています。

2026年3月31日まで延長

「2024年3月31日まで」という無料期間の期限が近づくにつれて、今回も「しまなみ海道の自転車料金無料化が終了」「しまなみ海道サイクリングに行くなら今」というインターネットの煽り記事やSNS投稿が相次いでいました。関係者の方々からは延長でほぼ確定というお話は伺っていましたが、正式な発表を待っていた状況でした。

【引用】JB本四高速ウェブサイトより:2026年3月31日まで延長
【引用】JB本四高速ウェブサイトより

そして2024年3月8日に、しまなみ海道の高速道路を管理するJB本四高速の公式ウェブサイトや愛媛県ウェブサイト等にて、しまなみサイクリングフリーが2026年3月31日(火)まで、2年間延長されることが正式に発表されました。今回で、しまなみサイクリングフリーは7回目の延長となります。キャンペーン延長にご尽力いただいた方々に感謝申し上げます。

自転車の通行料金について

しまなみ海道の自転車道の通行料金については、こちらのウェブページで詳しくご紹介しています。

有料化の課題

もともと有料だった通行料金がキャンペーンで無料措置になっているので、有料化という言葉が相応しいかどうか分かりませんが、分かりやすさのため、有料化という言葉を使わせていただきます。「無料化継続はありがたい」という声がある一方で、しまなみ海道を縦断しても500円程度なので「それぐらい支払うのに」「有料化にして構わない」「料金を環境整備に活用してほしい」というサイクリストの声もあります。たしかに500円払うなら行かないという方はそれほど多くないのでは、とも思います。

旅行者の急増と決済方法

しまなみサイクリングフリーが始まった2014年から無料化継続が10年以上が経ち、しまなみ海道の旅行者環境も大きく変わってきています。2014年以前に使用していた料金箱は撤去されておらず、蓋がされているだけなので、元の支払いシステムに戻すこと自体は簡単だと思います。一方で

・キャッシュレス対応ニーズ

・海外旅行者の急激な増加

・支払い渋滞による事故リスク

・無賃通行への対策

といった問題へどう対応していくのかという課題が大きくなってきていることが、サイクリング旅行者やインバウンド旅行者の急増で予想されます。無人の屋外料金所では、出来ることと出来ないことがあることは容易に想像できます。多様な利用者がいることは、ほぼ日本人あるいは現地在住の外国籍の方々のみの利用である原付バイク専用道とは違った難しさがあります。

【写真】しまなみ海道サイクリングフリーが延長:原付バイク専用道の通行料金BOX
原付バイク専用道の通行料金BOX

2014年以前は、事前に50円玉や100円玉を複数用意しておいたり専用のチケットを購入する必要がありました。キャッシュレス決済のニーズが普及してきた現在では、当然現金でない決済方法も求められることでしょう。日本国内限定のキャッシュレス決済サービスや交通系ICカードではインバウンド旅行者が対応できない可能性があるので、レンタサイクル貸出時にチケットを販売するなどの方法が考えられます。

一方で例えばQRコード決済のみにするのにも課題があります。しまなみ海道の自転車・歩行者専用道は島に住んでいる地元の方々の利用が多く、ご存知の通り、島でも住民の高齢化が進んでいます。決済の方法として現金のニーズが高いです。島民のみを無料にするような措置も考えられますが、防犯カメラのみの無人の料金所システムでの区別は簡単ではないです。しまなみ海道の高速道路でさえも、島民割引は長年実現していません。

この10年でサイクリング旅行者の数が急増したことで、ゴールデンウィークなどの繁忙期は料金の支払いがスムーズにいかない可能性があります。スペース的に狭い料金所で支払い待ちのサイクリストが発生することも考えられ、混乱や接触事故のリスクが上がります。また、原付バイク専用道では現在も問題になっていますが、通行料金を支払わずに通過する無賃通行をどう減らし、不公平感をなくしていくかも大切です。

無料化の継続へ

【写真】しまなみ海道サイクリングフリーが延長:大島に設置されたスポンサー看板(写真は一部)
大島に設置されたスポンサー看板(写真は一部)

広島県によると2019年時点で、しまなみ海道の自転車旅行者は年間で約33万人。そのおよそ半数がしまなみ海道サイクリングロードを全線通過して500円支払ったと仮定すると、年間の自転車通行料金は16万×500円で8000万円となります。この規模の予算を自治体と地元のスポンサー企業と捻出し続けることは容易でないと想像します。

毎回、無料化キャンペーン延長にご尽力されている方々に改めて感謝申し上げます。

スポンサー企業になりたい場合

しまなみ海道の自転車無料化キャンペーンを含めた利用促進や利用者の利便性向上に必要な経費の一部を、スポンサー企業という形で広島県と愛媛県が募っています。広島県と愛媛県ではそれぞれにスポンサー企業の募集を定期的にしており、それぞれに広告掲載の場所や内容などが異なります。

例えば愛媛県の募集では、しまなみ海道サイクリングロード沿線や周辺の道路施設に設置している広告看板への掲示やのレンタサイクルに企業名・ロゴマーク等のステッカーを貼付といった広告が出せます。また、県が作成しているサイクリングマップ等の印刷物やホームページへ企業名やロゴマークを記載して、サイクリングイベント等でPRできる特典も。

愛媛県や広島県の公式ウェブサイトにて、しまなみ海道のスポンサー企業募集の告示が出ますので、そちらから募集期間、応募方法等をご確認ください。


このページではしまなみ海道の自転車・歩行者無料化キャンペーンのこれまでについて詳しく紹介されて頂きました。初心者でも安心してサイクリングを楽しめるのがしまなみ海道最大の特徴です。しまなみ海道サイクリングの詳しい情報は、以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

2024年3月11日しまなみ海道基本情報,今、話題の

Posted by カワイユキ