【景色が良い道6選】しまなみ海道サイクリングロードで特に好景観なセクション

2024年5月10日

景色のよい区間6選

それでは、私が選んだしまなみ海道で特に景色がよい区間6つを愛媛県今治側から順に、詳しくご紹介していこうと思います。初心者でも走行しやすいアップダウンが少ない区間、距離は約k10km程度の区間で選んでいます。

①来島海峡~バラ公園

【イラスト】しまなみ海道で特に景色の良い区間:①来島海峡~バラ公園のルートマップ
しまなみ海道で特に景色のよい区間①

しまなみ海道の自転車旅行が特別なのは、ひとつに、普通では自転車で渡ることができないような大きな橋を渡ることができることです。しまなみ海道にはいくつもの橋がありますが、最も長い「来島海峡大橋」は、まさにハイライトと言えると思います。旧今治市と大島の間の来島海峡を渡す来島海峡大橋。しまなみ海道の代名詞的な全長4kmもの大橋を自転車で渡るときの、瀬戸内海の景色は「海の上を渡っている」ということをまさに実感します。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:しまなみ海道を代表する来島海峡大橋を渡る
しまなみ海道を代表する来島海峡大橋を渡る

来島海峡大橋を渡るだけでも、しまなみ海道に来たなぁと思わせてくれるに違いありません。今治市側から大島へと来島海峡大橋を渡ると、メインルートは道の駅「よしうみいきいき館」を経由して、島の中心部を南から北へと抜けていくようなルートになっています。しかし、景色がよいのはこちらのメインルートではありません。来島海峡大橋から「よしうみバラ公園」までの大島の西側を回り込む外周コースは、峠もない海沿いのとても気持ちのよいルートです。なぜ、こちらがメインルートではないのかと疑いたくなるような好景観コースになっています。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:来島海峡からバラ公園までの海沿い外周コース
来島海峡からバラ公園までの海沿い外周コース

瀬戸内海の海を間近に感じることができる海岸線コースですし、美しいビーチや吉海町椋名の漁村の風景なども「瀬戸内だなぁ」とその美しさに驚くはずです。昔から変わらない瀬戸内海の風景がここには残っています。途中には来島海峡大橋をバックに写真を撮れるスポットも点在していますし、造船所(船を作っている所)をとても近くでみることができるのもこのルートの面白さだと思います。

起点終点
来島海峡大橋入口(糸山)よしうみバラ公園

②早川~伯方島

【イラスト】しまなみ海道で特に景色の良い区間:②早川~伯方島のルートマップ
しまなみ海道で特に景色のよい区間②

しまなみ海道に何度も来ている方でもあまり行くことのない区間かもしれません。大島の北側の早川という地区から伯方島までの区間も、瀬戸内海らしい景色の続くシーサイドルートで、とても美しいセクションになっています。「よしうみバラ公園」から、そのまま大島の西側の外周コースを進むと、田浦峠という急勾配の坂道があるので、こちらに行く場合は自転車を押して歩いて登るのも良い判断だと思います。大島の北側は、どこのルートを通っても最低一つは標高60m程度の峠を越えなくてはなりません。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:大島から伯方島へと渡る伯方大島大橋
大島から伯方島へと渡る伯方大島大橋

田浦峠さえ越えてしまえば、そのあとは宮窪町早川地区から伯方・大島大橋までの比較的平坦で海沿いの景色の素晴らしい区間をサイクリングすることができます。メインルートの宮窪峠と比べても比較にならないほど、景色のよいルートだと思います。海の向こうには、大三島の南側が見えます。伯方島から大三島へと渡している大三島橋も見えます。砂浜の砂も白いため、海の透明度を感じることができます。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:大島といえば石材の大島石が有名
大島といえば石材の大島石が有名

また、しまなみ海道の大島といえば、大島石という高級な石材が特産となっており有名なのですが、このルート上には昔の採石場跡や現役の石材店が点在していて、大島らしさを感じられるセクションだと思います。大島石が山積みになっている風景は圧巻です。大島から伯方島へと渡る伯方・大島大橋でメインルートへと合流して伯方島へと渡ります。渡ってすぐのところにある道の駅「伯方SCパーク」は、しまなみ海道定番の休憩スポットです。伯方の塩ソフトクリームで休憩をしましょう。

起点終点
今治市宮窪町早川(大島)道の駅伯方SCパーク(伯方島)

③大三島北外周

【イラスト】しまなみ海道で特に景色の良い区間:③大三島北外周のルートマップ
しまなみ海道で特に景色のよい区間③

しまなみ海道の大三島は一周すると約50kmもある一番大きな島です。メインルートを進むと、大三島の南東の約4kmだけを走ることになります。実は、この大三島のメインの町は、反対側、大山祇神社のある宮浦という地区になります。大三島の外周コースは特に景色がよいという評判で、しまなみ海道リピーターの方には特に人気のコースです。しかし、大三島の南側は景色こそ素晴らしいのですが、アップダウンも多く、初心者の方だとかなりきついコースでもあると思います。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:大三島の北側はアップダウンの少ない平坦なコース
大三島の北側はアップダウンの少ない平坦なコース

大三島の北側は南側と比べるとアップダウンが少なく、フラットな区間が長い好景観セクションになっています。大三島町肥海に標高65mの峠がありますが、ここは昔の大三島サイクリングコースになっていたため、勾配を緩やかにした自転車専用コースが設置されているので、初心者の方でも比較的登りやすくなっています。この峠を越えたあとは、上浦町盛を通って上浦町井口までの区間はアップダウンのない平坦な海沿いのコースとなっており、とても気持ちがよいエリアです。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:大三島北側からの多々羅大橋も美しい
大三島北側からの多々羅大橋も美しい

日程に余裕がある方であれば、途中の盛港という港からウサギの島として有名な大久野島へと船で渡ることができます。対岸には本州の広島県側の陸地が見えて、瀬戸内海の規模感を感じることができると思います。徐々に見えてくる多々羅大橋の風景も圧巻です。この区間、お店も何もない区間ですが、穏やかで透き通った海の景色はしまなみ海道でも屈指の美しさを誇る区間です。

起点終点
今治市大三島町肥海(大三島)今治市上浦町井口(大三島)

④多々羅~瀬戸田

【イラスト】しまなみ海道で特に景色の良い区間:④多々羅~瀬戸田のルートマップ
しまなみ海道で特に景色のよい区間④

しまなみ海道の橋のうち、最も美しいと評判なのが大三島と生口島の間にかかる「多々羅大橋」という橋です。斜張橋と呼ばれるタイプの橋で、三角形に張られたワイヤーが特徴的です。多々羅大橋の上からは伯方島や生口島、高根島といった島々の風景を眺めることができ、遠くには広島県の本州の山々まで見渡すことができます。ちょうどこの橋の中央が愛媛県と広島県の県境になっているので、四国~本州を渡ったと実感できるスポットでもあります。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:レモン谷のサイクリングロードを下る
レモン谷のサイクリングロードを下る

多々羅大橋を生口島側へと降りる道中は「レモン谷」と呼ばれる果樹園地帯です。生口島の瀬戸田町は国産レモン栽培の発祥の地と言われていて、今でも国産のレモンの栽培は日本一というエリアです。多々羅大橋から生口島へと降りる自転車道の両サイドには、レモンだけでなく、さまざまな種類の柑橘の木々が植えられていて、季節になると黄色やオレンジの果実でいっぱいの景色が広がっています。やはり瀬戸内といえば柑橘。その柑橘の豊かさを肌で感じることができる区間です。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:瀬戸田までの海沿いのコースは特に美しい
瀬戸田までの海沿いのコースは特に美しい

多々羅大橋を生口島側へと降りてから瀬戸田町瀬戸田までの区間も、しまなみ海道のハイライトのひとつと言える海沿いの気持ちがいいセクションになっています。道が海岸に沿うように引かれていて、常に海を感じながらサイクリングすることができます。瀬戸田サンセットビーチなどの人気の海水浴場もあり、ヤシの木のような南国的な木々も瀬戸内海の景色に映えます。島ごと美術館の芸術作品も点在していて、まるで海外のリゾート地に来たかのような感覚になります。

起点終点
多々羅大橋入口(大三島)尾道市瀬戸田町瀬戸田(生口島)

⑤ゆめしま海道

【イラスト】しまなみ海道で特に景色の良い区間:⑤ゆめしま海道のルートマップ
しまなみ海道で特に景色のよい区間⑤

こちらはしまなみ海道の本線ではありませんが、最近、寄り道スポットとして注目されているコースです。生口島の東側には、岩城島、生名島、佐島、弓削島という4つの島があり、それぞれ橋で繋がっています。これらの島は愛媛県越智郡上島町の島々で、通称「ゆめしま海道」と呼ばれます。これらの島々にもブルーラインの誘導ラインが引いてあり、小さな島々を渡る風光明媚なサイクリングルートになっています。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:生口島から船で岩城島の小漕港へ渡る
生口島から船で岩城島の小漕港へ渡る

生口島の東にある洲江港からは、岩城島の小漕港へとフェリーが出ており、ここが起点となることが多いかと思います。今治港などからは岩城港へと旅客船で渡ることもできます。このほかにも、因島の土生港から生名島の立石港へ、因島の家老渡港からは弓削島の上弓削港にフェリーが出ています。しまなみ海道の本線の島々とは橋で繋がっていないため、これらの区間のフェリーは意外と本数が多いです。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:小さな橋が次々と連続する離島サイクリングロード
小さな橋が次々と連続する離島サイクリングロード

岩城島から生名島へは、2022年に開通した岩城橋を渡ることができます。生名島から佐島へは生名橋、佐島から弓削島へは弓削大橋という橋を渡ります。それぞれの橋からの眺めも素晴らしいですし、それぞれの島からの穏やかな海の風景も最高です。佐島や弓削島などの集落の路地裏を自転車で巡ってみるのもおすすめです。信号機がひとつもない上島町。しまなみ海道の島々よりも、より離島の感覚を味わえるおすすめのコースです。

起点終点
小漕港(岩城島)上弓削港(弓削島)

【参考】ゆめしま海道サイクリング

岩城橋が開通して、岩城島・生名島・佐島・弓削島が全通した愛媛県上島町のゆめしま海道。初心者の女性ひとりでも気楽に船旅と自転車旅を楽しめる「ゆめしま海道の離島サイクリング」の魅力と、旅のオススメ情報を徹底解説!ゆめしま海道のオススメスポットやサイクリングコース、レンタサイクル、初めてでもおすすめの旅行プラン、計画に役立つ情報や初心者ならではの不安を解決する情報をご紹介しています。

⑥向島南外周

【イラスト】しまなみ海道で特に景色の良い区間:⑥向島南外周のルートマップ
しまなみ海道で特に景色のよい区間⑥

しまなみ海道の北側、因島や向島は、意外と市街地エリアが多いことでも知られています。特に因島は道幅が狭い区間も多く、サイクリングでは自動車やトラックなどに気を使わなくてはいけないところも多いです。向島の北側も、学校などが点在する市街地エリアで信号も連続しています。そんな市街地エリアが多いしまなみ海道北部で特に景色がよいのは向島の南側の海岸線ルートです。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:向島の南側は海岸線沿いの走りやすい好景観区間
向島の南側は海岸線沿いの走りやすい好景観区間

向島は、北側と南側で全く違う表情を見せる島であると思います。特に干汐海水浴場から立花海岸を通り、尾道市向島町道越までの海沿いの区間は、ほぼ海岸に沿ったようなコースとなっており、瀬戸内海らしい風景を眺めながらのサイクリングができます。道路もほどよくワインディングしていて、曲がる度に変わる景色が楽しいです。

【写真】しまなみ海道で特に景色の良い区間:向島のメインルートも海岸沿いを進む
向島のメインルートも海岸沿いを進む

因島大橋から尾道市向島町道越までの区間は、しまなみ海道のメインルートなので、完走を目指す方はここを通ることが多いと思います。また、半日~1日程度の短い日程しかない旅行者の方で、尾道をスタートして尾道をゴールにするようなショートサイクリングを計画される方であれば、この向島の南側の区間は、これぞしまなみ海道といったフォトジェニックな風景を楽しめることと思います。

起点終点
干汐海水浴場(向島)尾道市向島町道越(向島)

推しガイドブックをチェック♪

【書影】しまなみ海道サイクリングのガイドブック「しまなみ島走BOOK」など

ガイドブック島走BOOKシリーズ 超定番ですがやはり「しまなみ島走BOOK」シリーズは推しです。自転車で世界一周した地元のサイクリングガイド・宇都宮一成さんという方が書かれている自転車旅行者目線の本格的なガイドブックや地図で、たびたび改訂版も出ています。書店にはなかなか出回っていないのですが、Amazon.co.jpで出版元から購入できます。しまなみ海道サイクリングに興味を持ったらまずは最新版を手元に取り寄せておくといいですよ♪

自分で計画するのが好きな人は『しまなみ島走BOOK』、計画が苦手な人には『しまなみ島走PLAN』がおすすめです。

モデルコース

2日間で完走を目指す

2日間でしまなみ海道全線をサイクリングする今治出発のスタンダードな定番モデルコースです。せっかくなら今治から尾道までしまなみ海道の全線を走りぬいてみたい!とはいっても自転車で長距離を走るのは初めてなので、走り切れるか不安。初めてでも失敗しないしまなみ海道縦断サイクリングプランを立てたい。そんな初心者の女性ひとりでもレンタサイクルを借りて全線を楽しく2日間で走る抜くベストなプランをご紹介しています。

1日~半日ショートモデルコース

初心者でもしまなみ海道を日帰りや1日、半日で気軽に楽しむモデルコースや観光サイクリングプランを紹介しています。今やサイクリングの聖地としても知られる「しまなみ海道」ですが、今治から尾道まで全行程を縦断すると最短でも約70㎞……。普段あまり自転車に乗らない方だと途中の島で一泊して2日以上かけて縦断される方も。「いやいや、そんなに長く休みが取れないよ」「1日だけで気軽にサイクリング出来ないの?」という方も多いはず。そんな方でも1日だけで充分に楽しむことができるのもしまなみ海道サイクリング観光の魅力です。


このページでは、しまなみ海道サイクリングロードで特に好景観なセクション6選をご紹介しました。スポーツ自転車が初めてという方、自転車で長距離は初めてという方でも無理なく楽しめるモデルコースを作ったつもりです。ぜひ計画のベースとして参考にしてください。詳しいサイクリングの情報はこちらのウェブページにまとめておりますので、こちらもぜひ参考にしていただければと思います。

2024年5月10日サイクリングルート,特集・徹底解説

Posted by カワイユキ