【えひめ・しまなみリンリントレイン】松山駅~今治駅のサイクルトレイン

しまなみ海道のサイクルトレインの情報を紹介しています。しまなみ海道サイクリングに自分の自転車を持参する方や、愛媛県松山市や西条市近郊にお住いのサイクリストに便利な「えひめ・しまなみリンリントレイン」の運行がスタートしました。以前の「サイクルトレインしまなみ号」よりも格段に使いやすくなったサイクルトレインのサービスに進化しています。
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しまなみ海道で鉄道を活用する
サイクルツーリズムが盛んなヨーロッパの鉄道では、自転車をそのまま列車に積載するのは一般的になっていて、週末に近郊へのサイクリングに頻繁に利用されています。日本ではまだまだサイクリングでの鉄道活用はハードルが高いのが現状で、島根の一畑電車など一部の私鉄ではサイクルトレインが観光ツールとして活用されていますが、たとえば新幹線も含めたJRの列車では「輪行」と呼ばれる方式のみで自転車の持込みが規定されています。
普通は輪行が必須

輪行とは、自転車の前後輪を外したり折りたたんだりして、輪行袋という専用の袋や専用ケースにしまって、列車内に持ち込んで移動することを言います。慣れてしまえば割と気軽にできるのですが、私も最初は、自分で前輪や後輪を外すことにハードルが高いと感じていました。また、解体したはいいものの、現地で再び元通りに組み立てる自信もありませんでした。
サイクルトレインはこうした「輪行」の苦労をせずに鉄道で移動ができるので、一気にサイクリングの楽しみ方や行動範囲を広げることができるんです。全て自転車で移動すると長すぎる距離も、一部を鉄道で移動することで、効率的にサイクリングを楽しめます。
しまなみ海道のサイクルトレイン
しまなみ海道では、2009年から今治市のNPO法人シクロツーリズムしまなみのイベントに合わせた形で臨時列車「サイクルトレインしまなみ号」が運行が開始され、以降も期間限定の臨時列車(当時は予約が必須でした)として運行が続けられてきました。当時、まだJRではサイクルトレインの試みがほとんどなされていなかったのでサイクルツーリズム界隈で話題になりました。

しまなみ海道のサイクルツーリズムの高まりや、JR四国の経営的な事情もあって、2022年3月から、この「サイクルトレインしまなみ号」が「えひめ・しまなみリンリントレイン」として大幅にリニューアル。土日祝日のみですが、通常運行されている特定の列車に、予約なしで混乗できるサービスとしてアップグレードされました。
えひめ・しまなみリンリントレイン
JR四国の「えひめ・しまなみリンリントレイン」が画期的なのは、臨時列車ではなく、特定の普通列車(各駅停車の列車。特急はNG)に自転車を積載できる点にあります(いわゆる混乗と呼ばれる方式で、一般のお客さんが乗る列車に自転車を持ち込めるんです)。平日はNGで、土日祝のみのサービスです。


※2022年9月8日時点で配布されていたチラシをスキャン
「えひめ・しまなみリンリントレイン」に利用可能な列車はウェブサイトや駅構内の時刻表に示されていて、列車によって積載可能台数が決められています。事前予約が不要になりましたが、その一方で先着順となるのは致し方ないところでしょうか。もう少し、詳しくサービス内容を見ていきましょう。
利用できる区間
JR予讃線の松山駅~伊予西条駅の区間の特定の列車に、自転車を積載することができます。
積載できる列車は「えひめ・しまなみリンリントレイン」の公式ウェブサイトや松山駅や今治駅で配布されているパンフレット、駅構内の時刻表に記載されています。

ちなみに、この区間の全ての駅で乗り降りできるわけではなく、松山駅・三津浜駅・伊予北条駅・波止浜駅・今治駅・壬生川駅・伊予西条駅の7つの駅に限定されています。
しまなみ海道に最も近い駅は「波止浜駅」です。「はしはまえき」と読みます。駅員さんのいない、いわゆる無人駅で、平屋の小さな駅舎です。波止浜駅からしまなみ海道・来島海峡大橋の自転車道入口までは2kmほどの距離です。
旅行者向け活用法
「えひめ・しまなみリンリン」の登場で、愛媛県松山市や西条市近郊にお住いのサイクリストには、しまなみ海道までだいぶ行きやすくなりました。
遠方から自分の自転車を持参する旅行者の場合には、①.松山・道後方面を観光してから、しまなみ海道方面に移動したい自転車旅行者、②.大阪南港~東予港のフェリーに乗船後、最寄り駅である「壬生川駅」からしまなみ海道への移動 ③.UFOラインや石鎚山系のヒルクライムを終えてから伊予西条駅からしまなみ海道へワープする場合 などに活用できると思います。
積載可能台数
「えひめ・しまなみリンリン」は予約が不要で便利になった反面、積載可能な自転車の台数に限りがあり、先着順なので注意が必要です。列車の特定の位置が「自転車優先座席」となっていて、それ以外の場所には積載できない仕組みです。そのため、車両の編成によって最大積載台数が5~10台と幅があるんですね。「えひめ・しまなみリンリントレイン」の公式ウェブサイトの時刻表に、その台数が示されています。乗車したい列車が決まっている場合には、早めに駅へと向かう方がいいと思います。
ゴム紐などを持参しよう
「えひめ・しまなみリンリン」では自転車を積載する際に、倒れて他のお客さんに迷惑やケガを負わせることがないように、自分で責任をもって座席へ固定する必要があります。

固定する方法の例が、「えひめ・しまなみリンリントレイン」の公式ウェブサイトに出ています。結びつけることができるゴム紐などを持参するといいと思います。一般のお客さんには自転車をそのまま持ち込む光景は、まだまだ珍しいと思います。マナーを守って、安全に利用させてもらいましょう。
ぜひ活用してみてください
日本ではまだまだサイクリングでの鉄道活用はハードルが高いので、こうしたサービスが定着してくるとサイクリングシーンもかなり変わってくるのでは、と期待しています。こうした試験的な取り組みには実績が大切。しまなみ海道サイクリングにお越しの際はぜひこうしたサービスを利用してフィードバックを返してもらえると、サイクリングの環境が前向きに進んでいくと思います。
「えひめ・しまなみリンリントレイン」のサービス内容は、まだまだ流動的なようで、いつの間にか実施期間も大幅に延長されていました。実際に利用する際には、「えひめ・しまなみリンリントレイン」の公式ウェブサイトを必ずチェックしてください。
これからも進化の余地あり
サイクルトレインはまだまだ可能性のある観光ツールだと思っています。しまなみ海道のサイクルトレインが最終的には、土日祝日だけでなく平日も、どの列車にも自由に積載できる日がくることを夢見ています。
サイクリングマップ
このページではしまなみ海道サイクリングで鉄道を活用する方法、サイクルトレインについて紹介させていただきました。初心者でも安心してサイクリングを楽しめるのがしまなみ海道最大の特徴です。しまなみ海道サイクリングの詳しい情報は、以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。