【とびしま海道の航路】今治港~岡村港を結ぶフェリーと旅客船

安芸灘とびしま海道の起終点になっている岡村島と四国の今治港を結ぶフェリーと旅客船についてご紹介します。とびしま海道を横断するようなサイクリングでよく利用される航路で、せきぜん渡船(市営渡船)と大三島ブルーラインの2社の船でアクセスすることができます。航路の詳細やサイクリングへの活用方法をご紹介します。

こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。
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今治港~岡村港を船で
安芸灘とびしま海道とは
しまなみ海道の西側の海域、安芸灘に浮かぶ島々を巡る「とびしま海道」は、サイクリングやドライブ、ツーリングコースとして近年、特に注目度が上がっているエリアです。

主に広島県呉市に属する上蒲刈島・下蒲刈島・豊島・大崎下島、愛媛県今治市に属する岡村島の計5島+小さな無人島2島を結んでいます。本州側は橋で繋がっていますが、四国側は岡村島まで。岡村港~今治港の区間は船を使って渡ります。しまなみ海道よりも海が近く、集落なども違った雰囲気があり、サイクリングと船を組み合わせた旅行スタイルも楽しいエリアです。

今回、ご紹介するのはこの今治港~岡村港の航路についてです。安芸灘とびしま海道サイクリングでは、ほとんどの方が利用する航路だと思います。しかしながら、この区間の船は「せきぜん渡船(市営渡船)」と「大三島ブルーライン」の2つの船会社によって運航されているため、時刻表などがそれぞれ別のウェブサイトにまとまっていて、初めてだと少し分かりにくいかもしれません。

今治港と岡村港を結ぶ航路について詳しくご紹介しようと思います!
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せきぜん渡船と大三島ブルーライン
今治港~岡村港の間の2社によるフェリー航路をひとつの地図に落としてみるとこのようになります。一部の船は、しまなみ海道の中央に位置する大三島の宗方港へ寄港。また一部の船は宗方港と岡村港の間にある大下島と小大下島に寄港します。

せきぜん渡船はフェリーが1日4往復、旅客船が4往復しています。合計で8往復しているので、しまなみ海道の他の航路に比べると便数は多めです。これに大三島ブルーラインの宗方港での乗り継ぎ経路の便が数便ある状況です。
せきぜん渡船の船

今治港から岡村港へ乗り換えなど無しで直接向かうのは「せきぜん渡船」なので、多くの旅行者はこちらの船を利用しています。せきぜん渡船はフェリー(第2せきぜん)と旅客船(とびしま号)の2隻で運航していて、それぞれ時刻表とルートが異なります。

旅客船には自動車やオートバイ、原付バイクは積載できません。とびしま海道でのドライブやバイクツーリングではフェリーの方をご利用ください。
大三島ブルーラインのフェリー

一方で「大三島ブルーライン」は旅客船ではなくフェリー(みしま号)での運航です。徒歩や自転車はもちろん、自動車やオートバイ、原付バイクも積載可能です。大三島ブルーラインには今治港~岡村港を直接結ぶ航路はないので、大崎上島の木江港を結ぶフェリーと大三島~岡村島を結ぶフェリーとを宗方港で乗り換えます。徒歩や自転車であれば、せきぜん渡船の旅客船と大三島ブルーラインのフェリーを乗り継いで今治港~岡村港を移動することもできます。

岡村港からの今治港への最終便は、大三島ブルーラインの乗り換え便になっています。
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船への自転車の積載
自転車は先着順
せきぜん渡船のフェリー&旅客船、大三島ブルーラインのフェリーともに、基本的には全ての船に自転車を積載することができます。ただし、船によって積載可能な台数に制限があるので注意が必要です。例えば、せきぜん渡船のフェリー「第2せきぜん」には、自転車とオートバイを合わせて10~15台程度を積載することが可能です。一方で旅客船「とびしま号」には、後方のデッキ部分に8台の自転車を積載することができます。
船 | 自転車積載可能台数 |
---|---|
フェリー第2せきぜん | 10~15台程度 |
旅客船とびしま | 8台 |
フェリーみしま | 非公表 |
ゴールデンウィークや繁忙期などはもちろん、大人数のグループがいると自転車の積載ができないことがあります。自転車の台数オーバーの場合、船員さんの判断で断られてしまいます。これらの航路は全て事前の予約ができないため、当日の先着順となります。とびしま海道サイクリングで、船への自転車積載を考えている場合には、とにかく早めに港へ到着することが大切です。

万が一、予定していた船に乗ることができないケースも想定して、余裕をもったプランニングにしておくといいと思います。可能な限り早い時間の船に乗る予定にしておいて、乗れなかった場合は次の船といったBプランを想定しておきましょう。
自転車積載の方法
どの航路の船に自転車を載せる場合も、港の窓口で旅客チケットとは別に自転車積載のチケットも購入します。サイクリスト向きの割引パスポートキャンペーンである「せとうちサイクルーズPASS」の対象区間になっているので、今治港や岡村港でPASSを無料で発行してもらうと割引が効いてお得に乗船することができます。
フェリーの場合
フェリーの場合は車両甲板の壁に指定された場所に自転車を立てかけるようにして積載します。

乗組員の方が誘導してくれるので、指示に従って自転車を積載するようにしましょう。先日、わたしが今治港から岡村港へフェリー「第2せきぜん」に乗った際には、車両甲板の後方に、ハンドルを手すりに掛けるようにして積載しました。自動車やオートバイの積載状況によって、立てかける場所が異なるようです。
旅客船の場合
以前は今治港~岡村港の区間の旅客船には自転車を積載することができませんでしたが、2017年に新造船「とびしま号」が就航してからは、最大8台までの自転車を積載できるようになっています。とびしま号では後方のデッキに、前輪を挟み込むタイプの車輪止めが8個ついていて、乗組員の方がここに自転車を停めてくれます。

スポークやホイールへのダメージが気になる方には向かない停め方かもしれませんが、この船においてはこれ以外の停め方はNGだそうです。また、8台を超える自転車を積載することができません。波しぶきがかかることもあるため、気にされるタイプのサイクリストの方は旅客船よりもフェリーを選んだ方がいいかもしれません。レンタサイクルを利用する手もありますね。
とびしま海道のサイクリングマップ

しまなみ海道サイクリングの定番マップ「しまなみ島走」のシリーズには、とびしま海道のサイクリングマップ『とびしま島走MAP』もあります。地元でサイクルツーリズム振興を展開しているNPO法人が作成しているもので、Amazon.co.jpでも購入することができます。紙の大きな地図が手元にあると計画をする際にイメージしやすくていいですね。ぜひ事前に入手してみることをおすすめします。
サイクリングへの活用
先述のとおり、岡村港からは大三島と宗方港と今治市街地の今治港を結ぶ航路があります。例えば、1日目はしまなみ海道を尾道から今治まで縦断し、翌日は安芸灘とびしま海道を広島県呉市方面に向かう行程の場合、せきぜん渡船が最も便利な航路だと思います。一方で、しまなみ海道の北側半分(尾道~大三島)ととびしま海道を組み合わせる場合には、大三島・宗方港~岡村島・岡村港を結ぶ大三島ブルーラインが便利です。

本州側から安芸灘とびしま海道を往復する以外のプランでは、大抵どれかの航路を利用する事になると思います。安芸灘とびしま海道のサイクリングモデルコースやおすすめルート、ランチスポットやレンタサイクルなどに関する情報はこちらのウェブページにまとめましたので、ぜひ参考になさってください。
しまなみ海道周辺の航路

この他のしまなみ海道やとびしま海道エリアのフェリーや旅客船の航路は、こちらのウェブページにまとめました。しまなみ海道やとびしま海道サイクリングのショートカットや船旅にぜひご参考になさってください。
このページでは、とびしま海道のサイクリングでの利用が多い今治港~岡村港のフェリーや旅客船についてご紹介しました。初心者から上級者まで幅広い方が自転車旅行を楽しめるしまなみ海道のサイクリング情報は以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。