【Velo-city 2027】愛媛県で国際自転車会議ヴェロ・シティーの開催が決定

2025年2月10日

【タイトル】自転車国際会議Velo-city 2027 が愛媛県で開催決定

しまなみ海道のある愛媛県にて、世界最大規模の自転車会議であるVelo-cityが2027年5月に開催されることが決定しました。自転車を活用したまちづくりや交通に関する政策、観光などのテーマについてのセッションや自転車パレードや展示会なども行われる予定です。

ライター:カワイユキ

こんにちは。しまなみ海道在住のローカルサイクリストのカワイユキと申します。このページではしまなみ海道とその周辺での最新ニュースをご紹介したいと思います。ぜひサイクリングの旅にお越しください!

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世界的な自転車会議

愛媛県での開催が決定

【写真】Velo-city 2027:しまなみ海道がある愛媛県で
しまなみ海道がある愛媛県で開催決定

日本を代表するサイクリングロード・しまなみ海道のある愛媛県にて、「Velo-city 2027(ヴェロ・シティ2027)」という国際自転車会議が開催されることが決定したそうです。2025年1月30日に中村時広知事が愛媛県庁にて発表しました。昨年のベルギー・へント、今年のポーランド・グダニスク、来年のイタリア・リミニに続いて、日本では初開催のカンファレンスとなります。ちなみに「Velo」はフランス語起源の単語で「自転車」を意味します。

ヴェロ・シティーとは

Velo-cityはヨーロッパサイクリスト連盟(ECF)主催で行われる世界最大規模の自転車会議。ECFは自転車こそが持続可能で健康的な交通手段であるということをポリシーにしているベルギー・ブリュッセルに本部があるNGO団体です。競技やスポーツとしてのサイクリングだけでなく、自転車ライフスタイルとしての日常利用やレジャー・観光としての利用の振興や自転車を活用した地域活性化などにも焦点を当てて活動をしています。

【AI生成画像】自転車国際会議Velo-cityのイメージ(Microsoft Designerで生成)
自転車国際会議Velo-cityのイメージ

この会議は1980年にドイツ自転車連盟主導でブレーメンで発足。以降、イギリス・ロンドン、オランダ・フローニンゲン、デンマーク・コペンハーゲンなどヨーロッパを中心に各地でテーマを定めて開催。近年は毎年恒例のイベントとして、台湾・台北やブラジル・リオデジャネイロなどヨーロッパ以外の国や地域でも開催されています。特に2016年の台湾での開催は日本への誘致への動きを活性化させました。

カンファレンスでは自転車政策に関わる人や研究者・専門家、自転車愛好家などが集まり、自転車を活用したまちづくりや交通に関する政策、観光などの様々なテーマについてセッションが行われます。自転車に関する最先端の事例などのアレコレを世界中から持ち寄って、情報を交換したり議論を深めたりするイメージです。またこのイベントではセッションだけでなく、自転車パレードや展示会なども行われ、参加者同士の交流の場にもなっているそうです。

2027年5月25日~28日愛媛開催

愛媛県で開催されるVelo-city 2027は、2027年の5月25日から28日の4日間の日程を予定しています。メイン会場はしまなみ海道ではなく、松山市の県武道館となるそうですが、県内での自転車パレードやしまなみ海道を活用した観光プログラムなどが予定されているそうです。愛媛県やしまなみ海道から自転車文化の注目度が上がって、自転車に関するさまざまなことがポジティブになっていくことを期待しています。

私も機会があれば、Velo-city 2027の自転車パレードに参加してみたいです!

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自転車先進県、愛媛

愛媛県が選ばれた理由のひとつは、県が「自転車先進県」として地域振興などに自転車を積極的に活用していることにあると、ECFのウォーレンCEOの発言からも読み取れます。私のウェブサイトでもメインで紹介している「しまなみ海道」は世界中から観光客が訪れる日本を代表するサイクリングルートです。このしまなみ海道の自転車を活用した地域づくりの成功がある種のフラッグシップとなり、愛媛県=自転車県としての認識が広がってきた流れがあります。

【写真】Velo-city 2027:松山市駅前の自転車専用レーン
松山市駅前の自転車専用レーン

愛媛県内ではJRや伊予鉄道でサイクルトレインが走るなど早くから自転車を活かした地域づくりが進められています。2012年にはしまなみ海道だけでなく愛媛県のあらゆる場所にサイクリングコースを定めて整備を進める「愛媛マルゴト自転車道」の施策が進められています。その後2015年に愛媛県庁には「自転車新文化推進室」という部署ができて、県をあげて自転車の文化促進を目指している状況です。

【写真】Velo-city 2027:松山市各所の道路には自転車走行スペースのペイント
道路には自転車走行スペースのペイント

自転車の文化は、スポーツとしてのサイクリングだけでなくコミューターの交通手段など、自転車ライフスタイルとしても広くとらえられています。自転車の安全な走行という面では、安全講習など充実のほか、2015年から県内の高校生に自転車ヘルメットが無償配布。2024年の調査では都道府県別の自転車ヘルメット着用率で、愛媛県は69.3%と断トツの一位となっています。ハード面でも自転車走行スペースの充実や矢羽根による標示も早くから進められています。

【写真】Velo-city 2027:愛媛県の自転車ヘルメット着用率は高い
愛媛県の自転車ヘルメット着用率は高い

Velo-cityを愛媛県に誘致したかったのは、こうした背景もあり、自転車先進県としてのブランディングや更なる地域振興を目指してのことだと思います。自転車活用推進研究会などさまざまな団体も日本でのVelo-city開催に向けて誘致活動を続けてきた背景もあります。

しまなみ海道架橋までの45年の歴史

1999年5月に全ての橋が開通し今治~尾道が繋がってできた「しまなみ海道」の歴史を簡単にさかのぼった記事です。

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Velo-city

自転車国際会議Velo-cityのこれまでの開催都市とテーマはこのような感じです。

都市テーマ
1980ブレーメン西ドイツ
1984ロンドンイギリス
1987フローニンゲンオランダ都市サイクリストのための計画
1989コペンハーゲンデンマーク人々に自転車を利用してもらう方法
1991ミラノイタリア自転車:私たちの町の移動性と環境の改善
1992モントリオールカナダ
1993ノッティンガムイギリス
1995バーゼルスイス自転車、持続可能な交通の象徴
1996フリーマントルオーストラリア
1997バルセロナスペイン
1999グラーツ&マリボルオーストリア&スロベニア
2000アムステルダムオランダ
2001エディンバラ&グラスゴーイギリス変化のためのパートナーシップ
2003パリフランス都市を取り戻すための必須ツールとしての自転車
2005ダブリンアイルランドビジョンを実現する
2007ミュンヘンドイツビジョンから現実へ
2009ブリュッセルベルギーRe-サイクリング都市
2010コペンハーゲンデンマーク異なるギア、同じ目的地
2011セビリアセビリア生命の循環
2012バンクーバーカナダ進行中の都市
2013ウィーンオーストリアサイクリングの音~都市のサイクリング文化
2014アデレードオーストラリアサイクリングの祭典
2015ナントフランスサイクリング:未来の創造者
2016台北 台湾サイクリングの進化
2017アーネム&ナイメーヘンオランダサイクリングの自由
2018リオデジャネイロブラジル生活へのアクセス
2019ダブリンアイルランド世代を超えたサイクリング
2021リスボンポルトガル自転車多様性
2022リュブリャナスロベニア変革をもたらすサイクリング
2023ライプツィヒドイツ持続可能なモビリティへの移行を主導する
2024ヘントベルギーサイクリングを通じたつながり
2025グダニスクポーランド連帯を活性化させる力
2026リミニイタリア
2027愛媛県日本

2027年の愛媛県開催のテーマなどはまだ発表されていません。詳細の情報は分かり次第、こちらのウェブページでも更新していきたいと思っています。以下に2024年のヘント開催、2025年のグダニスク開催のテーマとその背景をまとめてみました。

ヘント 2024

【公式ウェブサイトより引用】ヴェロシティー2024年のロゴとバナー

Velo-city 2024は、ベルギーの古都ヘントにて、6月18日から21日の日程で開催されました。Velo-city 2024 では「サイクリングを通じたつながり(Connecting through Cycling)」がテーマとなり、自転車が場所と場所、都市と地域、個人と個人といったつながりを促進する理想的な手段であると主張されました。自転車は物理的な場所をつなぐだけでなく、さまざまな交通手段やセクターとシームレスに合わさりながら人々を結びつけます。

【Pixabayより著作権フリー写真を引用】ベルギー、ヘントの町並み
ベルギー、ヘントの町並み

ヘント:1993年に自転車計画が開始。自転車利用が本格的に急増したのは2017年に「Circulation plan(動線計画や循環計画と訳す?)」と呼ばれる交通の動線に焦点を当てた都市計画の実施によるもので、自転車利用が大幅に増加し、2030年の目標を上回りました。Circulation planでは一部の道路を一方通行化してできたスペースに自転車レーンや歩道を作ったり、自動車と自転車のセクションを分けたりすることで、交通渋滞なども解消し、暮らしやすさの向上を目指しました。クルマ中心から人中心の都市空間転換に成功した事例として知られています。

グダニスク 2025

【公式ウェブサイトより引用】ヴェロシティー2025年のロゴとバナー

Velo-city 2025はポーランドのグダニスクにて、会議の45周年を記念して2025年6月10日〜13日の日程で開催される予定です。今回のテーマは「連帯を活性化させる力(Energising Solidarity)」となっていて、サイクリングは自由と持続可能性を象徴するだけでなく、団結と共通の目標を通じて生活環境を改善したいという共通の願望を体現しているとしています。

【Pixabayより著作権フリー写真を引用】ポーランド、グダニスクの町並み
ポーランド、グダニスクの町並み

グダニスク:南バルト海の主要な港湾都市です。中世後期のヨーロッパではハンザ同盟の重要な都市としての役割も担ってきました。北ヨーロッパと各地をつないできたその拠点としての歴史から、自転車文化も各地と結び付けようというイメージでVelo-cityを開催するようです。1989年のポーランド民主化以降、広範な自転車インフラ整備が進められてきた町でもあります。グダニスク湾岸沿いのサイクリングロードをはじめとした自転車専用道が充実。バルト海-アドリア海ルート、バルト海サイクリングルート、鉄のカーテントレイルなどの北ヨーロッパの主要なロングサイクリングコースの重要な交差点となっています。


このページでは、愛媛県で国際自転車会議が開催されるニュースについてご紹介しました。初心者から上級者まで幅広い方が自転車旅行を楽しめるしまなみ海道のサイクリング情報は以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。

2025年2月10日今、話題の

Posted by カワイユキ