【冬のしまなみ海道】寒い時季のサイクリングのメリットと注意点

2025年12月14日

【タイトル】意外とおすすめ?冬のしまなみ海道サイクリングのメリットと注意点

しまなみ海道サイクリングは冬でも大丈夫?寒すぎる?おすすめしない?12月~2月の寒い季節の自転車旅行ならではのメリットや日没時間などの注意点や対策をまとめました。いくつかの理由から冬のサイクリングも意外とおすすめなんです。

こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。

読者の皆様のご支援をもとに取材・執筆やウェブサイトの維持管理をしています。記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお有償無償に関わらず、業者様からの掲載依頼はお断りしています。

しまなみ海道サイクリング

初心者の来訪も急増

本州と四国を結ぶ橋ルートのひとつで、広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ「しまなみ海道」は、いくつも島々が連なる風光明媚なエリアです。しまなみ海道の観光で、もっとも特徴的なのが「自転車の旅」。島々を結ぶ橋には高速道路だけでなく、自転車でも渡れるようになっていて、日本屈指のサイクリングルートとして知られています。

【写真】冬のしまなみ海道:来島海峡大橋を渡るサイクリストたちの風景
来島海峡大橋を渡るサイクリストたちの風景

かつては、しまなみ海道を訪れる多くはロードバイクなどのスポーツ自転車を愛好しているコア層が中心でした。近年は、自由度の高いレンタサイクルの仕組みやブルーラインの道路標示など初心者でも自転車旅行を楽しめる環境の整備が進み、長距離のサイクリングは初めてというライト層の来訪も急激に増えています

【イラスト】しまなみ海道冬のサイクリング:完走なら70~80km程度であることの説明図

とは言っても、しまなみ海道の全ての島を渡り切ろうとすると最短でも70kmほどの距離。しまなみ海道で初めて長距離のサイクリングに挑戦される方は、自分のレベルに合った情報をもとに、準備や計画を進めることをおすすめしていて、私のウェブサイトでもそうした初心者の方へ向けて、アドバイスや提案を発信しています。

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冬サイクリングのメリット

何事も初めてだと不安なことも多いと思います。今回は「しまなみ海道サイクリングをする時季」に着目。一般的にはあまり積極的に自転車に乗ろうとは思わないかもしれない季節、「冬」のサイクリングならではのメリットや注意点、その対策について記事にしてみようと思います。寒すぎる?雪は降るの?しまなみ海道では冬のサイクリングもいくつかの理由で意外とおすすめなんです。

メリット① 澄んだ空気

これはしまなみ海道に限らないのですが、一般的に冬は空気が澄んでいて遠景が綺麗に見えると言われています。気象庁によると”冬は夏に比べて気温も低く、対流活動も弱いことから空気中の水蒸気やちりなどが少なく、このため冬は夏より澄んで見えます”とのこと。確かに、しまなみ海道でも夏は見える日が少ない石鎚山など四国山地の山々がくっきり見える気がします。

【写真】冬のしまなみ海道:澄んだ空気でくっきりと山の風景が見える
澄んだ空気でくっきりと山の風景が見える

しまなみ海道の印象的な景色のひとつに「島々が重なり合う瀬戸内海の風景」があると思います。霧やもやのかかった島々もそれはそれで美しいものですが、遠くの島々までくっきりと見渡すことができるのは、冬に訪れる大きなメリットだと思います。橋の上のサイクリングロードからの眺望や展望台からの景色にも期待が出来ますね。

メリット② 降水量の少なさ

しまなみ海道がある瀬戸内海エリアは「瀬戸内気候区」と呼ばれる比較的に温暖で少雨な気候だと言われています。しまなみ海道の冬サイクリングでも雪の心配はまずありません。広島県側の尾道市街などでは、かなり冷え込んだ日の朝に、雪がうっすらと積もることがありますが、たいてい日中にはすべて溶けてしまいます。

【グラフ】今治市の降水量平年値(気象庁の気象データより作成)
今治の降水量平年値(気象庁の気象データより作成)

しまなみ海道の起終点のひとつである「今治」の降水量を、気象庁公開のデータからグラフにしてみました。やはり降水量が多いのは梅雨の6月・7月、秋雨前線と台風の影響で9月となっています。一方で12月~2月にかけてはひと月の降水量が50㎜前後。これはかなり乾燥気味で、サイクリングにおいて雨のリスクが少ないと言えそうです。実際に、しまなみ海道に住んでいても冬は朝方に曇っていても日中は晴れる日が多い印象です。

メリット③ 汗をかきすぎない

夏と違って、冬のサイクリングでは汗をかきすぎないということも大きなメリットです。暑いよりも寒い方が、ウェアでの体温調節がしやすく、長距離をのんびりとサイクリングする場合には身体的なダメージが少ない印象です。紫外線や熱中症のリスクもゼロではないですが、真夏の暑すぎる時季に比べるとかなり低いと言えると思います。

今治(平年)平均気温(℃)日最高気温(℃)日最低気温(℃)
11月13.017.38.9
12月8.112.24.1
1月5.99.81.8
2月6.110.31.7
3月9.013.64.3
4月13.718.88.8
1999-2020の平年値(気象庁のデータから作成)

実際に、フルマラソンを研究した学術調査によると記録の目安が3時間30分の男性に最適な気温は6℃なんだそう(ウェザーニュースの記事より)。同じく持久系の有酸素運動であるスローサイクリングでも、暑いより寒い方が良さそうです。しまなみ海道サイクリングでは、そこまでの負荷ではないので気温が1桁台だと寒すぎるイメージ(1月とか…)ですが、10~15℃くらいだと意外にも快適です。

メリット④ 旅行者が少ない

1年を通してしまなみ海道でサイクリングを楽しんでいての体感ですが、冬になると明らかに自転車旅行者の数が激減します。秋のいわゆる行楽シーズンが終わると、12月には国民の祝日がなく、”師走”と呼ばれるように何かと仕事や日常生活が忙しい季節。多くの日本人にとっては年末年始以外に連休を取りにくい季節でありますね。欧米の事情はよく分かりませんが、インバウンドの旅行者の数も冬は少ない印象です。

【写真】冬のしまなみ海道:冬は旅行者が少ないシーズン
冬は旅行者が少ないシーズン

一般的に「サイクリング≠冬のスポーツ」という印象であることも大きいかなと思います。寒い日は暖かい屋内でゆっくりと過ごしたいのが人情。かく言う私も、寒い日は家に籠りがちです。旅行者の総数が少ないことは、レンタサイクルの予約だったり、宿泊施設の予約だったりがしやすいメリットがあります。人気の飲食店も行列に並ばずに入れる可能性が高いです。

メリット⑤ 柑橘や旬の食材

しまなみ海道エリアに来たら、ぜひ食していただきたいのがミカンやレモンの柑橘類です。柑橘の王国とも呼ばれる愛媛県では、40種類以上の柑橘を栽培していて種類によって採れる時季が違うのですが、おおむね冬に旬を迎えます。12月頃から店頭に柑橘が並び始め、3月くらいまでがハイシーズンです。県外ではなかなかお目にかかれない品種もぜひ食べてみてくださいね。

【写真】冬のしまなみ海道:レモンなどの柑橘は冬が旬
レモンなどの柑橘は冬が旬

瀬戸内海に限った事ではないですが、多くの魚介類も冬から春にかけて旬を迎えます。新鮮な魚介類を使ったグルメも、しまなみ海道旅行の大きな楽しみのひとつです。冬にこの地域を訪れるからこその、美味しいものにぜひ出会って、堪能してみてください。

こうした理由から冬のサイクリングも、あながち悪くはないかもしれませんよ♪

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冬サイクリングの注意点

このように、しまなみ海道の冬季のサイクリングにはいくつかのメリットもあって、意外にもおすすめな季節と言えると思います。一方で、冬のサイクリングならではの注意点もいくつかあります。普段からサイクリングをしていない方には思いがけない視点もあるかもしれません。

注意点① 早い日没時刻

冬のしまなみ海道サイクリングで最も気をつけなくてはならないのは”日没時刻”です。当たり前ですが、日没時刻は夏は遅く(19時台後半)、冬は早く(17時台前半)なり、年間で大きく変動します。例えば、夏至と冬至では約2時間半も日没時刻が違います。日の出の時刻は夏は早く、冬は遅く、その最大の差は2時間強あります。

今治(2025年)日の出時刻日没時刻
夏至(6月21日)4:5619:22
冬至(12月22日)7:0917:03

つまり夏と冬では、日が出ている時間が最大で5時間弱も違うことになります。レンタサイクルでののんびりサイクリングでは1時間に10kmほど進むことができますから、単純計算で5時間は約50kmもの違いを生みます。これは日の出とともに出発して、日の入りにゴールした場合ですが、いずれにしても日中に走ることができる距離が変わってきます。

【写真】冬のしまなみ海道:夜景は綺麗だがサイクリングロードは真っ暗
夜景は綺麗だがサイクリングロードは真っ暗

しまなみ海道の特に島内エリアは、日没後にかなり暗くなるので、夜間の自転車走行においてはさまざまなリスクが高まります。イノシシなどの野生動物との遭遇リスクもありますので、日没後のサイクリングは個人的に全くおすすめできません。目的地に日没の1時間前には到着しているイメージで、余裕の持ったプランニングを立ててみてください。

注意点② 適切な防寒対策

先述のとおり、暑いよりも寒い方がウェアでの体温調節がしやすいというのが私の体験に基づく意見です。坂道を登ったり、ペースが上がったりしてくると防寒着が暑くなってくるかもしれません。逆に、下り坂だったり、走り始めだったりすると身体が冷えてしまうこともあります。冬サイクリングの防寒対策では、簡単に脱ぎ着できる服装にしておくことが重要です。

【イラスト】冬のしまなみ海道:雨サイクリングで必須なレインウェア

とは言っても、レンタサイクルの自転車では運ぶことができる荷物に限界がありますし、なるべく荷物は少なく、軽くしたいところです。軽くて暖かい素材のアウトドアウェアのほか、ポケッタブルなウェアもおすすめです。また、レインウェアを防寒着替わりに使うことで、荷物を減らすこともでき、思いがけない雨にも対応できます。肌着をいつもより何着か多く持っていき、汗をかいたら肌着だけ着替えることも体温調整に有効です。

注意点③ 思いがけない脱水症

意外かもしれませんが、冬のサイクリングでも脱水症になることがあります。夏の暑い日に比べて寒い冬だと、運動をしていても喉の渇きを感じにくく、いつの間にか脱水症になっているケースがあるそうです。冬のサイクリングでも、こまめな水分補給を意識していきましょう。しまなみ海道の島々には自動販売機もコンビニエンスストアもありますので、飲み物の現地調達を心配する必要はありません。

計画が不安な方にはこのガイドブック

【書影】しまなみ海道サイクリングのガイドブック「しまなみ島走PLAN」

しまなみ島走PLAN サイクリングや自転車旅行の初心者には、しまなみ海道サイクリングプランのガイドブック『しまなみ島走PLAN』がおすすめです。自転車で世界一周した地元のサイクリングガイド・宇都宮さんという方が書かれている自転車旅行者目線の本格的なガイドブックや地図で、たびたび改訂版も出ています。書店にはなかなか出回っていないのですが、Amazon.co.jpで出版元から購入できます。

初めての自転車旅で、どのくらい走れるのか、どこまで行けるのか、不安があるならば、『しまなみ島走PLAN』を入手して、熟読しておくと安心です♪

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しまなみ海道のベストシーズン

このように、しまなみ海道は一年を通してサイクリングを楽しむことができる恵まれた気候です。四季によって、見ることができる景色であったり、食べることができるグルメであったり、さまざまな楽しみ方が変わってきます。また、暑さや寒さによるサイクリング体験の違い、日の出や日の入り時刻によるサイクリング可能時間の違い、雨や風といった天候リスクの違いなども季節によって全く異なります。

【写真】冬のしまなみ海道:ぜひあなたのベストシーズンを見つけてみてください
ぜひあなたのベストシーズンを見つけてみてください

私のウェブサイトでは、しまなみ海道をサイクリングするならどのシーズンがベストなのか、さまざまな視点から考えてみています。せっかく遠方からしまなみ海道へサイクリングに行くなら、天気も気候も最高な時に行きたいという方も多いかと思います。旅先で重要視するものが違うと「ベスト」の意味も変わってくると思いますので、あなたのベストをぜひ見つけて、しまなみ海道へ遊びにいらしてください。


このページでは冬のしまなみ海道サイクリングならではのメリットや注意点について紹介しました。一年を通して季節ごとに様々な楽しみ方ができるのがしまなみ海道の魅力のひとつです。初めてのしまなみ海道サイクリングを計画中の方に向けた詳しい情報は、以下のページにて徹底解説しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

2025年12月14日安心・安全の情報

Posted by KAWAI