【柳井港~松山港の航路】山口県と愛媛県を結ぶ防予フェリー

山陽地方から愛媛県へのアクセスでよく利用されるのが、山口県の柳井港から愛媛県の松山港(三津浜港)を結ぶ防予フェリーの航路です。しまなみ海道やはまかぜ海道のサイクリングや周防大島サイクリングを組み合わせて、瀬戸内海を自転車で旅行するときに活用できるルートだと思います。

こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道からもっと広く瀬戸内海へ!今回は山口~愛媛の航路をご紹介します。
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山口県~愛媛県最短ルート
柳井と松山をフェリーで移動
四国と本州を結ぶルートには、瀬戸大橋やしまなみ海道などの橋ルートとフェリーや旅客船を活用した船ルートがあります。これらのうち、今回の記事でご紹介するのは山口県と愛媛県を結ぶ船ルートです。山口県の柳井港と愛媛県の三津浜港(松山)を行き来している「防予フェリー」は瀬戸内海の西側エリアでの主要航路となっています。
ちなみに「防予」とは、山口県東部の昔からの呼び名である「周防」と愛媛県の「伊予」から一文字ずつ取った呼称です。

というのも、山口県から愛媛県へしまなみ海道経由で向かう場合、広島湾がかなり奥まっていることやしまなみ海道の入口である尾道の立地からかなり遠回りなんです。この陸路で柳井~松山間を車で移動すると、約270㎞の距離があり4時間以上の時間がかかります。2時間半ほどでこの区間をショートカットできるフェリーなので、トラックなどのお仕事の車にも重宝されています。

瀬戸内海のより広い範囲を自転車で旅したいという方も、このフェリーを使うとユニークなサイクリングプランが立てられると思います。近年、サイクリングコースとして人気が高まっている山口県の周防大島と、松山~今治のはまかぜ海道、しまなみ海道を組み合わせることも、防予フェリーを使えば実現できます。
注目のサイクリングルート

白壁の町並みが残る柳井市街地や柳井~岩国間の海岸沿いコースも魅力的ですね。近年、山口県も自転車で旅をするサイクルツーリズムの整備を進めていて、岩国市由宇町の「みなとオアシスゆう」や周防大島の道の駅「サザンセトとうわ」、柳井港などでサイクルラックが配備されていたり、サイクリング情報が発信されていたりします。

柳井港と三津浜港を結ぶ航路について詳しくご紹介しようと思います!
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防予フェリーの寄港地

防予フェリーは、山口県の柳井港と愛媛県の三津浜港を毎日9~11往復ほど行き来していて、ほとんどの乗客はそのどちらかの港から乗って降りる印象です。時刻表を見ると、1日3便ほどのフェリーは「伊保田港」という港に立寄ります。ここは周防大島の東端にある港です。
柳井港(山口県柳井市)

柳井港は、柳井の市街地から東に4kmほど離れた立地です。海沿いの国道188号を走行していれば、大きな「松山行きフェリーのりば」の看板があるので分かりやすいと思います。港から最寄りの駅は、柳井駅ではなく、「柳井港駅」です。柳井港駅は柳井港フェリーターミナルと道を挟んで向かいという非常に便利な立地です。

切符売り場は「柳井港ポートビル」内にあります。たいてい、駐車場の入口に誘導スタッフがいるので、車の場合もオートバイの場合も自転車の場合も、指示に従って駐車後に、目の前にあるポートビルへと向かいましょう。
切符売り場と待合所スペース

出港の一定時間前になるとこちらの切符売り場が空きますので、こちらで乗船手続きや支払いを行います。乗船する時間が確定しているなら、事前にインターネットや電話で予約をしておくとスムーズですし安心です。15名以下の個人の旅客のみ(車両なし)の場合には予約の必要がないそうです。

海が見える待合所もあるので、柳井名物の金魚ちょうちん越しの瀬戸内海の風景を眺めながら船が来るのを待つことができますね!
防予フェリー | 柳井港 |
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住所 | 山口県柳井市柳井134-6 |
電話番号 | 0820-22-3311(乗船予約センター・柳井) |
三津浜港(愛媛県松山市)
松山市の海側には、主に3つの港があります。北から「松山観光港」、「高浜港」、「三津浜港」です。松山観光港からは主に広島県方面のフェリーが離発着しています。高浜港からは興居島や中島といった松山沖の離島へのフェリーが出ています。山口県の柳井に向かうフェリーは「三津浜港」なので間違わないようにご注意ください。

三津浜港周辺には風情ある町並みの残るエリアもあり、散策も楽しいです。最近は古民家をうまく利用したカフェやレストランなども続々と登場しています。約80mというとても短い距離を結ぶ「三津の渡し」という無料の渡船もあり、地元の方々の大切な移動手段となっています。また、三津浜焼きというお好み焼きもローカルグルメでおすすめです。
伊予鉄の「三津駅」が最寄りで港から1kmほどの立地。松山の中心市街地にある「松山市駅」からアクセスすることができます。一方で、JR予讃線の「三津浜駅」は港から2kmほどの立地で、こちらはJR松山駅やJR今治駅方面を結ぶアクセスに便利です。
防予フェリー | 三津浜港 |
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住所 | 愛媛県松山市三津ふ頭1-1 |
電話番号 | 089-951-3509(乗船予約センター・松山) |
伊保田港(山口県柳井市)
先述のとおり、伊保田港は周防大島の先端にある港です。周防大島の北側を通っているメイン道路である国道437号線を、大島大橋から島の先方面へずっと進んでいくと伊保田港に辿り着きます。周防大島のサイクリングコースとしても整備が進んでいるこの国道437号を横断するサイクリストが多いと思います。大島大橋から伊保田港までは最短で約36kmほどの距離です。

周防大島は道の駅などがある北側だけでなく、島の南側も魅力的な風景のスポットがたくさんあります。「片添ヶ浜海水浴場」などの美しいビーチも島の南側に点在しています。カウアイ島と姉妹島であることから「瀬戸内のハワイ」としてプロモーションされている周防大島。片添ヶ浜海水浴場の周辺にもハワイ感のある建物があったり、いたるところにハワイ風の看板があったりします。

こうしたスポットを巡りながらサイクリングしていると、意外と走行距離が延びていきますので、片道サイクリングの場合にこの伊保田港は重宝します。とはいえ、柳井港方面行きも松山港方面行きも一日に3便程度しかないので、時刻表の事前チェックは必須です。
防予フェリー | 伊保田港 |
---|---|
住所 | 山口県大島郡周防大島町大字伊保田1366−2 |
電話番号 | 0820-75-1575(乗船予約センター・伊保田) |

山口県側、愛媛県側ともにサイクリング旅にぴったりのエリアが充実しています!
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時刻表と予約方法
防予フェリーの時刻表には「通常ダイヤ」と「特別臨時ダイヤ」の2種類があります。船が修理や検査に入っているドッグ期間などに特別臨時ダイヤとなることがあります。防予フェリーの公式ウェブサイトから最新の時刻表をチェックしましょう。深夜と早朝の便には「日曜日・月曜日運休」と「土曜日・日曜日運休」があるのでご注意を。これにより日曜日は深夜早朝便がありません。

予約も防予フェリーのウェブサイトや電話から可能です。私が乗船した時点でインターネット予約用のページの車両欄に「自転車」が無かったので、電話で予約をしました。自転車を輪行袋に入れて客室に持ち込む場合は、自転車料金はかからないということです(15名以下の旅客のみの場合は予約不要)。ちなみに電話での乗船予約の受付は乗船希望便の出航1時間前までです。
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防予フェリーの船
おれんじじゅぴたー
取材時点で、防予フェリーでは「おれんじぐれいす」「おれんじじゅぴたー」「しらきさん」という3隻の船舶を使って柳井~松山を行き来しています。今回、乗船したのは一番レトロな「おれんじじゅぴたー」号でした。200名という旅客定員です。

乗用車やトラック、オートバイや自転車を積載する車両甲板はこのような感じです。自転車は二輪車専用のスペースに壁に立てかけるようにして積載します。自動車やトラックは乗組員の誘導にしたがって駐車。三津浜港や柳井港では降りるときは前側が開くので、楽に下船できます。例外的に伊保田港発三津浜港行、三津浜港発伊保田港行の乗船はバックでの積込みになるそうです。

「おれんじじゅぴたー」の客室は、椅子席とフラットシート席があり、どちらに座るのも自由という一般的な二等席のスタイルになっていました。天井からつる下げられている飾りは、柳井の名物である「金魚ちょうちん」です。青森県弘前市の金魚ねぷたに起源があり、夏まつりでは柳井の町中にこの金魚ちょうちんが灯されます。

船に乗っている間に疲労を回復したいサイクリストやドライバーには、こちらのフラットシート席もおすすめです。乗客が少なければ横になって休むことができます。移動時間も2時間半あるので、しっかりと休憩することができますね。

フェリーが柳井~松山を移動するときのハイライトとなる風景は、やはり「大島大橋」でしょう。本州と周防大島を結ぶ緑色のトラス橋。柳井港を出発して割とすぐに橋の下を通過します。晴れていればデッキから海風を感じながら眺めるのがいい感じです。潮の状況によっては渦潮が見れることもあります。

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おすすめサイクリングコース
周防大島とその周辺エリアには、サイクリングや自転車旅行にぴったりとコースがいくつもあります。周防大島のサイクリングは定番ですが、個人的には岩国の錦帯橋なども巡りながら、岩国市の南側の海岸沿いルートを通るのがおすすめです。

「潮風公園 みなとオアシスゆう」などのサイクリングに適した休憩スポットもあり、瀬戸内海ならではの風景を眺めながら自転車をこぐのが非常に楽しいです。もちろん、愛媛県側もサイクリング環境が整いつつあります。松山からしまなみ海道の起点である今治への海沿いコースは「はまかぜ海道」と呼ばれるサイクリング推奨コースになっています。山口県側からしまなみ海道を目指すときに、ぜひ防予フェリーとはまかぜ海道サイクリングを組み合わせてみてください。
このページでは、山口県と愛媛県を結ぶ防予フェリーとサイクリングへの活用法についてご紹介しました。初心者から上級者まで幅広い方が自転車旅行を楽しめるしまなみ海道のサイクリング情報は以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。