【歴史に幕】尾道~向島の福本渡船が2025年3月末で廃止に

2024年11月16日

【タイトル】尾道~向島の福本渡船が2025年3月末で廃止

しまなみ海道の尾道~向島を結ぶ3つの渡船のうちのひとつ、福本渡船が2025年3月31日をもって廃止されることが、2024年9月に発表されました。公式や地元新聞でどのように発表されているのか、廃止後の尾道水道の航路はどうなるのかなどを詳しく調べてみました。

ライター:カワイユキ

こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。

初心者ひとり旅でも安全・安心にサイクリングを楽しめるガイドブックを目指して作っているウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。

尾道~向島の航路

尾道水道を渡る3つの航路

しまなみ海道のスタートやゴール地点にもなっている広島県尾道市。本州の旧尾道市街地と向島の間には尾道水道という細い海峡があり、尾道大橋や高速道路である新尾道大橋が架かっています。橋を通って島へと渡る以外にも、頻繁に行き来している渡し船の航路が2024年時点で3航路あり、地元がよく使う交通手段となっています。

【写真】福本渡船廃止:尾道水道を行き来する福本フェリー
尾道水道を行き来する福本フェリー

しまなみ海道の橋の中で、尾道大橋は走行スペースの関係で自転車の通行が推奨されておらず、サイクリングに訪れる旅行者のほとんどがこれらの渡し船を使います。しまなみ海道サイクリングではスタート&ゴールとして、この短い船旅がとても馴染み深いものになっています。そんな渡船に悲しいニュースが飛び込んできました。

福本渡船の廃止が発表

2024年9月30日のニュースです。尾道~向島の3航路のうちのひとつ、土堂と小歌島を結ぶ「福本渡船」が設備の老朽化などを理由に2025年3月31日(令和6年度末)をもって廃止となることが、運航元である福本フェリー株式会社より発表されました。

【写真】福本渡船廃止:向島側の福本フェリー乗り場と料金所
向島側の福本フェリー乗り場と料金所

渡船乗り場には、廃止のお知らせと感謝のメッセージが貼りだされていました。

渡船事業廃止のお知らせ

弊社渡船(向島~尾道)は、施設の老朽化に伴い、令和7年3月31日をもって渡船事業を廃止致します。135年余の長きにわたりご利用いただきました皆様方に深く感謝申し上げます。残る半年、全力で安全運航に努めてまいりますので、よろしくお願い致します。

令和6年9月30日

福本フェリー株式会社

1日に75往復もする地元の日常にあまりにも染み込んでいた渡船の廃止。このニュースは地元の新聞「中国新聞」2024年10月2日版でも「福本フェリー来春廃業~尾道水道の渡船2航路に」として取り上げられ、X(旧Twitter)でも尾道やしまなみ海道の関係者やしまなみ海道ファンの間で大きな話題となりました。

福本渡船

【写真】福本渡船廃止:尾道側の乗り場は印象的な風景
尾道側の乗り場は印象的な風景

3つの航路で最安の料金設定。自動車からオートバイ、自転車、徒歩まで幅広い車両も積載することができた福本渡船。135年の長い歴史からのレトロ感に旅情を感じるフェリー航路でした。大林監督の映画「さびしんぼう」でも登場するなど、福本渡船の渡船乗り場やフェリーの風景は尾道を代表する景観のひとつであり、日常の風景でした。

福本渡船さん、長い間ありがとうございました!

AD (Googleアドセンス広告)

2航路は継続

尾道駅前渡船と兼吉渡し

全盛期は9航路、1999年の新尾道大橋開通時で6航路あった尾道水道の尾道~向島を渡す船も、時代の流れとともに徐々に数を減らしてきたという歴史があります。2025年3月末の福本渡船廃止後は、第3セクターとして「おのみち渡し船株式会社」が運航している「尾道駅前渡船(尾道駅前~富浜)」と「兼吉渡し(土堂~兼吉)」の2航路となる見通しです。

【イラスト】福本渡船廃止:尾道水道の3つの航路の位置と尾道大橋
尾道水道の3つの航路の位置と尾道大橋

しまなみ海道サイクリングで尾道駅周辺をスタート地点とする方のほとんどが尾道駅前渡船を使っているため、サイクリストへの影響という点では限定的です。兼吉渡しにも自転車の積載は可能です。自動車やオートバイで尾道~向島間を移動する方法も、橋を渡るあるいは兼吉渡しのフェリーという選択肢が残ります。

尾道駅前渡船

尾道駅前渡船は、名前の通り尾道駅のすぐ目の前の広場横の桟橋から出ている旅客船による航路です。歩行者はもちろん、自転車や125㏄以下のオートバイの積載ができます。しまなみ海道を愛媛県今治市側からサイクリングしてくると、ブルーラインの誘導線もここへと案内しているため、ここがまさにしまなみ海道のゴール!という印象的な場所です。

兼吉渡し

兼吉渡しは尾道水道の東側で、尾道側は土堂の渡し場、向島は兼吉の渡し場を頻繁に行き来しているフェリー航路です。尾道駅前渡船と違い、こちらには自動車や125㏄以上のオートバイなども積載することができます。しまなみ海道サイクリングでは、向島の外周コースへのアクセスや、地ラムネで有名な後藤鉱泉所や大正時代創業の住田製パン所などのスポットへ行く場合などに利用されることが多いです。


このウェブページでは、しまなみ海道の尾道~向島間の福本渡船廃止のニュースについて詳しくご紹介しました。私のこのウェブサイト「しまなみ自転車ツーリングTips」では主に、初心者でも楽しめるサイクリングの聖地、しまなみ海道の情報をまとめています。素晴らしいサイクリングロードと瀬戸内海の風景が待っていますよ!

2024年11月16日船の航路,今、話題の

Posted by カワイユキ