【瀬戸田港】生口島から尾道や三原へ渡る旅客船の切符の買い方や乗船方法
しまなみ海道の生口島にある瀬戸田港を取材してきました。生口島はしまなみ海道のちょうど真ん中、瀬戸田はその島の中心市街地で、しおまち商店街や耕三寺などがあるため観光スポットになっています。瀬戸田港からは三原や尾道といった本州を結ぶ旅客船航路があるため、しまなみ海道を半分だけサイクリングするようなモデルコースや、気軽に途中リタイヤできるスポットとしても活用できます。
こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。
初心者ひとり旅でも安全・安心にサイクリングを楽しめるガイドブックを目指して作っているウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。
生口島の瀬戸田港
瀬戸田港があるのは、しまなみ海道のちょうど真ん中あたりに位置する生口島という島です。
生口島~尾道・三原航路
現在、瀬戸田港では、因島重井港を経由しながら尾道港へ結ぶ瀬戸内クルージングによる「瀬戸田港~尾道港航路」の旅客船、三原港へ結ぶ土生商船の「瀬戸田港~三原港航路」の旅客船の2種類の航路の船が発着しています。尾道港はしまなみ海道のレンタサイクルターミナルもある尾道駅や尾道市街地の最寄り港です。三原港も、新幹線や在来線の停まる三原駅まで徒歩5分という好立地。両航路ともにフェリーではなく旅客船なので、自動車やオートバイなどは積載できませんが、自転車の積載は可能です。レンタサイクルを返却後の移動としても活用できますね。
航路 | 尾道港行き | 三原港行き |
---|---|---|
船会社 | 瀬戸内クルージング | 土生商船グループ (弓場汽船・マルト汽船による運航) |
船のタイプ | 旅客船 | 旅客船 |
所要時間 | 約50分 | 約30分 |
便数 | 1日約6往復 | 1日約12往復 |
自転車積載 | 追加料金でOK | 自転車チケット購入でOK |
自動車・オートバイ | 積載不可 | 積載不可 |
特に瀬戸田港~尾道港航路の旅客船はサイクリストや自転車旅行者の利用が多いため、日によっては「サイクルシップラズリ」という自転車がたくさん積載可能な特別な船が運航することがあります。瀬戸田港~尾道港航路についてはこちらのウェブページにまとめました。
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瀬戸田港
以前、瀬戸田を訪れたことがある方には、赤茶色のお寺のようなデザインの建物が印象的だったかもしれません。
2004年に国土交通省による「みなとオアシス」の第1号として認定された瀬戸田港は、地域住民の交流や観光の振興の拠点施設としての機能も持っています。その後2011年に、現在の瀬戸田港の建物に建替えられ、桟橋も新調され、再開発されています。以前の建物よりも小さめで周囲が芝生広場のようになり、落ち着いた雰囲気です。しおまち商店街の西側の入り口に近い立地で、生口島の横にある高根島という島との間の狭い海峡、瀬戸田水道に桟橋があります。
港 | 瀬戸田港 |
---|---|
住所 | 尾道市瀬戸田町瀬戸田214‐14 |
電話番号 | 0845-27-2235 |
航路 | 瀬戸田~三原、瀬戸田~尾道 |
主な船舶 | シーホーク、シトラス、サイクルシップラズリ |
飲食店などは、瀬戸田港の目の前には「しまなみロマン」や「Soil Setoda」というレストランがありますし、しおまち商店街やその周辺にも幾つかの飲食店があります。船の時間まで余裕がある方は、ぜひしおまち商店街の散策もお楽しみください。
最寄りのレンタサイクルターミナル
しまなみ海道の公共レンタサイクルは、愛媛県今治市~広島県尾道市の間に約10ヶ所のレンタサイクルターミナルが設置されていて、どこでも借りたり返したりできるので、とても便利です。そのため、しまなみ海道の全線を踏破するようなコースだけでなく、レジャーとして1日や半日程度で、ちょっとしたサイクリングを楽しむこともできます。
瀬戸田港は生口島の拠点ですが、公共のレンタサイクルターミナルは設置されていません。最寄りのレンタサイクルターミナルは、平山郁夫美術館の向かいにある「瀬戸田観光案内所」です。
瀬戸田観光案内所から瀬戸田港までは、しおまち商店街の中を通り抜けて約650mほどの距離にあります。自転車を返却後に旅客船で移動したい方は、この瀬戸田観光案内所レンタサイクルターミナルで返してから周辺の観光も楽しみつつ瀬戸田港を目指すのがおすすめです。
今治~生口島の間は景色の良いところも多いおすすめサイクリングコースです!
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瀬戸田港から船に乗る
駐輪スペースや待合所
瀬戸田港に自動車用の駐車場はありません。自動車の場合には、瀬戸田港から200mほど南にある「市営無料駐車場」に停めるのがおすすめです。
自動車やオートバイは、建物の周囲のエリアが駐輪スペースになっていますので、ここに停めることができます。台数は少ないですが、ロードバイク用のサイクルラックも設置されています。
瀬戸田港の建物内はこのように待合所兼交流スペースになっています。ベンチも置かれているので、船の時間までゆっくりと座りながら待つことができますね。
瀬戸田港の待合所の中には、自動販売機や男女別の公衆トイレも設置されています。
切符の買い方
待合所内にある切符の券売機の横には、このように時刻表と料金表が貼り出されています。
先述の通り、「三原港行き」と「尾道港行き」の2つの航路があり、それぞれ時刻表も分かれています。意外と、ダイヤ改正が頻繁に行われる航路なので、最新の時刻表は公式ウェブサイトで必ず確認したほうがいいです。私も何度か「あれ?この間までこの時間の船があったのに」という経験が瀬戸田港~尾道港の航路であります。逆に繁忙期などは臨時便などが増便されることもあります。
三原行きの切符の買い方
これから乗る船が「三原港行き」なのか「尾道港行き」なのかによって、瀬戸田港での切符の購入方法が異なります。事前予約は出来ず、当日の現地で切符を購入するスタイルです。
現在、瀬戸田港から三原港行きの旅客船の切符は、このような券売機で購入することができます。尾道行きの旅客船はこちらの券売機では購入できません。窓口はほとんどの時間で無人なので、何か問合せがある場合には、電話で汽船会社へと連絡する必要があります。券売機の行先は「三原港」か、途中の佐木島にある「向田港」の2か所、大人用か子供用の片道券です。自転車を積載する場合には下にある自転車券も購入ましょう。
尾道行きの切符の買い方
一方で、尾道行きの旅客船に乗る場合は、瀬戸田港で切符を購入するのではなく、船内で購入するシステムです。
先述の三原行きの券売機では購入できないので、切符は買わずにそのまま尾道行きの船に乗船すればOKです。自転車を持ち込む場合、電動自転車を持ち込む場合は、乗車料金に加えて追加料金がかかります。取材時は、自転車持参だと1,300円+500円の計1,800円、電動自転車持参だと1,300円+600円の計1,900円でした。現金支払いのほか、各種交通系電子マネーが使えました。原付バイクなどのオートバイは積載することができません。
乗船の方法
瀬戸田港の建物の裏手の方に、このような桟橋への入り口があります。乗船口という大きな看板もあり、分かりにくくはないと思います。
船の出航時刻が近づくとアナウンスも入りますが、乗船時間の少し前には、桟橋へと行っておいた方がいいかなと思います。三原行きの場合は事前に自動券売機でチケットを購入して、尾道行きの場合はそのまま乗船口へと向かいましょう。
自転車を持参の方は、自転車には乗らず、押して桟橋へと向かいましょう。先述の通り、三原行きの船の場合には、乗船券と別に自転車用のチケットを購入しておきましょう。尾道行きは自転車チケットも船の中で購入となります。
桟橋はこのように横に長い作りをしています。ここのどこに当該の船が着くのかは時間帯などによってことなります。なので、みなさん何となくの場所で待っていることが多いです。見通しがいい桟橋で、そもそも船の便数がそれほど多くないので、あまり心配する必要はないと思います。
桟橋からは黄色い橋が見えます。生口島の向かい側にある小さ目の島、高根島へと渡る「高根大橋」です。桟橋から旅客船はこの黄色い橋の下を通って、三原方面や尾道方面へと向かいます。しまなみ海道の橋が架かる前は、この船が生口島への重要なアクセス航路、つまり玄関口になっていました。まさに生口島を代表する景色のひとつですね。
瀬戸田航路の船舶
瀬戸田港の桟橋には、いくつかの船舶が係留してあります。個人所有の船も申請して受付をすることで、有料で係留することができるそうです。
瀬戸田港~尾道港の航路は、現在、この黄色い旅客船「シトラス号」がメインで使用されています。自転車は後方のスペースに置くような形です。昔ながらのタイプの旅客船で、自転車を載せることを考えられて設計されている感じではありません。
一方で、不定期(土日祝の特定の便)でこの区間の旅客船として運用される「サイクルシップラズリ」はその名前の通り、自転車の大量輸送にも特化した船です。2階のデッキを中心に約50台もの自転車が積載できるそうです。船内では、自転車整備工具の貸し出しや無料wi-fiサービス、モバイルコンセントなども利用できる最新の船ですね。繁忙期でサイクリストが多いシーズンなどはこうした船が大活躍します。
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尾道港
瀬戸田港~尾道港(生口島~尾道)の旅客船は、尾道周辺だと「尾道新浜港」と「尾道港」の2か所に停まりますが、JR尾道駅や尾道の観光スポットが多い市街地には、最終港の「尾道港」が便利です。尾道港は尾道駅前桟橋とも呼ばれ、JR尾道駅まで徒歩5分ほどの立地です。
尾道駅は山陽本線の駅で、ここから新幹線の停まる福山駅までは約20分ほどです。尾道港はしまなみ海道サイクリングや尾道観光の拠点となっていて、観光案内所も含めて様々な施設が充実。千光寺公園展望台などへのアクセスもよく、ここからバスなどで向かうことができます。
尾道港レンタサイクルターミナル
また、尾道港には瀬戸田観光案内所と同じ公共のレンタサイクルのターミナル「尾道港レンタサイクルターミナル」があります。瀬戸田港から尾道港まで船で移動した後に、尾道観光でそのままレンタサイクルを使いたい場合などは、先述の瀬戸田観光案内所で返却せずにレンタサイクルを船で輸送し、尾道観光の後で尾道港レンタサイクルターミナルで返却することもできますね。
この他のしまなみ海道の航路
この他のしまなみ海道のフェリーや旅客船の航路は、こちらのウェブページにまとめました。しまなみ海道サイクリングのショートカットや船旅にぜひご参考になさってください。
瀬戸田港近くの宿泊施設
生口島の特に瀬戸田港の近くには、昔ながらの旅館や民宿がいくつかあります。最近は、しまなみ海道サイクリングのニーズにも対応したゲストハウスや、高級リゾート系の宿泊施設、グランピング施設などさまざまなタイプの宿が続々とオープンしています。瀬戸田港近くのエリアで、しまなみ海道サイクリング向きの宿泊施設をピックアップして紹介しています。
このページでは、しまなみ海道サイクリングでよく利用される生口島~尾道の航路の「瀬戸田港」について詳しくご紹介しました。初心者から上級者まで幅広い方が自転車旅行を楽しめるしまなみ海道のサイクリング情報は以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。