【2022年リニューアル】尾道の新展望台・千光寺公園PEAKを現地取材
尾道散策Tips
尾道は広島県を代表する観光地のひとつで、2022年には千光寺公園展望台「PEAK(ピーク)」がリニューアルオープン。尾道城跡地には千光寺公園視点台がオープンするなど今、大注目の観光スポットです。実際に千光寺公園展望台へ行ってきましたのでレポートしたいと思います。
こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。
初心者ひとり旅でも安全・安心にサイクリングを楽しめるガイドブックを目指して作っているウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。
広島県尾道市
「あれは伊予 こちらは備後 春の風」
尾道にゆかりのある江戸時代の僧侶、物外和尚が千光寺から詠んだと思われる俳句。伊予出身の彼がふるさとの方角を眺めて詠んだこの句は、展望台へと続く文学のこみちに句碑として残されています。
坂の町、尾道の絶景
広島県の瀬戸内海側の東にある「尾道」は、古くから北前船の寄港地として栄えた港町です。急な坂道に古民家が所せましと建ち並び、細い路地が張り巡らされ、古寺も点在する風情ある町並みが有名で、数々の映画の舞台にもなっています。フォトジェニックな撮影スポットも多く、町のあちらこちらで見かける地域猫、尾道ラーメンなどのローカルグルメも旅行者を魅了しています。
世界的なサイクリングロード「しまなみ海道」の広島県側の玄関口としての機能もあり、近年、新しいホテルや魅力的なお店がたくさんオープンしていて、都会からの移住者が多いことでも知られる今、大注目のスポット。瀬戸内海や広島県を代表する観光地として、毎年数多くの旅行者が訪れています。
千光寺公園と尾道水道
尾道の数ある観光スポットの中でも、ほとんどの旅行者が訪れるのが「千光寺公園」です。尾道市街の坂道エリア(山手エリア)のてっぺん付近にあるお寺とその周辺が公園になっています。千年先を照らすと言われる開運のお寺、千光寺。訪れるだけでもご利益がありそうな、尾道を代表するお寺です。
尾道を訪れるほとんどの旅行者が千光寺公園を訪れる理由は、そこからの景色にあります。尾道の旧市街とすぐ目の前にある向島という島(しまなみ海道の島のひとつ)の間は、狭い海になっていて「尾道水道」と呼ばれています。一見すると川かな?と思うほど、穏やかで狭い海峡を、小さい船が頻繁に行き来している様子は、瀬戸内海ならではの景色です。
千光寺公園展望台からの尾道水道
この尾道水道の絶景を眺めるなら、やはり山の上に登るのが正解です。千光寺公園は、この尾道水道の景色を眺める最も有名なスポットとして知られています。歴史ある千光寺のお寺の建物や散策コース、ロープウェイなどもあり観光にはうってつけ。春には夜桜が美しいことでも有名です。
山頂には昔から展望台がありましたが、2022年に現代的なデザインの展望台へとリニューアル。「PEAK(ピーク)」という愛称もつけられて多くの観光客が訪れる話題の必訪スポットになっています。今回、このリニューアルした千光寺公園展望台PEAKに実際に行ってきましたので、その様子をレポートしたいと思います。
せっかく尾道に来たらぜひ千光寺公園展望台へ行ってみてください!
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千光寺公園展望台PEAK
千光寺山ロープウェイ
千光寺公園展望台へアクセスする最も簡単な方法は「千光寺山ロープウェイ」を使うことです。千光寺公園展望台があるのは標高142mほどの山の山頂です。基本的には9時~17時15分までの間、毎時15分おきにロープウェイが出ています(繁忙期などは増えることも)。
千光寺公園へロープウェイで登る場合には、「ロープウェイ山麓駅」から乗り込みます。JR尾道駅からは1.2㎞ほど離れていますので、尾道商店街との観光と組み合わせてアクセスするのがおすすめです。JR尾道駅から路線バス「東行き」で約5分「長江口バス停」で下車すると山麓駅がすぐそこです。駅前からタクシーでもいいですね。
山麓駅のすぐ目の前には、尾道を代表する喫茶店「茶房こもん」もあります。もし、尾道観光に時間があるなら、こうした喫茶店で、名物のワッフルを食べてみるのもおすすめしたいです。大林監督の映画のロケ地にもなった歴史ある喫茶店で、ここにくると尾道に来たなぁという感じがします。しまなみ海道周辺エリアのおすすめカフェはこちらのウェブページにまとめています。
「千光寺山ロープウェイ山麓駅」では、往復チケット(大人700円)または片道チケット(大人500円)を購入できます。千光寺公園の展望台だけを目的にするなら往復チケットが、帰りは千光寺や天寧寺といったお寺や路地を散策しながら下る場合には片道チケットがおすすめです。体力に余裕があるなら、ぜひ帰りはロープウェイではなく歩いて散策してみるといいですよ。なお、このチケットは降りるときにチケットボックスに半券を入れるシステムです。
索道駅 | 千光寺山ロープウェイ山麓駅 |
---|---|
住所 | 尾道市長江1-3-3 |
営業時間 | 9:00~17:15(毎時15分間隔運行) |
運賃 | 大人往復700円、片道500円 |
特徴 | 尾道駅から1kmの場所にあるロープウェイ下側の駅 |
ロープウェイ山頂
毎時15分、あるいは定員に達するとロープウェイが動き出します。観光案内の音声も流れ、後方には尾道の町や尾道大橋などの景色が広がっています。千光寺山ロープウェイは山麓駅を出発して、たった3分で山頂駅へと到着します。
山頂駅を出るとこのようなコンクリート打ち放しの空間が広がっています。千光寺公園展望台PEAKは、2022年のリニューアルとともに、このロープウェイ山頂駅と直結するような設計になりました。以前は展望台まで歩いて行って、そこから階段を登る必要がありましたが、現在はバリアフリー化が進んでいます。
エレベーターで展望台へ
山頂駅を出てすぐ右側にあるこのエレベーターで、展望台へとそのまま上がることができます。車いすでも乗ることができる普通サイズの一般的なエレベーターです。
山頂駅があるのがB1階、地上が1階、展望台が「R」となっています。
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千光寺公園展望台PEAK
エレベーターの扉がオープン
エレベーターで展望台へと上がって、扉が開くとすぐ目の前にこの景色が広がっています。思わず「わぁっ!」と声が出てしまいました。ロープウェイ山頂駅からエレベーター扉オープンまでの間に、尾道水道の景色が見える場所がないので、ネタバレみたいにもならないのがいい感じです。扉が開いて初めて山頂からの景色が目に飛び込んできます。
地上からエレベーターの周りをらせん状に上がっている階段でもここへアクセスできますが、意外と高さがある展望台なのでエレベーターを使うのがおすすめです。
横にとても長い展望台
以前の昭和感があふれる円形の展望台とはまるで違ったデザインになっていました。尾道水道方面に面して、とても横長の通路のようなデザインです。かなり横長なので、観光客が多いシーズンでも景色の写真を撮りやすそうだなと思いました。
夏の結構暑い日に訪れたので、白い展望台が日光を反射して結構インパクトがありました。目の前の柵もかなりシースルー。目の前に景色を遮るものは一切ないので、本当に尾道のパノラミックな風景を一望することができました。展望台には屋根などがないため、雨などの悪天候時には向いていない観光スポットと言えるかもしれませんね。
さて、千光寺公園展望台PEAKからの尾道水道の絶景です。右奥の方には三原市方面、左奥には瀬戸内海は広がっています。
千光寺公園展望台からのパノラマビュー
しまなみ海道サイクリングでも利用する渡船がゆっくりと行き来している様子を、しばらくじっと眺めていました。天気がとてもいい日だったので、向島の奥には因島や生口島などのしまなみ海道の島々が連なっているのがよく見えます。因島大橋などの橋も少しだけ見えました。何度来ても「きれいだなぁ」と感動する景色です。
展望台 | 千光寺公園展望台 |
---|---|
住所 | 尾道市東土堂町20-2 |
営業時間 | 終日解放 |
入場料金 | 無料 |
特徴 | 千光寺山の山頂にある尾道の町や尾道水道を一望できる展望台 |
展望台PEAKの全景
ロープウェイ山頂駅から展望台までエレベーターで昇ったため、千光寺公園展望台PEAKがどんな形をしているのか、その全容がわからないままでした。横長の展望台を奥まで進むと円形の大きなスロープ階段がついていて、こちらからも昇り降りできるようになっていました。順路などが定められているわけではないので、自由に行き来することができます。
円形のスロープ階段から、千光寺公園展望台PEAKを眺めるとこんな感じです。展望台の右下にある屋根は、ロープウェイの山頂駅です。
展望台を降りて下から眺めてみるとこんなモダンなデザインをしていました。千光寺の駐車場に自動車を停めて徒歩で来るルートだとこの景色が最初に目に入ってくると思います。螺旋階段と空中回廊を組み合わせたような形をしていて、青木淳さんという建築家の設計なんだそうです。古いものが多い尾道の町に融合した新しいモノっていう感じがして、とってもかっこいいなと思いました。
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帰りのロープウェイ
千光寺公園展望台PEAKのみが目的地であれば、帰りもロープウェイを使うことができます。行きと同じく、途中にどこにも寄らずに山麓駅を3分で結びますので、千光寺などの観光スポットへ寄る場合は、歩いて降りたほうがいいですね。ロープウェイに乗らずに山頂から徒歩10分くらい下ると千光寺に行けます。
片道チケットとしか購入していなかったけど、やっぱりロープウェイで戻りたいという場合も、山頂駅の券売機で片道チケットを購入できますので、ご安心を。
千光寺公園の周辺
桜の名所としても知られる千光寺公園。春の桜のシーズンは提灯も出て夜桜のライトアップも素晴らしいです。けっこう広い敷地があって、散策をすることもできます。
千光寺公園展望台PEAKのすぐそばにはお土産物やソフトクリームなどを販売している売店があり、多くの観光客の方が休憩をしていました。とても暑い日だったので、瀬戸内みかんソフトクリームが火照った身体にとても沁み込んでいきます。
千光寺公園の敷地内には尾道市立美術館もあり、小林和作や平田玉蘊など尾道にゆかりのある画家さんの作品のほか、企画展などが開催されています。最近では、隙あらば侵入しようとする黒猫ケンちゃんと警備員のおじさんのやりとりがSNSなどで話題となったことでも有名です。
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千光寺公園視点場MiTeMi
もうひとつ、千光寺公園には展望台「MiTeMi」がありますが、こちらはまだまだあまり知られていないかもしれません。ロープウェイ山頂口からはちょっと離れた立地にあります。
「ホテルビューセイザン」というホテルの横、もともと通称「尾道城」と呼ばれたお城の形をした建築物があった場所です。数年前にお城の建物は解体され、「千光寺公園視点場MiTeMi」として生まれ変わりました。
展望台 | 千光寺公園視点場 MiTeMi |
---|---|
住所 | 尾道市三軒家町22-29 |
営業時間 | 終日解放 |
入場料金 | 無料 |
特徴 | 尾道駅の裏山にある尾道の町や尾道水道を一望できる展望台 |
石垣の中にあるこのような階段を登って、お城風の建物があった場所へと出ることができます。
私が訪れたときは、PEAKの方には結構大勢の観光客の方々がいらっしゃいましたが、こちらのMiTeMiでは誰ともお会いしまませんでした。のんびりと尾道水道の景色を楽しみたい方には、こちらの視点場もおすすめかもしれません。
PEAKよりも尾道駅が近く、栗原川方面の住宅街も見えます。とは言っても、尾道水道の景色の角度が変わる程度で、全然違った風景が見られるという訳でもあまりないので、多くの場合はどちらか片方の展望台を訪れれば充分という方も多いかもしれないなぁと思いました。
千光寺公園視点場MiTeMiからの尾道駅
千光寺公園視点場MiTeMiからのパノラマビュー
観光の導線を考えるとロープウェイや千光寺に近いPEAKが人気ですね!
千光寺公園駐車場
ロープウェイや徒歩によるアクセスが一般的ですが、千光寺公園には裏側から回り込むように山頂付近まで一般道「千光寺ドライブウェイ」という道があり、駐車場もあります。しかし、駐車できる台数が少ないため、平日でも満車になってしまうことも多いそうです。自動車や自転車での千光寺公園へのアクセスはこちらのウェブページにてご紹介しています。
このページでは、尾道の千光寺公園展望台PEAKと千光寺山ロープウェイについて詳しくご紹介しました。尾道が起終点となっているサイクリングの聖地「しまなみ海道」サイクリングの情報は以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしていただければと思います。