【25年の変化】しまなみ海道・公共レンタサイクルの貸出台数推移

【タイトル】25年の変化~公共レンタサイクル貸出台数の推移としまなみ海道

しまなみ海道の公共レンタサイクル貸出台数をもとに、一過性のブーム、長い準備期間、急成長、コロナ禍後の変化までを時代背景とともに整理して、私なりに考察してみました。

こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイと申します。今回はいつもと毛色の違うデータ分析レポートです。

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レンタサイクルの貸出数から

しまなみ海道の変化を探る

しまなみ海道の公共レンタサイクルは1999年の開通から、ビギナーを中心に主にレジャーを目的にした旅行者に利用されてきました。その利用状況を示す「貸出台数」は、しまなみ海道がどのように観光地として知られるようになり、変化してきたのかを映し出すとても分かりやすいデータだと思います。

【写真】しまなみ海道レンタサイクル貸出台数:公共のレンタサイクルターミナル
今治糸山にある公共のレンタサイクルターミナル

この記事では、1999年度から2024年度までの公共レンタサイクルの貸出台数データをもとに、その推移を4つのフェーズに分け、各時代に起きていた変化を見ていきたいと思います。増減の理由を一つに断定するのではなく、数字の背景にある流れや役割の変化に目を向けることで、今、そしてこれからのしまなみ海道における公共レンタサイクルについて考えていきたいです。

【画像】しまなみ海道レンタサイクル貸出台数:レンタサイクルは広島県側と愛媛県側で連動
レンタサイクルは広島県側と愛媛県側で連動

なお、今回使うデータは、一般社団法人しまなみジャパン(公式)、愛媛県公式ウェブサイト(自転車新文化推進課)、尾道市公式ウェブサイト、本州四国連絡高速道路株式会社(JB本四高速)などで公開されているものと問合せにより得た情報を私が集約、整理し直したものです。

公開されているデータから、現地しまなみ海道での私の肌感覚とを合わせながら記事にしました。

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公共レンタサイクル貸出数のデータ

しまなみ海道の公共レンタサイクルの自転車貸出数のデータをグラフにしてみました。1999年の開通から、公共のレンタサイクルはその管理者やターミナル、貸出返却システムなどが大きく変わっています。そのあたりの話は、こちらのウェブページにまとめていますが、貸出数の統計情報は1999年から公表され続けています。

各年度の詳しい数値は以下の通りです。

年度貸出台数
199970,010
200044,808
200134,806
200232,162
200331,947
200430,477
200529,896
200635,478
200739,034
200841,926
200952,179
201048,178
201160,949
201274,872
201381,851
2014116,303
2015135,229
2016141,205
2017149,740
2018132,075
2019149,365
202074,928
202170,927
2022121,810
2023127,458
2024135,732

4つのフェーズに分けました

公共レンタサイクルの貸出数の動向と、しまなみ海道の背景について理解するために、下のような4つのフェーズに分けて考えてみます。

【グラフ】しまなみ海道の公共レンタサイクル貸出台数の4フェーズ(1999年から2024年度)

フェーズ①は開通直後の一過性ブームとその反動(1999〜2005年)、フェーズ②は回復の兆しが見え始めた時期(2006〜2012年)、フェーズ③は世界が注目し始めた急成長期(2013〜2019年)、フェーズ④はコロナ禍による影響とその後の回復(2020〜2024年)。それぞれのフェーズで、しまなみ海道の背景を深堀していきたいと思います。

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フェーズ① 1999〜2005年

開通直後の一過性ブームとその反動

しまなみ海道が開通した1999年度、公共レンタサイクルの貸出台数は約7万台を記録しています。新しく開通したルートであるという話題性もあり、ウォーキングやサイクリングで橋を渡れる特徴が注目されました。先行して開通していた瀬戸大橋などと比べても、観光ルートとしての色合いが強かったようです。

しかし、その後の貸出台数は年々減少していき、2005年度には約3万台まで落ち込みます。開通時と比べると、半分以下の水準です。この数字の変化からは、開通直後の高い関心が長くは続かなかったことがうかがえます。

当時のしまなみ海道は、現在のように「サイクリング観光地」としての情報や受け入れ体制が十分に整っていたわけではありませんでした。ルートの魅力や島ごとの楽しみ方が広く知られておらず、サイクリングを軸にしたPRもほとんど無かったようです。物珍しさが一段落すると、利用が急速に減っていったと考えられます。

フェーズ② 2006〜2012年

回復の兆しが見え始めた時期

2006年度以降、しまなみ海道の公共レンタサイクルの貸出台数は、ゆるやかな回復傾向を見せ始めます。2005年度に約3万台まで落ち込んだあと、大きな変化ではないものの、緩やかに増加していきました。2012年度には、開通当時の水準である7万台を超えるまでに回復しています。

この時期は、上級者のサイクリストを中心に、「自転車で四国と本州を行き来できるルートとして知られていた場所」から、「しまなみ海道はサイクリングに向いた良いコースらしい」という認識へと、少しずつ変わっていった段階だったように思います。サイクリングロードとしての整備が徐々に進み、自転車雑誌などのメディアや口コミを通じて、サイクリング愛好家の間で紹介され始めていた時代です。

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フェーズ③ 2013〜2019年

世界が注目し始めた急成長期

2013年度以降、しまなみ海道の公共レンタサイクルの貸出台数は、はっきりとした成長期に入ります。2012年度に約7万5千台だった貸出台数は、2014年度に11万台を超え、その後も増加を続け、2019年度には約15万台に達しました。数字の動きから見ても、この時期が大きな転換点であったことが分かります。

この背景には、しまなみ海道が「日本を代表するサイクリングルート」として広く認知され始めたことがあるように思います。上級者サイクリストだけでなく、旅行メディアやガイドブックなどを通じて、一般の旅行者にも「自転車で走れる観光地」として紹介される機会が増えていきました。

また、自治体やNPOによる自転車地域づくりも活発化し、レンタサイクルの使いやすさやルート案内の分かりやすさなど、初めて訪れる人でも挑戦しやすい環境が整ってきたことも、この成長を支えた要因の一つかもしれません。あわせて、海外からのレンタサイクル利用者に関する統計も、この時期から記録されるようになります。

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フェーズ④ 2020〜2024年

コロナ禍による影響とその後の回復

2020年度、しまなみ海道の公共レンタサイクルの貸出台数は大きく落ち込みます。2019年度に約15万台だった利用は、2020年度には約7万5千台と、ほぼ半減しました。翌2021年度も同水準で推移しており、新型コロナウイルス感染症の影響を強く受けた時期であったことが数字からもはっきりと分かります。

コロナ禍では混雑を避けながら屋外で楽しめるアクティビティとして、サイクリングやキャンプが注目された時期ではありますが、訪日外国人旅行者の動向は貸出台数に大きな影響を与えていたと考えられます。

その後、2022年度以降は回復傾向となり、貸出台数は再び増加していきます。2023年度には約12万7千台、2024年度には約13万5千台まで戻っており、コロナ禍前の水準に近づきつつあります。2022年には公共レンタサイクルがしまなみジャパンによる一体的な運営へと移行し、英語対応も急速に進みました。

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外国人旅行者の急増

近年は、日本を訪れる海外旅行者の急増があり、しまなみ海道もその影響を大きく受けています。

【グラフ】しまなみ海道の公共レンタサイクル貸出台数の外国人・日本人別データ(2012年から2024年度)

こちらは、しまなみ海道の公共レンタサイクル貸出台数の外国人・日本人別データをグラフにしたものです。しまなみ海道の外国人旅行者の増加とその考察についてはこちらのウェブページにまとめましたので、ぜひご参考になさってください。

まとめ

しまなみ海道の公共レンタサイクルの貸出台数を振り返ると、一過性のブーム、長い準備期間、急成長、そしてコロナ禍による大きな変化と、時代ごとの流れがはっきりと見えてきます。数字は決して右肩上がりではなく、その時々の社会状況や観光のあり方を映しながら推移してきました。

近年は、貸出台数がコロナ禍前の水準に近づく一方で、利用者層や公共レンタサイクルに求められる役割も少しずつ変わってきているように感じます。移動手段としてだけでなく、よりディープなしまなみ海道を体験する入口として、公共レンタサイクルの存在感は健在です。

時代的な背景や実際の旅行者の傾向を丁寧に見ていくことが、これからはより大切なのだと思います。私自身も、初めて訪れる人や不安を感じている人にとって分かりやすい情報を、これからも落ち着いた視点で発信していきたいと思います。


このページではしまなみ海道の公共レンタサイクルの貸出台数変遷について紹介しました。初心者でも安心してサイクリングを楽しめるのがしまなみ海道最大の特徴です。しまなみ海道サイクリングの詳しい情報は、以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

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