【イラスト解説】自転車の部分の名前やロードバイクが走る基本的な仕組み
ビギナーサイクリングTips
ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ自転車をこれから趣味にしてみたいなぁ、サイクリングを始めてみたいなぁという方に、ひとつハードルが高く感じるのが「専門用語」ですね。実際に自転車ショップに行ってみたり、すでにサイクリングを趣味にしている方にオススメ情報を教えてもらったり、そんなときに、事前にちょっとでも知っておくと何かと便利な「自転車の各部分の名称」について、必要な部分に絞ってご紹介できればと思います。
こんにちは。しまなみ海道在住のカワイユキと申します。自転車やサイクリングを始めてみたいビギナーの不安や疑問を解決するための情報を、私の体験に基づいてご紹介しています。
初心者でも自転車趣味を安全に安心して始められるガイドブックのようなページを目指して作っている個人ウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。
※自転車を説明したイラストは便宜上、一部を省略して描いています。
自転車の各部の名称
「あれ、あれ、自転車のあの。回るところの調子が最近よくないんですよね…」自転車の各部の名前が分かると、ロードバイクやクロスバイクなどのスポーツ自転車を選ぶ際や雑誌や本を読む際に役立ちます。全て覚えこむ必要はありませんが、「あれ?ディレーラーってなんだっけ?」とか「ハブってどの部分だっけ?」のように思い出せない時があったときに参考にしてもらえたら嬉しいです。
- 自転車のペダルを漕ぐと進む仕組み
- 自転車の主な部分の名称
- 坂道や平地を快適に進むための仕組み
フロントとリア
言うまでもなく「自転車」は、前後にひとつずつの車輪がある二輪車という車両のひとつで、基本的には乗車する人がペダルを漕ぐことによって進みます。200年ほど前にヨーロッパで自転車の原型が誕生して以降、様々な進化を遂げてより効率的に速く遠くへ人力で移動できる乗り物として普及しています。基本的な構造は100年くらいそれほど変わっていないとか。
自転車は前後に2つの車輪がある乗り物なので、同じような部分が前と後ろの両方にあるものが多いんです。それらを区別する時に前側をフロント(Front)、後ろ側をリアまたはリヤ(Rear)と呼びます。例えば、前側にあるブレーキを「フロントブレーキ」、後ろ側にあるブレーキを「リアブレーキ」と呼びます。「フロント○○」や「リア○○」という部分の名称が多いのは、前と後ろの両方に同じような部分があるためです。前提として知っておくといいかなと思います。
具体的な部分の名称
自転車の種類やタイプ、モデルによっても多少異なるのですが、およそステレオタイプな私のイメージで、主な自転車の部分の名前を簡単なイラストにしてみました。細かい部分の名前は数えきれないほどありますが、これから自転車を始めたい方にとっては参考になると思います。
自転車の本体ともいえるのは「フレーム」で、乗車する人や車輪を支える骨格の役割をしています。伝統的なスポーツ自転車ではフレームにスチールの素材のパイプが使われます。特にクロムモリブデン鋼(クロモリ)という鉄合金が普及していました。鉄以外ではアルミニウム素材もよく利用されます。また、高級な素材としてはカーボンファイバーやチタンなどが使われます。素材によって重量やしなり方、強度、溶接や成形のしやすさなどが変わり、速さや乗り心地の良さ、価格などに影響します。
車輪の部分の名称
続いては車輪を見てみましょう。車輪の中心部分は「ハブ」と呼ばれ、車輪の回転をつかさどる重要な部分です。中に小さな金属ボールがたくさん並ぶように入っていて、スムーズにクルクルと回転するような構造になっています。このハブからは車輪の外側「リム」へと「スポーク」と呼ばれる細い金属棒が張り巡らされています。一本一本を適切に張ることで、車輪がぐにゃっと潰れないよう、円形を保つ働きがあります。リムの外側にはゴム製のタイヤを履いています。一般的に自転車のタイヤにはクリンチャータイヤという種類が使われ、内側に風船のようなブチルゴムやラテックスゴムでできた「タイヤチューブ」が仕込まれていて、その中に空気を入れて膨らまています。ちなみに、ハブ・スポーク・リムをまとめて「ホイール」と呼びます。
ギアとチェーンで後輪を回す
現代のほとんどの自転車は後輪を回すことで進みます。前輪は乗車する人が直接回しているわけではなく、支えたりバランスを取ったり、ハンドルと直結しているので方向を操作することに使います。では、ペダルを漕ぐ、踏み込む力はどのように後輪へと伝えられるのでしょう。楽な姿勢で効率的に後輪を回すためにあるのが「ギア」と「チェーン」の組み合わせです。
自転車を漕ぐときにペダルを踏み込むのですが、脚を上下させる動きをクランクという部品で回転運動に変えて「フロントギア」を回します。フロントギアは、後輪に直結した「リアギア」に「チェーン」で繋がっているので、ペダルを踏みこめば後輪が回転する仕組みです。ペダルやクランクが発明される以前の自転車?は、地面を脚で蹴って進むものでした。ちなみに前後両方のギアについている「ディレーラー」は日本語で変速機、つまりチェーン掛替装置のことです。何枚かのギアが用意されているときに、どのギアにチェーンをはめるかを制御しています。
リムブレーキとディスクブレーキ
ブレーキは、先の図ではリムブレーキというタイプのブレーキの位置を示しています。前後輪にそれぞれついていて、ハンドル付近にあるブレーキレバーとワイヤーで繋がっています。リムブレーキは、タイヤのリムを挟み込むようにしてブレーキをかけます。これとは違ったディスクブレーキという、より強力な制動力があり、雨などの悪天候にも強いタイプも最近主流になりつつあります。
スポーツ自転車に乗り始めたころ、泥除けやスタンドが付いていないことに疑問を感じました。より軽くシンプルにするためだったり、競技で着用が禁止されていたりするからなのですが、レジャーや通勤目的なら必要に応じて追加すれば良いと思います。自転車のデザインや素材によっては装着が難しい場合もありますので注意は必要です。
フレームの各部の名前
また、自転車の本体ともいえるフレームは、チューブという中が空洞になっている金属の円柱を繋げてこの形が作られています。フレームの各部分にも名前が付いているので、覚えておくと何かと便利です。
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自転車が楽に走る仕組み
「自転車を漕ぐ」という動作は、詳しく見てみると、ペダルを踏みこむことでフロントギアを回すということをしています。クランクで回転軸とペダルの距離を取ることで回しやすくなっていますし、ここで脚の上下運動を回転運動に変えています。フロントギアはチェーンでリアギアと繋がっているので、フロントギアを回せば、後輪に直結したリアギアを回すことができ、自転車は前進します。
昔の自転車の前輪が大きかった理由
ギアやチェーンが発明される以前の自転車はクランクが前輪に直結していたので、ペダルを一回漕ぐと前側の車輪が一回転する仕組みでした。そのため、車輪が小さいと、前に進むためには細かく何度もペダルを漕ぐ必要があります。少ない回数の回転でより効率的に前に進むために、車輪サイズはどんどん大きくなっていきます。昔の自転車の写真で、前側の車輪だけ異常に大きな自転車を見たことはありませんか?あれは、ギアやチェーンが自転車に搭載されていなかった時代に、ゆったりと漕ぎながら速く前に進むためだったのです。車輪が大きい分、最初の漕ぎだしは特に大変そうですね!
効率的に後輪を回すギアとチェーン
自転車にギアやチェーンが搭載されてから、クランクを一回転させれば、車輪を何回転もさせることができるようになりました。また、歯数の違うギアを組み合わせることで、クランクを一回転させることで車輪を回す回数を調整できます。走り始めや坂道、平坦な道などによってギアを使い分けることで効率的に自転車を前進させることができます。詳しく見ていきましょう。
スポーツ自転車のギアについて、大きなフロントギアで小さなリアギアを回すと、リアギアは何度も回転します(※ギア比と呼ばれる歯数の比率で表されます)。フロントギアが大きくてリアギアが小さいと、進むのに力が必要ですが一回転で進む距離が長くなります。逆に、フロントギアが小さくてリアギアが大きいと、進むのに力は少ないですが一回転で進む距離が短くなります。
ギアの大きさと感覚的イメージ | フロントギア | リアギア |
---|---|---|
より大きい(歯数が多い) | パワーは要るが速く走れる(重い) | 少ないパワーで前進できるが遅い(軽い) |
より小さい(歯数が少ない) | 少ないパワーで前進できるが遅い(軽い) | パワーは要るが速く走れる(重い) |
スポーツ自転車には大きさの異なる複数のギアが装備されており、ディレーラーという変速装置で使うギアを制御します。つまり、坂道ではより小さなフロントギアやより大きなリアギアに切り替えればOK。少ない力で多くの回転させることで、スピードは遅くなりますが登りやすくなります。
ギアの枚数が多いほど、さまざまなパターンで変速が可能であり、坂道を登りやすくすることも、平地でスピードを出しやすくすることもできます。例えば「24段変速」という表現は、前側に3枚、後ろ側に8枚のギアがあることを意味します。坂道の多い町に住んでいる方や、様々な場所へ自転車で行ってみたいと考えている方は、多めのギアが装備されている自転車を探してみるといいと思います。
自転車の仕組みに興味が出てきたら、調べてみると面白いですよ!
自転車で旅に出たくなる本
世界を自転車で旅した旅行記は、数は多くありませんが幾つかの本が出ています。中でも個人的におすすめなのが「石田ゆうすけ」さんという旅人の本です。「行かずに死ねるか!」は7年半かけて世界を自転車で旅した記録を基にしたノンフィクションエッセイです。きっと自転車で旅してみたくなりますよ!
サイクリング入門!自転車の始め方
サイクリングに興味が出てきたり、スポーツ自転車を始めてみたいという初心者・ビギナーの方(特に女子)に向けて、サイクリングを始めるための情報をガイダンス的にまとめてみました。最初は分かりにくい自転車の種類や、サイクリングのスタイル、一緒に準備すべきアイテムやあると便利なアイテム、トレーニングの方法や注意すべきポイントなどを紹介しています。こちらのウェブページをぜひ参考になさってくださいね。