【交通手段】しまなみ海道で自動車と原付バイク、サイクリングはどこを通れる?

2024年12月9日

【タイトル】しまなみ海道の交通手段によるルートや専用道の違い

しまなみ海道は四国~本州を結ぶ橋の道路のうち、最も様々な乗り物で通行ができるルートです。高速道路のほかに、徒歩や自転車、原付バイクでも通行ができる専用道が設置されています。実は乗り物によって、橋への登り口が違ったり、レーンのバリエーションがあります。船やバスの選択肢も。通行する手段によってルートも変わってきますね。

ライター:カワイユキ

こんにちは。しまなみ海道在住のローカルサイクリストのカワイユキと申します。このページではしまなみ海道の道路について詳しくご紹介したいと思います。ぜひ素敵な旅にしてくださいね!

僅かな広告収入と読者の皆様のご支援で取材執筆や維持管理をしています。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いしたいです。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。

しまなみ海道を渡る

様々な交通手段で

瀬戸内海には四国と本州を行き来する橋のルート「本四連絡橋」が3つあります。明石海峡と鳴門海峡を渡る淡路島経由のルート、瀬戸大橋で岡山~香川を結ぶルート、そして広島~愛媛を結ぶ「しまなみ海道」です。それぞれに渡ることのできる交通手段が違い、例えば鉄道で渡ることができるのは瀬戸大橋ルートのみとなっています。

【イラスト】しまなみ海道を含む3つの本四連絡橋の交通手段
3つの本四連絡橋の交通手段

これら3つのルートのうち、しまなみ海道は最も多様な交通手段で行き来できるルートとして知られています。どのルートにもある高速道路のほかに、自転車や125㏄以下の原付バイク・徒歩でも通行ができる専用道路が、しまなみ海道にのみ設置されているためです。

交通手段しまなみ海道児島坂出神戸鳴門
鉄道××
自動車・トラック
オートバイ(125cc↑)
バス
原付バイク(125cc↓)××
自転車××*
歩行者××*
*大鳴門橋には自転車歩行者道を作る計画が進行中。

高速道路と専用道

広島県尾道市と愛媛県今治市に起終点があるしまなみ海道の高速道路には「西瀬戸自動車道」という名前がついています。もちろん、この道路は自動車専用道路なので、一般的な高速道路と同じように125㏄以下のオートバイや自転車・歩行者などの通行や進入は禁止。通行できる車両に制限がかけられています。

【イラスト】しまなみ海道の高速道路と自転車歩行者専用道

125㏄以下のオートバイや自転車・歩行者は、しまなみ海道の各橋の部分に設置された「原付バイク専用道」や「自転車歩行者専用道」を通行することになります。専用道は橋の部分にのみ作られているので、しまなみ海道の6つの島の中では一般道を走行。島から島へと渡るたびに専用道入り口から橋へと昇り降りするイメージです。

【写真】しまなみ海道の交通手段:因島南インターチェンジ
因島にあるハーフインターチェンジ

こうした構造になっているため、交通手段によって橋への入口や出口・走行ルートなどが違います。原付バイクツーリングやサイクリング・ウォーキングの入口はインターチェンジとは全く違う場所にあるので、事前に知らないと分かりにくいと思います。しまなみ海道で、交通手段による道路の違いを詳しくご紹介します。

ナビゲーションのアプリはルートが間違っていたり、設定しなおす必要があったりすることも。

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自動車やオートバイでの通行

西瀬戸自動車道とIC

西瀬戸自動車道は起終点となる西瀬戸尾道ICと今治ICの距離が約59㎞。自動車であればおよそ1時間ほどで渡り切れる距離感です。本州側は山陽自動車道から国道2号バイパスを経由することで、高速道路を降りなくてもしまなみ海道へと入ることができます。一方の四国側は今治小松自動車道に未開通区間があるため、今治ICから先、松山や西条・新居浜方面へは部分的に一般道を通る必要があります。

また、西瀬戸自動車道の経由する6つの島(向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島)には、それぞれ島へと乗り降りできるインターチェンジが設置されています。そのためしまなみ海道の高速道路は本州~四国を通り抜けるだけでなく、途中の島へと降りての観光ドライブコースとしても人気なんです。

分かりにくい島のハーフインター

カーナビやGoogleマップなどのナビゲーションを「自動車」設定にしておけば問題ないかもしれませんが、因島と生口島、大島の3つの島には北と南の「ハーフインターチェンジ」が2か所ある仕組みになっていて初めてだと分かりにくいです。例えば因島北インター、因島南インターのように北と南に1ヶ所ずつのインターチェンジがあり、それぞれ一方向にしか進むことができません。

【イラスト】しまなみ海道で乗ることができるICと降りることができるIC

図の左側は、尾道側から四国方面へ進むときの高速道路へ乗ることができるICと降りることができるICを示しています。右側は逆に四国側から尾道方面へ進むときです。向島と大三島、伯方島の3島にはそれぞれ一カ所ずつしかICが無いので、高速道路から降りることも乗ることもできます。

125㏄以下のオートバイ

先述の通り、高速道路を通行できない125㏄以下のオートバイや原付バイクも、しまなみ海道なら原付バイク専用道で渡ることができます。しまなみ海道の橋、来島海峡大橋・伯方大島大橋・大三島橋・多々羅大橋・生口橋・因島大橋には、原付バイク専用道あるいは原付バイクと自転車の専用レーンの形で道路が整備されています。

橋によっては原付バイクがどこから入ったらいいのか、橋への入り口や分岐が初めてだと分かりにくい箇所がいくつかあります。しまなみ海道がサイクリングの聖地として整備が進められている一方で、原付バイクでの通行は地元の方が多いため、観光用の看板の整備がまだまだ進んでいません。

来島海峡大橋(今治側)

【写真】来島海峡大橋の原付バイク専用道入り口
来島海峡大橋の原付バイク専用道入り口

今治の四国本土と大島を結ぶ来島海峡大橋は、高速道路の両側で自転車歩行者専用道と原付バイク専用道が完全に分かれた構造になっています。来島海峡大橋の原付バイク道への入り口は高速道路の入り口である今治インターチェンジや今治北インターチェンジとは全く別の場所にあるので注意が必要です。

伯方大島大橋(大島側)

【写真】伯方大島大橋の原付バイク入り口
伯方大島大橋の原付バイク入り口

しまなみ海道の大島と伯方島を結ぶ伯方大島大橋は、今治市側から尾道方面に向かう際に、原付バイク専用道の入り口を見逃しがちです。メインルートを尾道方面に向かう場合、自転車歩行者専用道の入り口よりも手前に原付バイク専用道があり、一気に急な坂道を登るような道です。原付バイクルートを示す看板はありますが、伯方大島大橋のすぐ横にあるごみ収集センターが目印です。

多々羅大橋(大三島側)

【写真】多々羅大橋への原付バイク道入り口
多々羅大橋への原付バイク道入り口

同じく今治市側から尾道方面へ原付バイクで向かう場合、大三島側の多々羅大橋入口が分かりにくいです。国道317号線を挟んで、自転車歩行者専用道の入り口と原付バイク専用道の入り口が反対側にあるためです。原付バイクは、道の駅多々羅しまなみ公園に向かって左側の急な坂道を登っていきます。村上三島記念館の駐車場や多々羅展望台へと登っていく坂道が途中で分岐しています。

尾道大橋(尾道)

【写真】尾道大橋への尾道側の登り口
尾道大橋への尾道側の登り口

尾道~向島間の移動は例外的です。尾道市街地と向島の間には、新尾道大橋と尾道大橋という2つの橋が並行して架かっています。尾道大橋は一般道の扱いなので、原付バイクでも通行することができます。尾道大橋の尾道側の入り口は、尾道の市街地の東の端の方にあるので、知らないとたどり着きにくいです。また尾道大橋へのループの途中にはいくつかの分岐があるので、看板を注意深く確認して安全に走行してください。

原付バイク向きの案内看板なども少しずつ、改良・改善されてきています。

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自転車での通行

サイクリングロード

しまなみ海道といえばサイクリング。日本を代表するサイクリングの聖地として世界中から自転車旅行者が訪れています。多彩なサイクリングコースのほか、レンタサイクルなどもとても充実していて、上級者だけでなく初心者の自転車旅行やファミリーサイクリングでも楽しめるように整備が進んでいるんです。

自転車も原付バイクと同じように高速道路を通ることはできないので、それぞれの橋に設置された「自転車歩行者専用道」あるいは「自転車走行レーン」を通ります。橋へと昇り降りする部分にも、坂道の勾配が3%程度になるようにグルグルと回り込むようなサイクリングロードあり。それぞれの島内ではサイクリング推奨コースが設定されている一般道を次の橋へと向かって進んで行きます。

ブルーラインに沿って

しまなみ海道のサイクリング推奨コースには「ブルーライン」と呼ばれる青い線の道しるべが引かれています。今治駅前から尾道への渡船乗り場までの区間で統一のデザインで看板やブルーラインが整備されているので、地図がなくてもサイクリングができる環境と言えますね。

【写真】しまなみ海道の交通手段:サイクリング推奨ルートを示すブルーライン
サイクリング推奨ルートを示すブルーライン

しまなみ海道のそれぞれの島内のサイクリング推奨コースにはバリエーションがあります。尾道~今治間の最短コースはいわゆる「メインルート」と呼ばれていて、道中にある「尾道○○km」「今治○○㎞」という残り距離数の表示はこのメインルートを基準に書かれているようです。一方で島をよりディープに旅行したいという方には「外周コース」というルートも設定されていて、こちらにもブルーラインが引かれています。

メインルート
  • 今治~尾道の最短
  • 案内標識が誘導
  • 完走の基本ルート
外周ルート
  • 島の遠回りルート
  • 景色の良い道が多い
  • 上級者向け区間あり

自転車専用道への登り口

それぞれの橋へと登る自転車専用道の入口は、高速道路のインターチェンジとは違う場所にあることを事前に知っておくといいと思います。専用道の入口へは、サイクリング推奨コースの道しるべ「ブルーライン」がナビゲートしてくれるので、この青い線を頼りに進んで行けばOKです。

【写真】しまなみ海道の交通手段:自転車歩行者道と原付バイク道分岐の例
自転車歩行者道と原付バイク道分岐の例

尾道駅前をスタートしたら渡船で向島へ渡れば、すぐにブルーラインが始まります。もし今治スタートなら今治駅前からブルーラインが引かれているのでそれに従って。自転車歩行者専用道に入ると、一部の橋では原付バイク専用道との分岐があります。看板に従って原付バイク道に入らないようにしましょう。また、分岐での事故にはご注意を。

尾道大橋は非推奨

しまなみ海道のサイクリングロードの向島~尾道の間だけは、橋ではなく渡船を使って渡るのが一般的です。というのも、ここに架かる尾道大橋は路肩や歩道が非常に狭く、サイクリングロードもないため、通行が推奨されていません。渡船は3ルートあり、尾道水道を頻繁に行き来していて運賃も安いのでとても便利です。

やはり、しまなみ海道の旅はゆっくりと景色を楽しめるサイクリングがおすすめです。

徒歩での通行

しまなみ海道のサイクリングロードは歩行者も通行可能となっているので、徒歩やランで渡る場合はサイクリングと同じルートです。サイクリング用の道しるべ「ブルーライン」に沿って行けば、徒歩でも尾道~今治間を行き来することができます。とは言っても、踏破を目指す場合の距離は最短でも70~80㎞もあるため、全て渡り切るのは一般的にかなり過酷です。

【写真】しまなみ海道の交通手段:しまなみ海道のハイライト、来島海峡大橋
しまなみ海道のハイライト、来島海峡大橋

一般的なレジャーとして徒歩でしまなみ海道を渡ってみたいという場合には、今治市街と大島を結ぶ「来島海峡大橋」に焦点を当てるのがおすすめです。来島海峡大橋はしまなみ海道で最も長い4㎞の吊り橋で、これぞしまなみ海道という風景が待っています。今治側のサイクリング拠点施設「サンライズ糸山」あるいは大島側の道の駅「よしうみいきいき館」を起点に、来島海峡を徒歩で渡ってみてください。

【写真】しまなみ海道の交通手段:サンライズ糸山にあるSHIMANAMIモニュメント
サンライズ糸山にあるSHIMANAMIモニュメント

しまなみ海道を行き来しているバスや船を組み合わせて、興味のある一部区間を歩いてみるのもいいですね。因島の土生エリア、生口島の瀬戸田エリア、大三島の宮浦エリアなどの観光スポットが集まっている地域を重点的に散策してみるのもおすすめです。

ウルトラマラソンや長距離ウォーキングが趣味の方も大勢、しまなみ海道を訪れています。

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船やバスでの通行

バス路線と航路図

【イラスト】しまなみ海道の主なバス路線と航路
しまなみ海道の主なバス路線と航路

橋が架かる前は網の目状に航路が張り巡らされていましたが、開通後は高速バスや路線バスがその役目を担うように。とはいえ、瀬戸内海の旅には船旅が似合うんです。穏やかな海を間近に、瀬戸内海の昔から変わらない暮らしを体感できると思いますよ。

主なバスのルート

現在、しまなみ海道の今治~道駅を直接結ぶバス路線はありません。今治~尾道間をバスで移動する場合は乗り継いで移動する必要があります。最もオーソドックスなのは、因島大橋BSで高速バスしまなみライナーと路線バスを乗り継ぐ方法です。

路線 バス路線 特徴 便数/日
因島⇔尾道路線バス因島(土生港)~尾道駅前を結ぶ路線バスです。バス会社3社によって運行されています。18
因島⇔福山シトラスライナー土生港から福山駅前の区間を結ぶ高速バス。バス会社3社によって運行。乗車・降車専用バス停があるのでご注意を。9
松山・今治⇔大三島急行/特急バス今治~大島・伯方島・大三島を結ぶ路線バス。急行は今治発着、特急は今治経由で松山を発着します。14
今治⇔福山しまなみライナー今治~福山を結ぶ高速バスで、尾道市街へは寄りません。乗車・降車専用バス停があるのでご注意を。16

主な船のルート

現在、しまなみ海道の今治~道駅を直接結ぶ航路はありません。途中の島~今治や尾道を結ぶ航路がいくつかあり、旅客船でも基本的には自転車を積載することができます。燃料高騰や人手不足、人口減少などを背景に、便数なども縮小傾向にあるので最新の時刻表や運行状況は必ず公式ウェブサイトでご確認するようにお願いします。

航路 運航会社 特徴 便数/日
尾道⇔生口島瀬戸内クルージング生口島(瀬戸田港)と尾道港を結ぶ高速船です。曜日限定でサイクルシップ・ラズリが運航しています。8
三原⇔因島土生商船因島(土生港)と広島県の三原港を結ぶ高速船。途中、因島(重井港)や佐木島(鷺港)へも寄港します。7
因島⇔今治芸予汽船今治港と因島(土生港)を結び、大島や伯方島、ゆめしま海道の島々にも立ち寄ります。自転車積載NGの便も。4
大三島⇔今治大三島ブルーライン
市営渡船
今治港から岡村島(岡村港)や大崎上島(木江港)に向かう高速船やフェリーが、大三島の宗方港を経由します。6

バス路線や航路はしまなみ海道サイクリングの旅行者によく利用されるものに限ってピックアップしてみました。ここで紹介した以外にも、各島を周回する路線バスや近くの島を渡す渡船などがたくさんあります。

さまざまな交通手段で、しまなみ海道の旅をぜひお楽しみください。


このウェブページでは、交通手段によって違うしまなみ海道の通行ルートについて詳しくご紹介しました。私のこのウェブサイト「しまなみ自転車ツーリングTips」では主に、初心者でも楽しめるサイクリングの聖地、しまなみ海道の情報をまとめています。素晴らしいサイクリングロードと瀬戸内海の風景が待っていますよ!

2024年12月9日ドライブ・バイク

Posted by カワイユキ