【バス輪行】しまなみ海道へ今治からの高速バスに自転車は載せられる?

2024年12月10日

【タイトル】バス輪行!しまなみ海道の高速バスには自転車積載可?

しまなみ海道の高速バスには自転車を積載することができるのでしょうか。鉄道がないしまなみ海道では、自転車を公共交通に載せて移動するには船かバスの選択肢となります。尾道をスタートして今治ゴールのサイクリストの復路にバスを使いたいという方は多いはず。今治から自転車をそのまま積載できるのか、輪行すればOKなのか取材しました。

ライター:カワイユキ

こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。

初心者ひとり旅でも安全・安心にサイクリングを楽しめるガイドブックを目指して作っているウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。

しまなみ海道とバス

片道サイクリング

サイクリングの聖地として有名なしまなみ海道は、広島県尾道~愛媛県今治の島々を通り抜けて瀬戸内海を渡るルートです。サイクリングのコースは、しまなみ海道を渡り切ろうとすると最短でも70~80kmほど。上級者のサイクリストでも往復しようとすると日程がタイトになりがちです。

【写真】しまなみ海道のバス輪行:しまなみ海道サイクリング風景
しまなみ海道を片道サイクリングが人気

自分の自転車を持参してしまなみ海道を訪れるサイクリストから、レンタサイクルを借りて自転車旅を楽しむ旅行者まで、しまなみ海道では今治~尾道間を抜けるワンウェイサイクリングが人気です。公共のレンタサイクルであれば、途中の島や反対側のエリアで乗捨て返却ができますが、自分の自転車の場合は公共交通でスタート地点に戻りたいという方もいらっしゃると思います。

【イラスト】しまなみ海道の主なバス路線と航路
しまなみ海道の主なバス路線と航路

サイクリングでは自転車をそのまま積載できる「船」が便利ですが、残念ながら現在、今治~尾道を直接むすぶ船の航路がありません。今治駅周辺からしまなみ海道・本州方面への公共交通は「高速バス」を使うのが一般的となっています。しまなみ海道をバスで渡る場合は今治駅~福山駅を結ぶ高速バス「しまなみライナー」が最も頻繁に利用されています。

自転車をそのまま積載

2014年から2020年まで、しまなみ海道の今治駅~尾道駅間では「しまなみサイクルエクスプレス」という高速バスがおのみちバス(株)によって運行されていました。尾道~今治間の自転車輸送に特化したバスとなっており、自転車をそのまま積載できる仕様で運用。専用バスの左側半分の座席エリアは自転車専用となっていて、自転車を立ててハングする形で載せることができました。

【写真】しまなみ海道のバス輪行:輪行袋に入れた状態のロードバイク
輪行袋に入れた状態のロードバイク

通常、自転車を鉄道などに載せる際には「輪行」という方法をとります。折りたたみ式の自転車を折りたたむか、自転車の前輪後輪などを外すなどして専用の袋に入れて運ぶ方法です。JRなどほとんどの鉄道会社ではこの自転車輪行について規定が定められていて、ルールの範囲で利用することができます。しかしながら、全国的に高速バスでは輪行状態でも積載NGということが非常に多いのが現状です。

輪行しなくても自転車を運べる「しまなみサイクルエクスプレス」は非常に便利でサイクリストの評判も良かったのですが、社会情勢の影響で惜しまれつつ2020年に運用終了しています。

しまなみ海道の盛り上がりを受けて、サイクルバスが復活することを期待しています!

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輪行できるバス路線

今治駅前発着のバス

しまなみ海道サイクリングを尾道からスタートして、今治駅前でゴール。自分の自転車で片道サイクリングを計画されている方だと、①復路は今治駅からJR四国の鉄道で輪行する、②高速バスで本州方面へ戻る、③船でショートカットするかという選択肢になると思います。

【写真】しまなみ海道のバス輪行:今治駅前のバスターミナル
今治駅前のバスターミナル

今回は今治へ到着後に②の高速バスで本州方面(広島方面)へ戻る場合を考えます。今治駅前のバスターミナルは小規模ながらこのあたりのほとんどのバスが停まるターミナルとなっています。今治駅前のバスターミナルには、高速バスへの自転車積載について以下のような貼り紙が貼られています。

今治~福山しまなみライナーは輪行可

【写真】今治~福山・広島の高速バスへの自転車積載に関する貼り紙

今治駅前から出ている高速バス「しまなみライナー」には、JR福山駅を結ぶ「福山線」と広島市内を結ぶ「広島線」の2つがあります。これらのうち、福山行きのしまなみライナーのみ、自転車を積載することが可能だそうです。もちろん自転車をそのままでは積載できず、持参した輪行袋に収納する必要があります。また、トランクへの積載となるので一般乗客の荷物が多い場合などは運転手判断で積載を断られる場合もあるそうです。

高速バス自転車積載
しまなみライナー 福山線輪行 〇
しまなみライナー 広島線×

長距離高速バスは輪行でも不可

【写真】大阪や東京方面への高速バスへの自転車積載に関する貼り紙

今治駅前のバスターミナルからは、いくつかの長距離高速バスも発着しています。神戸や大阪方面、東京方面、九州福岡方面への長距離バスはいずれも自転車を輪行状態にしたとしても積載することはできないそうです。明確に自転車の積載がNGとなっているので、これらの長距離バスを使って自転車を運ぼうと考えていた方は別の方法を考える必要があります。

長距離高速バス自転車積載
神戸・大阪×
東京(二子玉川・渋谷)×
福岡・北九州×

オレンジフェリー連絡バス

関西方面と愛媛県のアクセスとして、大阪南港~東予港を結ぶ「オレンジフェリー」がよく利用されます。毎晩、大阪愛媛間を行き来していて、夜の間に移動ができるので便利です。自転車を客室まで持ち込むことができるプランなどもあり、サイクリストの利用頻度も高い航路となっています。

【写真】しまなみ海道のバス輪行:新造船「おれんじえひめ」
大阪と愛媛を結ぶオレンジフェリーの船

愛媛県側の東予港は今治市内から約25㎞ほど離れているため、今治駅前~東予港で連絡バスが出ています。しかしながら、こちらの連絡バスには、自転車を輪行袋に入れたとしても積載することができないと明示されています。

東予港~壬生川駅間の無料のオレンジフェリーバスは輪行ができるので、こちらを利用して壬生川駅~今治駅または波止浜駅をJR予讃線の列車へと乗り継ぐ方法があります。自分の自転車を持参の方は、基本的には約25㎞を自走するか、輪行するかの2択となっています。土日祝であれば今治駅~壬生川駅間でサイクルトレインを利用する方法もありますね。

東予港連絡バス自転車積載
今治駅前~東予港×
壬生川駅前~東予港

高速バスのほか、鉄道や飛行機、船などを含めた東京や大阪などの都市部からしまなみ海道へのアクセス方法は、こちらのウェブページにまとめています。高速バス以外のアクセス方法を知りたい場合などにご活用ください。

自転車を配送

【写真】佐川急便のしまなみ海道自転車配送サービスのチラシ
佐川急便の手荷物当日配送サービス

今治駅前のバスターミナルに張り出されている高速バスへの自転車積載ポスターにもあるとおり、事前に自転車配送の手配をしておくという方法があります。佐川急便の「しまなみ海道手ぶらサイクリング」など、現地~自宅の間で専用の段ボールに自転車を梱包することで配送できるサービスがいくつかあります。こうした配送サービスを使うか、バスではなく鉄道へ移動手段を変更するか、というどちらかがおすすめです。

福山行きの高速バス以外には、自転車を積載することが難しそうですね!

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今治から尾道へ移動

因島大橋BS乗り換え

しまなみサイクルエクスプレスが廃止されたことで現在、今治駅前から尾道駅前を直接結ぶ高速バスがありません。今治駅前から尾道駅前までバスで移動する場合には、因島大橋BS(バスストップ)で乗り換えるのが一般的です。今治駅前から因島大橋までは高速バス「福山行きしまなみライナー」、因島大橋BSから尾道駅前までは路線バスで移動します。

【イラスト】しまなみ海道のバス輪行:今治福山しまなみライナーと因島尾道路線バス
今治~尾道乗り継ぎバスの路線図

先述の通り、高速バス「福山行きしまなみライナー」は輪行の状態にすれば自転車の積載が可能です。一方の路線バスは、バス車両によってトランクが狭い場合が多く、積載を断られることもあるそうです。

【イラスト】しまなみ海道のバス輪行:乗り継ぎ便を利用せずに今治尾道間を自転車輪行するベストな方法

面倒ではありますが自転車積載で今治駅前から尾道駅前に行く場合、「福山行しまなみライナー」でJR福山駅まで行き、JR山陽本線に乗り換える方法が考えられます。あるいは、しまなみライナーの停車バス停で尾道駅前に最も近いバス停「向東BS」で下車し、一旦自転車を組み立てて尾道駅まで移動する方法もあります。向島~尾道間は渡船で渡ります。

今治~因島の船

輪行袋に自転車を分解して載せるのが面倒な場合は、今治港から因島の土生港までの旅客船「芸予汽船」を利用する方法もあります。この場合、土生港から尾道までは約20~30kmほどの道のりをサイクリングする必要があります。

【イラスト】しまなみ海道のバス輪行:今治~因島を結ぶ芸予汽船の航路図
今治~因島を結ぶ芸予汽船の航路図

しまなみ海道の全線をふたたび自転車で戻るよりは距離がぐんと短くなるため、しまなみ海道サイクリングの復路としてはよく利用されている航路です。ただし、最近は便数が減ってきていますので時刻表には注意が必要です。しまなみ海道エリアのフェリーや旅客船の航路については、こちらのウェブページで詳しくご紹介しています。

今治駅周辺の宿泊施設

【写真】しまなみ海道のバス輪行:JRクレメントイン今治
JRクレメントイン今治

尾道をスタートするしまなみ海道サイクリングでは、今治に到着後に一泊し、翌日に高速バスなどで移動するという方もいらっしゃると思います。バスターミナルや鉄道の駅がある今治駅周辺エリアがやはり便利です。サイクリングの道しるべとなる「ブルーライン」の線を辿ってくると今治駅前に着くようになっています。今治駅周辺にはサイクリングのニーズに対応したサービスを提供している宿泊施設がいくつかありますので、こちらのウェブページでご紹介しています。


このウェブページでは、今治発のしまなみ海道方面のバスに自転車を載せられるかどうかについて詳しくご紹介しました。私のこのウェブサイト「しまなみ自転車ツーリングTips」では主に、初心者でも楽しめるサイクリングの聖地、しまなみ海道の情報をまとめています。素晴らしいサイクリングロードと瀬戸内海の風景が待っていますよ!

2024年12月10日交通・アクセス,バスの路線

Posted by カワイユキ