【航路完全ガイド】しまなみ海道のフェリーや旅客船情報とサイクリングへの活用方法
しまなみ海道サイクリングに便利なフェリーや旅客船、高速船の航路を紹介しています。しまなみ海道を半分だけサイクリングするハーフライドやゆめしま海道サイクリング、今治や尾道から途中の島々へ船で移動する方法など、事前に知っておくと役に立つかもしれません。東京や大阪などの都市から、しまなみ海道の玄関口である尾道や今治へとアクセスするフェリー航路も紹介します。
こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。しまなみ海道は初心者の方でも自分のレベルに合った情報をもとに準備すれば大丈夫!自転車でゆっくり旅する魅力をお伝えします。
初心者ひとり旅でも安全・安心にサイクリングを楽しめるガイドブックを目指して作っているウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。
しまなみ海道を船で旅する
瀬戸内の大切な交通
「しまなみ海道」 は愛媛県と広島県にまたがる島々を結び瀬戸内海を渡る海の道。 本州から四国へと橋で渡るルートで唯一、サイクリングロードが整備されており、初心者から上級者まで自転車旅行を楽しめる「サイクリングの聖地」とも呼ばれ、今注目のエリアです。6つの島々を橋で紡いでいくアイランドサイクリングは、船を組み合わせると楽しみ方がグッと広がります。
しまなみ海道が全線開通したのは1999年のこと。それ以前はほとんど全ての島々を網の目状にフェリーや旅客船の航路が張り巡らされていました。まさに船は瀬戸内海の一番大切な交通手段でした。
しまなみ海道が開通した後は、交通が自動車での移動にシフトし、高速バスや路線バスがその役目を担うようになってきています。時代の流れとともに、離島以外のしまなみ海道の島々では、船の航路や便数はだいぶ減っており、ちょっと不便だなと感じることもあるかもしれません。
とはいえ、瀬戸内海の旅に船旅は似合います。しまなみ海道にサイクリングで訪れた際には、ぜひフェリーや旅客船に乗って船の旅も楽しんでいただきたいです。
- しまなみ海道の主な航路と航路図
- しまなみサイクリングでのフェリー活用方法
- しまなみ海道の船に自転車は載せられる?
穏やかな海を間近に、瀬戸内海の昔から変わらない「船がある暮らし」を体感できると思います。
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サイクリングに便利な航路
しまなみ海道の今治~尾道の移動や島々の移動は、徐々に船からバスへとシフトしてきています。ですが、しまなみ海道サイクリングで自転車を自由に積載できる移動手段としては、船がベストです。やはり、バスに積載するときには分解して輪行袋という専用の袋に入れる必要があるなど、手間がかかります。フェリーや旅客船はその点、自転車をそのまま積載することができ、自転車旅行と相性ばっちりな公共交通と言えます。
今治~因島
芸予汽船 今治港と土生港を結び、大島の友浦港や伯方島の木浦港、上島町ゆめしま海道の島々(岩城島、佐島、弓削島、生名島)に寄港する快速船です。1日 8便程度 4便、今治港と土生港を70分程度で結びます。フェリーではないので、クルマの積載は不可。自転車積載ができない便が1日に2便あるので、自転車を載せる予定の方はご注意ください。<詳細はこちら>
※芸予汽船の航路は2024年4月1日に大幅に減便され、時刻表が改定されました。
今治~大三島
大三島ブルーライン / 市営渡船 今治港から岡村島や大崎上島に向かう高速船やフェリーが、大三島の宗方港に寄港します。大三島ブルーラインは、フェリーなのでクルマや自転車の積載OK。市営渡船はフェリー「第2せきぜん」と旅客船「とびしま」の2種類があり、旅客船「とびしま」は自転車10台まで積載スペースにそのまま載せることができます。今治港から宗方港へは1日6便程度です。<詳細はこちら>
生口島~尾道
瀬戸内クルージング 生口島の瀬戸田港と尾道港を結ぶ高速船です。途中、因島の重井港や佐木島の須ノ上港に寄港します。旅客船なのでクルマの積載はできませんが、自転車はそのまま載せることができます。曜日限定でサイクルシップ「ラズリ」という自転車積載に特化した船が運航しています。1日8便程度運航しています。<詳細はこちら>
因島~三原
土生商船 因島の土生港と広島県の三原港を結ぶ旅客船です。フェリーではないので、クルマは積載できませんが自転車はそのまま積載できます。途中に因島の重井港や佐木島の鷺港へ寄港します。三原港と三原駅は徒歩5分程度の距離で、新幹線や山陽本線と組み合わせて移動できます。1日12便程度運航しています。<詳細はこちら>
大三島~大久野島~忠海
大三島フェリー 大三島の北側にある盛港から、大久野島を経由して広島県側の忠海港を結ぶフェリーが大三島フェリーにより運行されています。大久野島は、ウサギの島としても知られ、近年、観光スポットとして世界的に注目をされている島です。キャンプ場や国民宿舎などもある大久野島へアクセスするにはこの船を利用する事になります。<詳細はこちら>
れぞれの航路の時刻表や運賃は、割と頻繁に変更されるので、各運航会社の公式ホームページを確認するようにしてください。自転車を積載する場合には、切符売り場で、乗船券のほかに自転車積載チケットを購入します。
尾道~向島間の渡船
尾道の本州陸地部と向島の間にある尾道水道には3つのフェリー(渡船)の航路があります。しまなみ海道サイクリングでは尾道大橋は狭いため自転車の通行が推奨されておらず、ほとんどの旅行者がこれらの渡船を利用しています。
どの渡船も始発と最終の時間が決まっているだけで、頻繁に尾道~向島の間を行き来しているので、一般的なサイクリングの時間帯であれば時刻表を気にする必要はありません。ブルーラインとフェリー乗り場の案内看板に沿って乗り場へとたどり着いたら、船が来るのを少し待ってみてください。
渡船 | 尾道駅前渡船 | 尾道渡船(兼吉の渡し) | 福本渡船 |
---|---|---|---|
港 | 駅前~富浜 | 土堂~兼吉 | 土堂~小歌島 |
特徴 | 今治側からメインルートを走ってくると、ブルーラインによって誘導されるのがこの渡船。 | NHK連続テレビ小説「てっぱん」のロケ地にもなった渡船。駅からは最も離れています。 | 【ご注意】2025年3月末をもって福本渡船は廃止されることが発表されました。 |
尾道駅前渡船、福本渡船、兼吉渡しの3つの航路の乗り場や料金、時刻表といった詳細。自動車やオートバイ、自転車の積載ができるかどうかなどはこちらのウェブページで詳しくご紹介しています。
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船に自転車は載せられる?
しまなみ海道には、クルマやトラックを積載できる「フェリー」と、人や小型の荷物を運ぶだけの「旅客船」の航路があります。自転車を積載する予定の場合には、乗ろうとしている航路の船が「フェリー」なのか「旅客船」なのかを確認しておきましょう。
フェリーに自転車を載せる
「フェリー」の場合には、クルマやトラックを積載するスペースの両サイドに自転車を載せてもらえることが多いです。台数が多くなると自転車を重ねておくことになるので、自転車フレームなどに傷がつくのが嫌な方は、フレームカバーなどを用意しておくといいです。旅客船と比べてスペース的には余裕があるので、ゴールデンウィークや余程の大人数グループでなければ、積載を断れることはレアケースと言えるでしょう。
旅客船に自転車を載せる
一方、「旅客船」の場合には、おおむね自転車を積載するスペースは狭いことが多いです。しまなみ海道のサイクリングで使われることが多い航路の旅客船では、だいたい5~10台分くらいしか載せることができないという印象。今治~大三島を結ぶ旅客船「とびしま」や生口島~尾道の「ラズリ」などは、自転車を積載することを前提にスペースが作られているので積載しやすいです。
今治~因島を結ぶ芸予汽船の一部の便など、自転車を積載することができない便もあります。乗ろうとする航路が、自転車積載OKかは、基本的には運賃表に自転車料金が書かれているかどうかで判断できます。もちろん電話等で確認すると確実です。フェリーの船長さんと話したことがありますが、ゴールデンウィークなどの大型連休などは、自転車積載の台数が多すぎる場合には、安全面から積載をお断りするという判断をすることもあるそうです。
船への車両の積載
しまなみ海道エリアの主な航路について、自転車や自動車、オートバイ、原付バイクなどの車両の積載の可否をまとめてみました。自転車はほとんどの船に積載できますが、自動車やオートバイが載せられるフェリー航路はしまなみ海道ではとても少ないというのが現状です。
航路 | 船タイプ | 自転車の積載 | 自動車・バイクの積載 | 原付バイクの積載 |
---|---|---|---|---|
今治~大島・伯方島・上島町~因島 | 旅客船 | 〇(不可便あり) | × | × |
今治~大三島(旅客船) | 旅客船 | 〇(10台まで) | × | × |
今治~大三島(フェリー) | フェリー | 〇 | 〇 | 〇 |
生口島~尾道 | 旅客船 | 〇 | × | × |
三原~因島 | 旅客船 | 〇 | × | × |
大三島~大久野島~忠海 | フェリー | 〇 | 〇 | 〇 |
電動系自転車の積載
最近、増えてきた電動系の自転車では旅客船への積載ができない場合があります。原付バイク扱いとなる電動自転車や電動キックボード、あるいは電動アシスト自転車は、「自転車積載OK」の旅客船でも積載を断られる可能性があります。こうした新しい自転車については規定などで明確に定められていない航路も多く、現場判断で積載を断られることもあると思います。
船に自転車を積載する予定の方は、事前に必ず確認をしましょう♪
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団体で船を貸切る
個人旅行では難しいかもしれませんが、団体・グループのしまなみ海道サイクリング旅行であれば、船をチャーターする(貸切る)という方法もあります。定期航路には無いルートを運航できたり、船によっては海上パーティーなどもできたりします。株式会社しまなみが運航している「サイクルシップしまなみ」など、自転車旅行のニーズに特化した貸切船も登場し、新しいしまなみ海道サイクリングの楽しみ方として注目されています。
貸切船 | 運航会社 | 特徴 |
---|---|---|
サイクルシップしまなみ | 株式会社しまなみ | 自転車を15~20台程度積載できる旅客船 |
サイクルシップラズリ | 瀬戸内クルージング | 約50台の自転車が積載できる旅客船 |
夢運便 | 三光汽船 | 旅客定員最大300名のフェリーを貸切 |
しまなみ海道で一番有名なガイドブック
しまなみ海道サイクリングで最も有名なガイドブックといえばこの『しまなみ島走BOOK』。何度も改訂版が出されていて、しまなみ海道を旅する多くの旅行者がプランニングの参考にしています。最新版をチェックしてぜひ事前にお取り寄せを!
つづいて、しまなみ海道サイクリングへの船の活用法を、具体的に紹介していきます♪
船を使ったサイクリングプラン例
しまなみ海道サイクリングで、フェリーや旅客船を取り入れたプラン例をご紹介します。島にもターミナルがある公共のレンタサイクルを利用する人は、島で自転車を借りたり返したりすることができますし、船に自転車も載せて移動した先でも引き続き同じ自転車でサイクリングを続けることもできます。
ハーフウェイサイクリング
しまなみ海道の南側半分だけをサイクリングするプランには、船を活用しましょう。今治~尾道の全行程80㎞近くを走り切るのは難しそうという方や、余裕をもってのんびりとサイクリングを楽しみたい、1日だけで気軽にサイクリングを楽しみたいという方におすすめなプランです。
今治でレンタサイクルを借りて、生口島(瀬戸田)をゴールに設定。瀬戸田港から尾道に旅客船が運航されているので、ゴール後はこの船で尾道へと向かいます。ちょうど全長の半分くらいの距離になるので一日じっくりと島々をめぐることができます。 尾道に一泊して、また瀬戸田に戻って残りのハーフライドを再開ということも可能です。
本州に近い向島や因島よりもより田舎感が強い四国寄りのエリアはサイクリングで走りやすく、風景も素敵なルートが多いので初めてのサイクリングでも「これぞしまなみ海道」といった風景を楽しめると思います。また、生口島の瀬戸田港近くは、耕三寺や平山郁夫美術館、しおまち商店街、向上寺など見どころも多いので、船の出航まで時間がある場合に観光してみるのもいいですよ。
JR今治駅サイクリングターミナル===大三島・伯方島・大三島・生口島===瀬戸田観光案内所レンタサイクルターミナル・・・瀬戸田港・・・[快速船]・・・尾道
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ゆめしま海道サイクリング
愛媛県上島町の4つの島々を橋で渡るルート「ゆめしま海道」の島々を巡るサイクリングプランに、船の利用は必須です。「ゆめしま海道」は岩城島、生名島、佐島、弓削島という4つの島々からなり、しまなみ海道の島々とは橋で繋がっていないので、今治港や因島の土生港、生口島の洲江港から船で渡ります。
船でしか行くことができないゆめしま海道の島々には、しまなみ海道の島々とはまた違った雰囲気があります。青いレモンの岩城島、Uターンブルーラインがある佐島、巨石メンヒルが残る生名島、かつて京都東寺の荘園だった弓削島など上島町の島々も個性豊かです。島の特徴を活かした素敵なカフェやパン屋さん、レストラン、ゲストハウスなども点在しています。
島々をつなぐ橋は、しまなみ海道の橋と比べると小さめで、島のサイクリングルートのアップダウンもそれほど難易度が高くないので、サイクリング初心者でも自転車旅をしやすいエリアだと思います。「上島町レンタサイクル」は上島町で独立しており、しまなみ海道のレンタサイクルターミナルでは返却等ができませんので注意してください。ゆめしま海道のサイクリングについてはこちらのウェブページで詳しく紹介しています。
今治港・・・ [快速船]・・・ 弓削港 せとうち交流館===弓削島・佐島・生名島・岩城島===立石港・・・[渡船]・・・因島土生港・・・[路線バス]・・・尾道
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大三島&生口島サイクリング
しまなみ海道サイクリングで訪れる島々のうち、観光の面で人気の高い大三島と生口島を重点的に楽しむサイクリングプランには、バスと船を利用します。大三島には全国的にも有名な大山祇神社があり、その参道周辺にはグルメスポットもあります。生口島はレモン栽培の島として有名で、しおまち商店街周辺ではレモンケーキやジェラート、レモネードなども楽しめます。短めの距離ながら海の近くを走ることができ、美しさが人気の多々羅大橋も渡れます。
レンタサイクルを借りる場合には、今治駅前からは大三島へは路線バスを使うのがいいです。大三島へは今治港から宗方港への航路がありますが、宗方港周辺にはレンタサイクルターミナルがありません。この場合は、今治駅や今治港のレンタサイクルターミナルで自転車を借りてから、船に自転車を積載して運ぶ必要があります。生口島の瀬戸田からは尾道へ船で向かいます。船を活用すること、島をじっくり楽しむことができそうでう。
今治駅前・・・[バス]・・・大三島BS・上浦レンタサイクルターミナル===大山祇神社===しおまち商店街===瀬戸田観光案内所レンタサイクルターミナル・・・瀬戸田港・・・[快速船]・・・尾道港
つづいて、船を活用してしまなみ海道へアクセスする方法をご紹介します♪
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四国への主なフェリー航路
しまなみ海道の起終点となる広島県尾道市や愛媛県今治市へ直接来る長距離フェリーは現在ありません。しまなみ海道を訪れるサイクリストに最もよく利用されているのは、大阪南港から愛媛県西条市の東予港への深夜長距離フェリー「オレンジフェリー」です。オレンジフェリーにはサイクリスト向けのプランなどもあります。
最近は、四国4県にサイクリングルートが整備が進んでおり、普段からサイクリングを楽しむ愛好家のなかには、四国一周サイクリング旅行に挑戦する方もいます。関東方面からだと東京~徳島のフェリーもあります。
航路 | 運航会社 | 特徴 |
---|---|---|
大阪南~東予 | オレンジフェリー | 両方の港を毎晩出港し早朝に到着。東予港~今治駅前は連絡バスあり。 |
広島~松山 | 瀬戸内海汽船 | 広島~松山を呉経由で結ぶフェリーと高速船。フェリー1日10便。 |
柳井~松山 | 防予フェリー | 山口県の柳井港~松山三津浜港を結ぶフェリー。1日10便程度。 |
小倉~松山 | 松山・小倉フェリー | 両方の港を毎晩出港し早朝に到着。 |
別府~八幡浜 | 宇和島運輸フェリー | 大分県の別府港~愛媛県の八幡浜港を結ぶ。1日6便。 |
臼杵~八幡浜 | 宇和島運輸フェリー オレンジフェリー | 大分県の臼杵港~愛媛県の八幡浜港を結ぶ。2つの運航会社がそれぞれの時刻表で運航。1日計14便程度。 |
佐賀関~三崎 | 国道九四フェリー | 四国と九州を結ぶ最も短い航路。大分県の佐賀関港と愛媛県の三崎港を結ぶ。1日11便。 |
和歌山~徳島 | 南海フェリー | 和歌山と徳島を2時間で結ぶフェリー。1日9便程度。 |
東京~徳島 | オーシャン東九フェリー | 東京~福岡県の新門司港を結ぶフェリーが徳島に寄港。毎晩出航。 |
中~長期の旅行であれば、九州旅行や四国旅行としまなみ海道サイクリングを組み合わせることもできます。基本は公共交通やレンタカーで旅をして、しまなみ海道だけレンタサイクルを借りて旅をします。しまなみ海道からその周辺には、松山・道後や高知・四万十、高松とアートな島々、八幡浜から九州に渡れば別府や由布院の温泉地、阿蘇など魅力的な観光地の数々が広がっています。
サイクリングマップ
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しまなみ海道では、便利なレンタサイクルとフェリーや旅客船なども上手に活用して、サイクリングを満喫していただけたらと思います。しまなみ海道サイクリングの詳しい情報は、以下のページにまとめておりますので、ぜひ参考にしてください。