【初心者向け】しまなみ海道サイクリングを徹底解説


こんにちは。しまなみ海道在住のサイクリスト・カワイユキと申します。このページでは初心者の女性ひとり旅でも楽しめる「しまなみ海道サイクリング」の魅力と計画に役立つハウツーを網羅的に解説しています。
初心者ひとり旅でも自転車旅行を楽しめるガイドブックのようなサイトを目指して作っている個人ウェブサイトです。私の記事がもしお役に立ちましたらサポートをお願いします。なお、業者様からの掲載依頼はお断りしています。
瀬戸内しまなみ海道
瀬戸内の島へようこそ
瀬戸内の穏やかな海、のんびりとした時間の流れるどこか懐かしい景色の島々を時速15~20㎞というクルマでは味わえないスピード感で旅してみませんか。次々と展開する島々を自分の力で駆け抜けていく爽快感は、しまなみ海道サイクリングの大きな魅力です。

本州~四国ルートのうちで唯一、自転車で渡ることができる「しまなみ海道」。自転車で島を散策するという独自の観光スタイルに着目して、地域づくりやサイクリング環境の整備が進められています。そのため、普段からロードバイクなどの競技用自転車を愛好している上級者だけでなく、自転車旅行が初めてという方でも気軽に楽しめるという特徴があります。

しまなみ海道では芸予諸島と呼ばれる島々を次々と渡っていきます。造船とタオルの今治をスタートすると、石切りの大島、塩づくりの伯方島、大山祇神社の大三島、レモンの生口島、お好み焼きの因島、イチジクの向島。そして猫と坂道の街・尾道。こうした個性的な島々が旅を彩ります。自転車でのんびりと、農村・漁村の風景に心癒される旅です。

島々に架かる橋もしまなみ海道の魅力のひとつ。吊り橋や丸い橋、三角の橋など一つ一つ趣が違います。これほどたくさんの巨大な橋を自転車で渡れるのは世界的にも珍しいそうで、世界7大サイクリングロードや国指定のサイクルルートに選ばれるなど国内外から注目されています。
※瀬戸内しまなみ海道という名前は1996年に公募で決まった愛称です。
無理のないプランを
初めての自転車旅行を楽しく快適で安全なものにするには「事前の準備」がとても大切です。

服装や持ち物といったモノ的な準備はもちろん、自分のレベルに合わせた無理のないプランを立てること。余裕があれば気ままに寄り道したり路地裏に入ってみたりといった自転車ならではの旅ができます。
初心者にも推せる自転車旅
安心のサイクリングサポート
初めてのサイクリングでも推せる しまなみ海道は初心者でもOKです。レンタサイクルを借りて初めて長距離に挑戦する方、観光サイクリングの方、女性ひとりの方も多いのが特徴です。公共レンタサイクルは乗捨てができるので片道サイクリングが可能。途中リタイヤしやすいポイントやトラブル対応などを確認しておけば、自転車にはあまり乗らないという方でも大丈夫なんです。

地域の人によるサイクリングサポート 沿道には「サイクルオアシス」という休憩ポイントが点在。地元の方々がボランティアで休憩場所を提供、トイレも借りられます。パンクなどのトラブルには「島走レスキュー」のほか、民間業者の出張修理サービスも続々と登場。安心してサイクリングを楽しむ環境が整っています。
- 10の貸出返却所
- 乗捨てシステム
- スポーツ自転車
- 無料休憩スポット
- 100ヶ所以上
- トイレや工具の貸出
- 迷わない路面標示
- 地図看板や標識充実
- 初めての道でもOK
- 島走レスキュー
- サイクルセイバー
- 民間の出張修理
しまなみ海道のブルーライン しまなみ海道のサイクリング推奨ルートには道路端に「ブルーライン」というガイドラインが引かれていて、今治や尾道といった目的地へナビゲート。分岐には地図看板もあるので、初めての道でも迷うことなくサイクリングができるようになっています。
初心者向けの情報ページです
ネット上にはしまなみ海道サイクリングの上級者~初心者向けの情報が混在。自分の旅の楽しみ方や自転車の熟練度に合っていない情報を参考にすると、思いがけず厳しい旅になってしまうことも…。このウェブページでは、何かと不安なことが多い初心者の女性ひとり旅をイメージして情報を整理しています。
- 初心者で完走を目指すなら2日以上
- 自分のレベルに合った適切な情報を
- のんびりと瀬戸内海の島を旅しよう

情報量が多いですが、初めてのしまなみ海道サイクリングで役立つ情報を解説します。
サイクリングロード
高速道路と自転車専用道

自転車は実際にどこを走るのか 来島海峡大橋と伯方大島大橋、大三島橋、多々羅大橋、生口橋、因島大橋のそれぞれの橋には高速道路とは別にサイクリングロードが設置されています。つまり橋の上だけで高速沿いの自転車専用道を走行。それぞれの島では一般道を通ります。橋までの上り坂は自転車でも登りやすいようい3%程度の傾斜になるように設計されています。
自転車道についてのクチコミひとつひとつの橋まで思っていたより長く登るのが大変でした。
自転車が走れる道は看板が案内しているので、見逃さないように注意。
ぐるぐる回る道が楽しく、橋が見えるとテンションが上がる。
サイクリングルート
しまなみ海道サイクリング推奨ルート それぞれの島内の一般道では、レベルや興味に合わせてルートを選ぶことができます。基本となるメインルートだけでなく外周コースという周遊ルートもあり、どちらの道路にもブルーラインの道しるべが引いてあります。

メインルートには「尾道 Onomichi ○㎞」「今治 Imabari ○㎞」のようなペイントがあり、基本的には最短コースです。一方で外周コースには「外周コース Island explorer」と表示されています。外周コースは距離こそ延びますが海沿いや隠れビーチなどの絶景が点在していて、リピーターが多い理由になっています。
- 今治~尾道の最短
- 案内標識が誘導
- 完走の基本ルート
- 島の遠回りルート
- 景色の良い道が多い
- 上級者向け区間あり
島によってはメインルートと外周コースで距離や難易度がかなり違う場合があることに注意が必要です。メインルートを外れる際は上級者向けでないかどうかだけは確認しておきましょう。
向島~尾道間は例外
尾道大橋は渡らず渡船で しまなみ海道のサイクリングロードの向島~尾道の間だけは、尾道大橋ではなく渡船を使って渡るのが一般的です。その理由や尾道大橋の状況はこちらにまとめています。
しまなみ海道のルート&スポットマップ
Googleマイマップで、女性ひとり旅をイメージして私なりのしまなみ海道サイクリングのオススメルートやスポットをまとめてみました。アップダウンが最も少ない最短ルートのほか、初心者でも寄り道しやすいオプション的なルートも引いています。
Googleマイマップの地図はスマホやタブレットのGoogleマップアプリで表示させられます。またサイクルコンピュータなどのナビゲーションに使えるGPXファイルも公開しています。
ルートについてのクチコミ外周コースに入った途端に自転車も車も少なくなり、景色を独り占めできました。
ブルーラインと地図の看板があるから迷わずに尾道まで行けました。
水軍スカイラインという道に間違って入ってしまい、坂だらけで大変だった。
自転車の通行料金
しまなみ海道サイクリングは通行無料 しまなみ海道の高速道路は料金が日本屈指に高い区間のひとつと言われています。一方で自転車は、2014年から「しまなみサイクリングフリー」として地元企業などがスポンサーにつくことで、橋の通行料金が無料となっています(向島~尾道の渡船は有料です)。

以前の通行料金 「しまなみサイクリングフリー」の契約の都合で「○年○月○日まで無料」という看板がよく出ていますが、これまでは2014年の開始から1~2年ごとに途切れずに延長しています。無料化以前は硬貨やチケットを料金箱に入れるシステムでした。
ガイドブック・地図
しまなみ海道のガイドブック スマートフォンの地図アプリも便利ですが、サイクリングに特化した紙の地図があると何かと役に立ちます。旅が終わってしばらくしてから、地図を見返すと風景や旅の思い出がよみがえってきて良いんですよね。

しまなみ海道のフリーマップ しまなみ海道のレンタサイクルターミナルや観光案内所にはフリーマップや冊子が置いてあります。シンプルな地図なので、自分で調べた情報などを書き込むといいです。ふらっと気ままに旅をするならフリーマップで十分ですが、しっかりと計画を立てて失敗のない旅にしたい方は有料のガイドブックや地図を事前に取り寄せましょう。
推しガイドブックをチェック♪
ガイドブック島走BOOKシリーズ 超定番ですがやはり「しまなみ島走BOOK」シリーズは推しです。自転車で世界一周した地元のサイクリングガイド・宇都宮一成さんという方が書かれている自転車旅行者目線の本格的なガイドブックや地図で、たびたび改訂版も出ています。書店にはなかなか出回っていないのですが、Amazon.co.jpで出版元から購入できます。しまなみ海道サイクリングに興味を持ったらまずは最新版を手元に取り寄せておくといいですよ♪

自分で計画するのが好きな人は『しまなみ島走BOOK』、計画が苦手な人には『しまなみ島走PLAN』がおすすめです。
距離や所要時間
スタート・出発地点
しまなみ海道サイクリングのスタート しまなみ海道を全て走り抜く計画の場合の出発地点は「尾道駅」または「今治駅」。実際にしまなみ海道を訪れた旅行者のブログやSNSを見ると、尾道を出発地点に選ぶ方が多い印象です。住んでいる場所からのアクセスや前後の旅行の予定などで、おのずと決まってくるかもしれませんね。

今治(愛媛)出発がおすすめ しまなみ海道サイクリングの有名なガイドブック『しまなみ島走BOOK』には、今治を出発した方が追い風の恩恵をうけやすい記述があり、他のウェブサイトでも今治スタートがおすすめという記述をよく目にしますが、これには私自身の体験からもとても賛同できます。
しまなみ海道の風向き

しまなみ海道の風向き 自転車にとって向かい風は、ずっと坂道を登っているのと同じくらい辛いもの。注意すべきは風の通り道に遮るものがあまりない豊後水道や関門海峡を通ってくる西の風。こうした強い西風の日は尾道スタートだと向かい風で大変!初心者の方でしまなみ海道完走に挑戦するならば、風向きを考慮するとやはり今治スタートがおすすめかな、と思います。

サイクリングロード自体は双方向に対応しているので、どちらスタートでもOKです。
完走目標なら2日以上で
しまなみ海道サイクリングの日程 しまなみ海道縦断の最短ルートは70~80kmほど。初心者の方でも1日で走り切れない距離ではないですが、ただ走るだけの旅になりがちです。レンタサイクルでの今治~尾道完走にこだわるなら、大三島や生口島あたり宿泊するなどして2日以上かける方が絶対にいいと思います。

完走にこだわらないのであれば、1日や半日の日程でサイクリングするモデルコースもありますので後ほどご紹介しますね!
1時間に進める距離
しまなみ海道サイクリングの所要時間 自転車って1時間でどれくらいの距離を進めるの?私も初めての自転車旅行の時には、距離感覚がめちゃくちゃで全く予定通りに進めかった思い出があります……。しまなみ海道のサイクリングルート上は信号機が少なく、何キロも続く超級峠はないので、意外と簡単な計算でおおよその所要時間がわかります。

しまなみ海道をレンタサイクルで走る場合、体力に自信がある人は1時間に15㎞、のんびり走りたい人で1時間に10㎞進むと計算するのがいいかなと思います。お昼休憩や観光、カフェ休憩などの時間はプラスすればだいたいの所要時間の目安になりますね。
マイペースな自転車旅 私は自動車やオートバイ、鉄道やバス、徒歩の旅も好きです。それぞれ楽しみ方や旅の目的が違います。自転車旅の好きなところは、マイペースで自由なところと爽快感。見落としてしまうような小さな発見があるのも魅力です。
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ルートの距離
しまなみ海道サイクリングの距離 しまなみ海道サイクリングでは島内の一般道でどこを通るかによって、70kmから100km超えまでかなりのバリエーションがあります。今治~尾道という同じ起終点の瀬戸内海縦断でも様々なルートが取れるのは、初心者から上級者までがしまなみ海道を訪れる理由のひとつです。
しまなみ海道のメインルートと外周ルートの距離

この図には、しまなみ海道サイクリングのメインルート(青色)と、主な外周ルート(みず色)の距離をまとめてみました。黒い丸印の間の距離(㎞)を数字で落としています。サイクリングする予定のルートのそれぞれの区間の距離を足し算していくことで、おおよその総距離を知ることができます。

私が実際に走って、しまなみ海道サイクリングコースの各区間の距離を地図に落としてみました。
特に景色のよいセクション
ルートのアップダウン
しまなみ海道サイクリングのアップダウン 大きな船も通過するので、しまなみ海道の橋の高さは数十メートル。思っているよりもアップダウンがあるかもしれません。島の中にも小さな峠道があり、ルートによって難易度が変わってきます。
メインルートと外周ルートの峠や橋の高低差

この図では、しまなみ海道サイクリングのメインルート(青色)と、主な外周ルート(みず色)のうち、青色で橋上の最高地点の高さを、緑色で主な峠の高さを落としています。単位はメートルです。
峠は主なルート上の高さ30メートル以上の峠に限り、おおよその標高をピックアップ。しまなみ海道のサイクリングルート上の坂道の勾配は概ね緩やか(3%前後)に設計されています。70メートルの峠で自転車を降りて歩いたとしても、15~20分で登りきれますから、坂道は無理せず押して歩いてもOKですよ。
坂道についてのクチコミ思っていたより全然アップダウンあり。もっと平坦だと思っていた。
最初のころはギアの使い方がよくわからず、坂道に大苦戦。
最後の大島の峠と来島海峡大橋の坂道が長くてヘトヘトになりました。
※スムーズにウェブページが表示されるようにページを分けています。